コカコーラから発ガン性物質検出
「NPO法人 食品と暮らしの安全」の協力団体であるアメリカの公益科学センターは、6月26日、日本を含む世界各国で含まれているコカコーラには発ガン性物4-メチルイミダゾール(4-MI)が含まれていると発表しました。
「NPO法人 食品と暮らしの安全」の協力団体であるアメリカの公益科学センター(CSPI Center for Science in the Public Interest)は、6月26日、日本を含む世界各国で含まれているコカコーラには発ガン性物4-メチルイミダゾール(4-MI)が含まれていると発表した。この発ガン性物質は、カラメル色素を製造する過程で、砂糖やアンモニア、亜硫酸塩が高圧・高温下で化学反応を起こして生成される化学物質である。
CSPIの調査は、「NPO法人食品と暮らしの安全」を含む、世界各国の消費者団体の協力で行われた。発ガン性物質4-MIのレベルは、各国で異なり、ブラジルで販売されているコカコーラが最も汚染されていた。日本のコカコーラは、355ml換算で72マイクログラムで、カリフォルニア州で販売されているコカコーラが4マイクログラムだったのに対し約18倍も多い。
カリフォルニア州では4-MIを含む食品の規制があり、この規制に対応するために、カリフォルニア州で販売されるコカコーラのみ4M-1が少ないものとみられる。
CSPIは、カリフォルニア州でできるのなら、世界各国でも発ガン性物質の少ないコーラにすべきであると述べている。また、コカコーラの問題点は、この発ガン性物質よりも、大きな健康リスクをもたらす、大量の糖分にあり、コカコーラをはじめとする糖分を多く含む清涼飲料水の飲みすぎを警告した。
また、日本ではコーラが500ml入りのペットボトルで販売されているのに対し、アメリカでは355ml、ヨーロッパ・アフリカ・中国では330mlが標準である。CSPI代表のマイク・ジェイコブソン氏は、コカコーラのように糖分の多い清涼飲料水を500mlで販売すると飲みすぎてしまうため、500mlのコカコーラは日本でも販売すべきでないと言っている。
「NPO法人食品と暮らしの安全」も、過去に糖分の多い清涼飲料水が血糖値の上昇や肥満を引き起こす「ペットボトル症候群」について警告を行っており、CSPIと同様に、糖分の多い清涼飲料水は飲みすぎないことが重要であると考えている。コカコーラの発ガン性物質の問題、および、大容量のコカコーラ販売の禁止に関して、日本コカコーラに対し近日中に申し入れを行う予定である。
CSPIのプレスリリース原文はこちら
http://www.cspinet.org/new/201206261.html
【CSPIプレスリリース翻訳】
コカコーラの発ガン性物質レベル各国で相違
ブラジルで販売されているコカコーラが最も汚染されている
2012年6月26日
カリフォルニアで販売されているコカコーラは最も発ガン性物質4-メチルイミダゾールが少なかった。しかし、今回の調査結果で世界各国では警告すべきレベルの発ガン性物質が含まれていることが分かった。この発ガン性物質は、カラメル色素を製造する過程で、砂糖やアンモニア、亜硫酸塩が高圧・高温下で化学反応を起こして生成される化学物質である。カリフォルニア州では昨年、清涼飲料水の4-MIのレベルが特定のレベルを超過している場合、ガン警告表示を行わなければならないという規制を始めたため、コカコーラはカリフォルニア州においては、発ガン性物質レベルの低いカラメル色素を使い始めた。CSPIは3月に4M-1のテストを行い発表した。
ブラジルのコカコーラ(355ml)からは267マイクログラム、ケニアのコカコーラからは177マイクログラム、カナダ、アラブ首長国連邦、メキシコ、イギリスのコカコーラからは、144から160マイクログラム、中国のコカコーラからは56マイクログラム、日本のコカコーラからは72マイクログラム検出された。アメリカのワシントンDCのコカコーラからは144マイクログラムだったのに対し、カリフォルニアのコカコーラからは4マイクログラムしか検出されなかった。
カリフォルニア州では、その食品を食べることにより1日の4-MI摂取量が30マイクログラムを超える場合は、ガン警告表示をすることになっている。355mlのコカコーラを飲めば30マイクログラム以上の4-MIを取りこんでしまうことになる。カリフォルニア州は、4-MIを30マイクログラム以上取り込むと、10万人に1人の可能性で生涯のうちにガンにかかると見積もっている。
