平成生まれが入社して約1年半…「仕事ができる」のは1割未満!?自己評価が低い平成生まれ 「知識不足を実感」9割に

トレンド総研は、若手ビジネスパーソンを対象に、「仕事における情報収集」に関する意識・実態調査をおこないました。本レポートでは、調査結果のほか、世代・トレンド評論家の牛窪 恵氏による解説、効率的な情報収集のために活用できるスマートフォン・WEBサービスについても紹介してまいります。

1. 若手ビジネスパーソンの「情報収集」に関する意識・実態調査

◆「仕事ができる」と感じているのは8%のみ…自己評価低い平成世代
 はじめに、入社1年半が経過した「平成生まれ」の若手ビジネスパーソンに対して、「自分は仕事ができると思いますか?」と聞いたところ、「できると思う」と回答した人はわずか8%という結果に。仕事ができないと感じる具体的なシーンとしては、「お客さんの質問にすぐ答えられないとき。(23歳・男性)」、「専門用語が出てくるたびに、調べるか尋ねるかをしないと仕事が進められないとき。(24歳・女性)」など、社会人としての経験不足や知識不足に起因する回答が目立ちました。
 そこで、あらためて「自信がない」ポイントについて質問したところ、業界知識・商品知識・時事知識などのいわゆる「ビジネス知識」を挙げた人は68%にのぼり、「コミュニケーションスキル」(57%)、「マナー・接遇」(57%)、「パソコンスキル」(47%)などを上回りました。
さらに、「仕事をしていて、自分の知識不足(業界知識・商品知識・時事知識など)を感じることはありますか?」という質問をしたところ、92%の人が「知識不足を感じる」と回答。中でも知識が足りないと感じる分野としては、「業界知識」(66%)が最も多く、次いで政治・経済・トレンドなどの「時事知識」を挙げる人も40%にのぼりました。

◆ WEB活用で情報収集する若手世代、紙メディアのチェックは苦手?
 次に、知識不足を補うための手段として、「普段から十分な情報収集ができていると思いますか?」と聞いたところ、「できている」という回答は8%にとどまり、69%と7割近くが「情報収集はしているが、十分とはいえない」と回答しています。
 普段の情報収集源としては、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを通じて「WEB」を活用している人が81%と最多。また、ニュースアプリ、情報アプリなどの「アプリ類」も45%の人が活用しているようです。なお、閲覧するWEBサイト・アプリとして一番多かったのは「ポータル系サイト」で84%。そのほかでは、「まとめ系サイト」(51%)の利用者が「無料ニュース系アプリ」(38%)の利用者を上回り、WEBでの情報収集に慣れている世代ならではの傾向が見られました。
 一方で、特に紙メディアに関してはチェックできていない人が多く、「新聞」を毎日チェックしている人は17%と2割に満たない結果に。同時に、約3人に1人が「定期的にチェックしたいと思うが、できていない」媒体であると回答しています。そのほか、TVについても、「毎日チェックしている」人は27%にとどまりました。
 ちなみに、情報収集の現状について聞いたところ、「自分が興味・関心のある情報しか収集できていない」(84%)、「人と差がつくような情報を収集できていない」(79%)の2点が大きな懸念点として挙がり、情報収集に偏りがある傾向が強いことが分かりました。


2. 世代・トレンド評論家 牛窪 恵氏に聞く「情報収集」のポイント

◆ 「ゆとり世代」の若手ビジネスパーソンは「デジタルネイティブ世代」
 現在社会人1~2年目である若手ビジネスパーソンは、ゆとり教育を受けてきたいわゆる「ゆとり世代」です。この世代は、物心がついたときには既に「Windows 95」が登場していて、一家に1台、ひいては1人1台パソコンを持っている環境で育てられた「デジタルネイティブ世代」でもあります。パソコンだけでなく携帯電話やスマートフォンも日常に浸透するようになり、子供の頃、安全のために両親から “キッズケータイ”を持たされたという人も多いのではないでしょうか。成長してからも、例えば就職活動ではパソコンやスマートフォンを使いこなしてきたため、社会人になってからも引き続きデジタル機器を駆使して情報収集をしている場合がほとんど。しかし一方、それまでの人生でスクラップなどに触れていない世代ですので、新聞や雑誌など、デジタルでない「紙メディア」での情報収集については、苦手としている人が多いと感じます。

