世界初のiPS細胞由来心筋シートの開発・実用化を目的とした大阪大学発ベンチャー企業設立について

デフタ・パートナーズ（本社 米国 サンフランシスコ、グループ会長 原 丈人）は、世界初のiPS細胞*1由来心筋シートの開発・実用化を図る目的で、クオリプス株式会社（所在地：神奈川県横浜市、以下「クオリプス」）を設立しました。

iPS細胞由来心筋シートは、ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞をシート状に加工した他家細胞治療製品*2です。心臓移植や人工心臓装着以外に有効な治療法がない重症心不全患者の心臓に本製品を移植することにより、心機能の改善や心不全状態からの回復等の治療効果が期待されています。

iPS細胞由来心筋シートの研究開発は、大阪大学 大学院医学系研究科 外科学講座 心臓血管外科学（澤 芳樹教授）が、心臓疾患を対象とした細胞治療研究の最先端の成果をもとに、AMED（国立研究開発法人日本医療研究開発機構）の再生医療実現拠点ネットワークプログラムとして取り組み、臨床研究及び医師主導治験の開始に向け準備を進めてきましたが、本年7月20日に、iPS細胞から作った心筋細胞の安全性をヒトで検証するための臨床研究を計画し、大阪大学特定認定再生医療等委員会に申請しました。

クオリプスの理念は、人々が命ある限り、健康で幸せな生活を送るために、新しく確かな技術を活用し、心のこもった医療を実現することです。そして、理念を共にするメンバーと共に、心臓疾患の治療の課題解決に果敢に挑戦し、革新的な技術で創薬分野に新しい世界を築くことを事業方針としています。その最初の挑戦として、iPS細胞由来心筋細胞及びその製造方法に関する研究を推進し、実用化を見据えて効率的な生産技術の開発を進めていきます。

*1 iPS細胞は、ほぼ無限に増殖する能力と様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持ち、今後の細胞治療への活用が期待されています。

*2 細胞治療製品には、患者自身の細胞を取り出して培養・加工する自家細胞製品と、患者以外の第三者の細胞を培養・加工する他家細胞製品の2種類があります。

【デフタ パートナーズについて】

デフタ・パートナーズ（www.deftapartners.com）は、1984年に米国カリフォルニア州、スタンフォードにて設立されて以来、米国・欧州・イスラエルを中心として技術を核とした情報通信技術と生命科学分野の創業期のベンチャー企業を発掘、出資を行い、経営に参画し事業経営を展開してきました。情報通信分野では、1990年代にマルチメディア遠隔会議システムで世界をリードしたPictureTel社、EコマースのBtoBプラットフォームを世界に先駆けて開発したTRADEX Technologies社、デジタルディスプレイ機器の次世代半導体メーカーのOplus Technologies社、ネットワーク統合脅威管理のパイオニアで現在世界最大級のシェアを持つFortinet社などいくつもの創業間もない企業を時間をかけて成長させ、世界的な大企業へと成功に導きました。

バイオ分野では、世界初の遺伝子治療を開発したViagene社、世界初アンチセンス創薬企業のISIS社、世界初のバイオインフォマティックス企業Arris Pharmaceutical社など、新産業の核となるようなテクノロジーベンチャーを成功させた実績をもち、現在では、先端医療事業開発のプラットフォーム「DEFTA Healthcare Technologies, L.P.」を通じて、難病治療のため米国全人口の約90%をカバーするのHLAマッチングを達成した再生医療創薬企業のORIG3N社（本社、米国ボストン）、低分子化合物を用いる画期的な手法で培養プロセスを必要としない新しい形の再生医療を開発するEndogena Therapeutics社（本社、米国サンフランシスコ）などへ出資し、中長期的に経営を支援しています。

【問い合わせ先】

デフタ・パートナーズ

担当社名：熊地 叔子

TEL: 045-232-4280

Email: info@deftapartners.com