米食品医薬品庁(FDA)は、これよりもっと低いレベルである、100万人に1人ガンを引き起こす可能性のある量の発ガン性物質を規制している。FDAは同じ基準を適用するのならば、コカコーラの4-MIのレベルは3マイクログラム以下であるべきだ。カリフォルニアで販売されているコカコーラはこのレベルに近いと言えるが、多くの国で販売されているコーラはこのレベルをはるかに超えている。
CSPIのテスト結果はインターナショナルジャーナル・オブ・オキュペーション アンド エンバイロメンタル ヘルス (Vol.18,No.3)に間もなく発表される。
CSPI代表のマイケル・F・ジェイコブソン氏は以下のように述べている。
「幸いにも、中国、日本、ケニアその他の国ではアメリカ人と比べて炭酸飲料水の消費量は少ない。そのため、この危険な化学物質への暴露は比較的少なく済んでいるだろう。」「しかし、コーラの発ガン性物質の量を減らすことができることは明らかになったのだから、コカコーラはカリフォルニアだけでなく、世界各国で同じようにしない言い訳は出来ない。」
CSPIはこの調査をするために世界各国の消費者団体からコカコーラを送ってもらった。この世界各国の消費者団体は、各国でこのテスト結果を発表しており、各国の健康担当省などにこの発ガン性物質についての注意を促している。
CSPIは2011年2月にFDAにアンモニアを使ったカラメル色素の使用を禁じ、この色素に関するより正確な定義付けをするよう申し入れを行った。一般家庭で作るカラメルとは異なり、工業的に製造されるカラメル色素は砂糖やアンモニア、亜硫酸塩が高圧・高温下で化学反応を起こして生成される。砂糖とアンモニアの化学反応により、4-MIが生成される。この物質はアメリカの政府の研究所の動物実験では、肺がん、肝臓がん、甲状腺がん、白血病を引き起こしている。カラメル色素製造会社の大手「DDウィリアムソン」(D.D.Williamson)によると、4-MIの含まれないカラメル色素もあるが、清涼飲料会社が購入していないと言う。
著名な動物の発ガン性研究者5人(うち数人はナショナル毒性プログラムで勤務)は、FDAにアンモニア化の過程を経て作られたカラメル色素の使用を禁止するというCSPIの申し入れに賛同した。「アメリカ人はこのような化学物質を消費することでガンのリスクにさらされるべきではない。特に、重要でない嗜好品の場合は」とその研究者の一人は書いている。
CSPIは、コカコーラのように広く消費されている製品に発ガン性があるとわかっている物質が含まれていることは問題だが、消費者はコカコーラやその他の甘い清涼飲料水に含まれている砂糖やブトウ糖果糖液糖のリスクにより注意を払うべきだと述べている。糖分の多い清涼飲料水を摂りすぎは、体重増加、肥満、糖尿病、虫歯、その他の健康問題を引き起こすためである。
(訳:熊澤夏子)
食品と暮らしの安全基金ホームページ(世界9カ国のコカコーラにおける4M-1含有量の表があります)
http://tabemono.info/report/report_9_3.html
CSPIの調査は、「NPO法人食品と暮らしの安全」を含む、世界各国の消費者団体の協力で行われた。発ガン性物質4-MIのレベルは、各国で異なり、ブラジルで販売されているコカコーラが最も汚染されていた。日本のコカコーラは、355ml換算で72マイクログラムで、カリフォルニア州で販売されているコカコーラが4マイクログラムだったのに対し約18倍も多い。
カリフォルニア州では4-MIを含む食品の規制があり、この規制に対応するために、カリフォルニア州で販売されるコカコーラのみ4M-1が少ないものとみられる。
CSPIは、カリフォルニア州でできるのなら、世界各国でも発ガン性物質の少ないコーラにすべきであると述べている。また、コカコーラの問題点は、この発ガン性物質よりも、大きな健康リスクをもたらす、大量の糖分にあり、コカコーラをはじめとする糖分を多く含む清涼飲料水の飲みすぎを警告した。
また、日本ではコーラが500ml入りのペットボトルで販売されているのに対し、アメリカでは355ml、ヨーロッパ・アフリカ・中国では330mlが標準である。CSPI代表のマイク・ジェイコブソン氏は、コカコーラのように糖分の多い清涼飲料水を500mlで販売すると飲みすぎてしまうため、500mlのコカコーラは日本でも販売すべきでないと言っている。
