パソコンだけじゃない!今後はスマートフォンにおける対策にも注目 ~「ブルーライト対策」 最新トレンド~

「ブルーライトカット」モード搭載のスマホも登場!市場拡大の予感…トレンドの専門家が語る業界予測

生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、2013年のトレンドとして、スマートフォンにおける「ブルーライト対策」に注目し、レポートします。

パソコンの長時間利用や、スマートフォンの急速な普及により、「目」の健康に対する不安が高まっている現代。そのような中、2011年9月に発売された、パソコン用メガネ「JINS PC(R)」の大ヒットをきっかけに、近年、同商品のコンセプトでもある「ブルーライト対策」に大きな注目が集まっています。
「ブルーライト」とは、パソコン、テレビなどのディスプレイから発せられる可視光線の中で、最もエネルギーが高く、目の奥の網膜にまで届く青色光のことを指します。長時間ブルーライトを見続けることは、目や身体にも負担が生じ得るという懸念も拡がっており、「JINS PC」以外にも、ぞくぞくと「ブルーライト対策」商品が登場しています。

中でも注目したいのが、“スマートフォン”における「ブルーライト対策」です。実際に、前述の「JINS PC」も、パソコンだけでなくスマートフォン利用時の着用についても積極的に推奨しているほか、2013年3月1日にNTTドコモから発売されたスマートフォン「MEDIAS X N-04E」には、本体機能として「ブルーライトカットモード」が搭載されており、早くも話題になっています。

今回トレンド総研では、こうしたスマートフォンにおける「ブルーライト対策」の最新トレンドをテーマに、消費者の意識調査結果や、商品ジャーナリストの北村森氏へのインタビューコメント、ブルーライト対策商品の開発者の声などをレポートいたします。


1、【消費者意識調査】スマートフォンにおける「ブルーライト対策」の実態

■スマートフォンの利用時間、ユーザーの平均は、平日2.1時間/休日2.6時間!働く男女の9割が、PC・スマホの長時間利用による「目の負担」を懸念
はじめに、20~30代の会社員男女500名を対象に、スマートフォンにおける「ブルーライト対策」をテーマに意識調査をおこないました。
まず最初に、「スマートフォンの所有率」を調べたところ、働く男女の63%が「現在スマートフォンを所有している」と回答。「現在は所有していないが、今後購入予定」と回答した18%を含めると、約8割がスマートフォンの利用意向があることになります。
続いて、スマートフォンユーザーに、「1日あたりのスマートフォンの利用時間」を聞くと、平日で「平均2.1時間」、休日で「平均2.6時間」という結果に。多くの人が、スマートフォンを長時間利用している様子がうかがえます。ちなみに、「1日あたりのパソコンの利用時間」についても聞くと、仕事がある日で「平均6.0時間」という結果になりました。現代の働く男女は、スマートフォンやパソコンなどのディスプレイから、毎日長時間のブルーライトを浴びていることになり、目や身体への負担が懸念されます。
実際に、「あなたは、目の疲れを感じることがありますか?」という質問には、44%が「よくある」、44%が「たまにある」と回答。さらに、「パソコンやスマートフォンなどを長時間利用することは、目の負担になると思いますか?」と聞くと、61%が「とてもそう思う」、31%が「まあそう思う」と答えました。

■「ブルーライト」対策アイテム・・・働く男女の15%が「持っている」、62%が「今後ほしい」
次に、「ブルーライト」対策に関する意識・実態についても調査をおこないました。
まず、「ブルーライト」という言葉の認知度を聞いたところ、48%と約半数が「知っている」、28%が「詳しくは知らないが、言葉は聞いたことがある」と回答。多くの人が、「ブルーライト」という言葉を耳にした経験があるようです。
さらに、現在「ブルーライト」対策をしているかどうかを聞くと、すでに15%と,約7人に1人が「している」と答えたほか、62%が「今後対策をしようと思っている」と回答。両者をあわせると、約8割にのぼり、「ブルーライト」対策は、今後ますます一般的なものになっていくと予想されます。

[調査概要]
・調査期間:2013年2月13日~2月15日
・調査方法:インターネット調査 
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
・調査対象:20~30代 有職者(会社員)男女 500名


2、【専門家インタビュー】商品ジャーナリストが語る「ブルーライト対策」最新トレンド
続いて、トレンドに詳しい商品ジャーナリスト・北村森氏に、「ブルーライト」対策の最新動向についてお伺いしました。

