「カーナビ用音声入力の評価のためのガイドライン」を制定

カーナビゲーションシステム(カーナビ)で利用される音声認識機能の性能を評価する方法を規定

社団法人 情報処理学会 情報規格調査会(東京都港区,会長:石崎 俊)は,カーナビゲーションシステムおよび音声認識システムの製造企業8社の協力のもとに,学会試行標準専門委員会/WG 4小委員会[主査 新田恒雄(豊橋技術科学大学教授)]が作成した「カーナビ用音声入力の評価のためのガイドライン」を情報処理学会試行標準として制定し(IPSJ-TS0011),12月1日(木)に試行のために公開したことを発表します.

情報処理学会試行標準制度は,(a) 国際標準の準備段階のものを学会として標準化する,(b) 国際標準の基礎となるデータで,国際標準としては制定が難しいものなどを学会標準とする,という趣旨のもとに設けられました.成果は,社団法人 情報処理学会 情報規格調査会のWebで公開し,国内外の規格化作業に役立てることを目的としています(http://www.itscj.ipsj.or.jp/ipsj-ts/index.html).

今回の試行標準では,カーナビゲーションシステム(以下カーナビと呼ぶ)などに組み込まれる音声認識機能の性能を評価する方法を規定しています.カーナビの音声入力は,リモコンのキー操作等で目的地を選ぶ場合のように階層をたどることなく,すぐに入力が完了するといった利点を持ち合わせています.しかし,カーナビ用音声入力では使用環境が多岐にわたる上,操作方法やコマンド及び目的地の呼称などが各社でまちまちのため,統一的評価が困難でした.共通のガイドラインを試行標準として提供することにとって,各社の音声認識機能が持つ性能を比較することが可能になります.このことは,カーナビ製造企業だけでなく,音声認識機能装置の開発各社及びエンドユーザーにとっても有益と考えられます.

試行標準では,評価方法を示すガイドラインとして,「簡易評価方法」と「基本評価方法」の二つを規定しました.「簡易評価方法」の目的は,異なる機種間での比較を可能にすることによって,雑誌社などの第三者による評価に裏付けを与えることで,一方,「基本評価方法」の目的は,製造企業自らがこの評価結果をパンフレットに記載することによってユーザーに客観的な性能を示すことができ,健全な技術競争を生み出すことにあります.

さらに,ガイドラインには,評価の際に守るべき一定の基準(詳細な実験条件や実験手順)も示されています.特に「簡易評価方法」では,誤った使い方によって,誤った評価が行われることを避けるため,実験条件を定めるなど評価時の負担が小さくなるように,自分の現在地(=出発地)を“新宿−東京都庁”に固定し,多くのカーナビが入力可能と考えられる東京周辺の施設名称152箇所を評価用POI(Point of Interests: 関心地点=行き先)リストとして提供しています.

音声インタフェースに関わる学会試行標準としては,今回の制定は3番目の標準化となります.これまで,新しい単語をどのように発音するか(読み表記の指定:例えば最高値「さいたかね」)を統一する「認識のための読み表記(情報処理学会試行標準 IPSJ-TS 0004)」,続いてパソコン等に音声で入力(ディクテーション)する場合の記号の読み方(/(すらっしゅ),*(あすたりすく),…)を規定する「ディクテーションで用いる基本記号に対応する読み(情報処理学会試行標準IPSJ-TS0009)」を制定し,Web上で公開しています(http://www.itscj.ipsj.or.jp/ipsj-ts/list.html).


プレスリリースについての問い合わせ先
社団法人 情報処理学会 情報規格調査会 事務局責任者 三田 真弓
住 所: 〒105-0011 東京都港区芝公園 3-5-8 機械振興会館 308-3
http://www.itscj.ipsj.or.jp
T E L: 03-3431-2808 F A X: 03-3431-6493
E-mail: standards@itscj.ipsj.or.jp

企業情報

企業名 社団法人情報処理学会 情報規格調査会
代表者名 石崎 俊
業種 未選択

コラム

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