◆ 情報が氾濫する現代は「知識不足」が「自信不足」 に
 この平成生まれの「ゆとり世代」は、90年代のバブル崩壊以後、日本の「右肩下がり」の時代しか見ていない世代。バブル世代などの上の世代に比べると、「競争」をよしとしない傾向が続いています。そのため、周囲との競争に勝って大きな成功体験をしたり、それによって自信を得たりする機会が少なかったのではないかと感じます。
 さらに、現代は非常に多くの情報が氾濫していますが、同時にデジタル機器の普及によって情報収集の手段も増加しているため、普段の何気ない会話でさえ、「この情報知らないの?」と指摘されることを恐れる人が増えています。知識不足を指摘されると、「恥ずかしい」と感じてしまって、自信を失いやすい。逆に言いかえると、自分の所属企業や働いている業界に関する情報を日々収集しておき、「知識がある」と感じられる状態にあることで、自分に自信を持てるということでもあります。
 忙しい若手ビジネスパーソンにとって、日々の情報収集には、WEBやスマートフォンが必要不可欠。ただし、WEB上にはさまざまな情報があふれているため、情報源が不確かなものもある点には注意が必要です。情報の確度を考えると、やはり上の世代からも信頼が高い、新聞や雑誌などの紙媒体で配信される情報にも気を配ることがポイントであると言えます。

◆「食わず嫌い」ではもったいない!確かな情報源のニュース提供サービスの活用法とは?
 WEBでの情報閲覧に慣れているせいか、今の若手ビジネスパーソンの多くは「まとめ系サイト」や「掲示板系サイト」ばかりを見てしまう癖がある人が多いのではないでしょうか。これらはほとんどが無料で、かつ短時間で閲覧できるため、友達との日常的な会話に使う程度の知識としては、効率が良いからかもしれません。ただ、先に述べたように情報源が不確かなことも多く、仕事では使いづらい場面が出てきます。
 昨今、新聞社や雑誌社などが続々とWEB上やスマートフォンのアプリでのニュース提供サービスを展開しています。提供元の企業のイメージから、「敷居が高い」と感じる人もまだいるかもしれませんが、仕事のための情報収集に使用するサービスは、情報の確実性が高いものを選ぶ人が増えてきました。最近では、特に若い世代に向けて、読みやすく共感しやすいコンテンツを提供する新聞社なども多いので、「食わず嫌い」ではもったいない。無料・有料では得られる情報が異なることもあるので、自分が何について知りたいか、何のために得たい情報なのかを具体的にイメージした上で活用することで、効率よく、自信につながるような情報収集ができると思います。


3. 「知識不足」を解消する、ジャンル別・注目の便利サービス     
             
◆ 新聞系:「日経電子版」
 「日経電子版」は、新聞が持つ信頼性とデジタル技術の利便性をマッチさせた有料メディア。ひとつのIDで、パソコンでも、スマートフォンやタブレットでも利用可能です。WEBブラウザから閲覧できるほか、アプリも2種類提供しており、過去1週間分の朝刊・夕刊と、全国の地域経済面が紙面そのままに読めるタイプと、新聞紙面の記事閲覧に加えて、WEB上で提供されているニュース速報の閲覧や、記事の保存、自動収集機能が使用できるタイプを、好みに応じて使い分けられます。日経新聞を購読している方はプラス1,000円(税込)/月で、電子版のみの利用の場合は4,000円(税込)にて利用することができます。ニュース速報のメール配信サービスや「日経ストア」内の電子書籍の無料ダウンロード(新聞購読との同時プランのみ・年間2冊まで)など、有料登録によって利用できる機能が幅広いことも特長です。若手ビジネスパーソン向けの読みやすいコンテンツも豊富で、一部機能制限がある無料の登録会員プランで使用感を試すこともできます。
 また、2013年10月下旬からは、さまざまなニュースやキーワードを、独自の切り口で公開していくブログメディア「ニチペロ」http://pr.nikkei.com/nichipero/を公開。若手ビジネスパーソンならぜひとも知っておきたい情報が盛りだくさんのコンテンツです。

◆ 雑誌系:「ビューン」
 「ビューン」は、電子雑誌や電子コミックが読み放題の電子書籍系アプリです。数々の有名週刊誌やビジネス誌、ファッション誌、さらには数百冊以上におよぶ名作コミックも読み放題です。アプリ自体は無料でダウンロードでき、利用料金は月額500円(税込)から。サービス利用開始から24時間は無料で利用できるため、有料登録する前に、アプリの内容や使い心地などについてお試し利用ができる点も特長です。

◆ テレビ系:「ランキン★TV」
 「ランキン★TV」は、グリー株式会社提供の、人気テレビ番組のランキングが毎朝届く無料iPhoneアプリ。数十万世帯での実際の録画予約数と、アプリ内に設置されている「見たい!」ボタンを指標にしたランキングであるため、今何が本当に話題なのか、注目されているかを放映前にチェックすることができます。番組名だけではなく、簡単な番組情報も事前に確認でき、気になる番組はアプリ内からそのままFacebookへシェアすることも可能です。また、「見たい!」ボタンを押すことで、iPhone内蔵のカレンダーと連動し、番組の放映時間になると通知がくる機能も備えているため、見逃しも防止することができます。

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