■「ブルーライト対策」に注目が集まったきっかけについてお聞かせください。
まず近年、もともと「目」の健康に関する“漠たる不安”が拡がっていたという背景があります。働く男女を中心にパソコンの利用時間が増えているほか、スマートフォンが急速に広まったことで、ディスプレイに目を向ける時間は以前に比べて圧倒的に長くなりました。
こうした中で登場したのが、株式会社 ジェイアイエヌのパソコンメガネ「JINS PC」です。これまで拡がっていた“漠たる不安”に対して、「問題となる要素(=ブルーライト)」と、「はっきりした解決の手立て(=「JINS PC」)」を打ち出したことで、消費者からの大きな支持を獲得しました。消費者側の心理としても、パソコンやスマートフォンを長時間利用する中で、目の疲れなどを自身でも「実感」していただけに、商品に納得感をおぼえて購入をする人が多かったのだと思われます。
また、パソコンやスマートフォンのヘビーユーザーほど、ブルーライトに関する情報のキャッチアップが速く、かつ目の疲れなどの実感値があるだけに対策への関心も高まる、という傾向にあります。同時に、彼らはネットを介したクチコミ力が高い人たちでもあるので、自身が対策アイテムを利用することがネット上でのバズにもつながり、ブルーライトの話題はますます世の中に広がっていきました。

■現在の「ブルーライト対策」事情についてお聞かせください。
このように、「ブルーライト対策」関連の商品は、現在1つの大きな市場を形成しつつあります。
そうした中で、見逃せないのが“スマートフォン”における対策アイテムです。先日も、本体機能に「ブルーライトカットモード」を搭載した、NTTドコモのスマートフォン「MEDIAS X N-04E」(NEC カシオモバイルコミュニケーションズ製)が発売され、大きな話題になりました。これにより、画質や性能などだけでなく、ブルーライトへの配慮を取り入れることが、新たな「商品力」になり得ることがわかりました。このように、本体機器そのものに「ブルーライト対策」をほどこす動きは、スマートフォンやタブレット端末など、あらゆるデバイスにおいて、今後ますます進んでいくでしょう。
もちろん、こうした「デバイス」自体で対策をする動きと並行して、ブルーライトカットのメガネやフィルムなどの、手軽に取り入れられる「アイテム」を使った対策もますます一般化していくことは容易に想像がつきます。スマートフォンにおける「ブルーライト対策」商品の市場は、「デバイス」と「アイテム」の相乗効果で、今後さらに盛り上がっていくと思われます。

▼専門家プロフィール
北村 森 (きたむら・もり)商品ジャーナリスト
「日経トレンディ」編集長時代から、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活動。退職後、商品ジャーナリストとして活動。原稿執筆、テレビ、ラジオ番組への出演、講演活動などとともに地方自治体と連携する形で地域おこしのアドバイザー業務にも携わる。著書に『途中下車』(河出書房新社)、『ヒット商品航海記』(日本経済新聞出版社 共著)。


3、【商品開発者インタビュー】「ブルーライト対策」スマートフォン 開発の背景
また今回、北村氏のインタビューの中にも出てきた、「ブルーライトカットモード」を搭載した、NTTドコモのスマートフォン「MEDIAS X N-04E」の開発元、NEC カシオモバイルコミュニケーションズの商品担当者である、商品企画部の凌晶氏にもお話をお伺いしました。

■「ブルーライトカットモード」搭載のスマートフォンを発売した経緯についてお聞かせください。
近年、パソコン用メガネなど、ブルーライトをカットする機能が注目されていますが、スマートフォンにおいても、長時間インターネットやゲームをする人が多く、このブルーライトが知らず知らずのうちに、眼精疲労やドライアイにつながる懸念が拡がっています。そこで今回当社では、「人にやさしい」機能のひとつとして、「ブルーライトカットモード」を搭載したスマートフォンを開発しました。

■「ブルーライトカットモード」を搭載するにあたり、工夫した点などがあればお聞かせください。
スマートフォンの利用用途に応じて、「ブルーライトカットモード」と「通常モード」を切り替えられる仕様にしました。文字さえ確認できればよい時には、目にやさしい「ブルーライトカットモード」、鮮明な映像・画像を楽しみたい時には「通常モード」といった形で、自由に設定することができます。モードの切り替えについても、通知パネルから簡単に選択ができるように配慮しました。

企業情報

企業名 トレンド総研
代表者名 ----
業種 その他サービス

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