「NPO法人食品と暮らしの安全」も、過去に糖分の多い清涼飲料水が血糖値の上昇や肥満を引き起こす「ペットボトル症候群」について警告を行っており、CSPIと同様に、糖分の多い清涼飲料水は飲みすぎないことが重要であると考えている。コカコーラの発ガン性物質の問題、および、大容量のコカコーラ販売の禁止に関して、日本コカコーラに対し近日中に申し入れを行う予定である。
CSPIのプレスリリース原文はこちら
http://www.cspinet.org/new/201206261.html
【CSPIプレスリリース翻訳】
コカコーラの発ガン性物質レベル各国で相違
ブラジルで販売されているコカコーラが最も汚染されている
2012年6月26日
カリフォルニアで販売されているコカコーラは最も発ガン性物質4-メチルイミダゾールが少なかった。しかし、今回の調査結果で世界各国では警告すべきレベルの発ガン性物質が含まれていることが分かった。この発ガン性物質は、カラメル色素を製造する過程で、砂糖やアンモニア、亜硫酸塩が高圧・高温下で化学反応を起こして生成される化学物質である。カリフォルニア州では昨年、清涼飲料水の4-MIのレベルが特定のレベルを超過している場合、ガン警告表示を行わなければならないという規制を始めたため、コカコーラはカリフォルニア州においては、発ガン性物質レベルの低いカラメル色素を使い始めた。CSPIは3月に4M-1のテストを行い発表した。
ブラジルのコカコーラ(355ml)からは267マイクログラム、ケニアのコカコーラからは177マイクログラム、カナダ、アラブ首長国連邦、メキシコ、イギリスのコカコーラからは、144から160マイクログラム、中国のコカコーラからは56マイクログラム、日本のコカコーラからは72マイクログラム検出された。アメリカのワシントンDCのコカコーラからは144マイクログラムだったのに対し、カリフォルニアのコカコーラからは4マイクログラムしか検出されなかった。
カリフォルニア州では、その食品を食べることにより1日の4-MI摂取量が30マイクログラムを超える場合は、ガン警告表示をすることになっている。355mlのコカコーラを飲めば30マイクログラム以上の4-MIを取りこんでしまうことになる。カリフォルニア州は、4-MIを30マイクログラム以上取り込むと、10万人に1人の可能性で生涯のうちにガンにかかると見積もっている。
米食品医薬品庁(FDA)は、これよりもっと低いレベルである、100万人に1人ガンを引き起こす可能性のある量の発ガン性物質を規制している。FDAは同じ基準を適用するのならば、コカコーラの4-MIのレベルは3マイクログラム以下であるべきだ。カリフォルニアで販売されているコカコーラはこのレベルに近いと言えるが、多くの国で販売されているコーラはこのレベルをはるかに超えている。
CSPIのテスト結果はインターナショナルジャーナル・オブ・オキュペーション アンド エンバイロメンタル ヘルス (Vol.18,No.3)に間もなく発表される。
CSPI代表のマイケル・F・ジェイコブソン氏は以下のように述べている。
「幸いにも、中国、日本、ケニアその他の国ではアメリカ人と比べて炭酸飲料水の消費量は少ない。そのため、この危険な化学物質への暴露は比較的少なく済んでいるだろう。」「しかし、コーラの発ガン性物質の量を減らすことができることは明らかになったのだから、コカコーラはカリフォルニアだけでなく、世界各国で同じようにしない言い訳は出来ない。」
CSPIはこの調査をするために世界各国の消費者団体からコカコーラを送ってもらった。この世界各国の消費者団体は、各国でこのテスト結果を発表しており、各国の健康担当省などにこの発ガン性物質についての注意を促している。
CSPIは2011年2月にFDAにアンモニアを使ったカラメル色素の使用を禁じ、この色素に関するより正確な定義付けをするよう申し入れを行った。一般家庭で作るカラメルとは異なり、工業的に製造されるカラメル色素は砂糖やアンモニア、亜硫酸塩が高圧・高温下で化学反応を起こして生成される。砂糖とアンモニアの化学反応により、4-MIが生成される。この物質はアメリカの政府の研究所の動物実験では、肺がん、肝臓がん、甲状腺がん、白血病を引き起こしている。カラメル色素製造会社の大手「DDウィリアムソン」(D.D.Williamson)によると、4-MIの含まれないカラメル色素もあるが、清涼飲料会社が購入していないと言う。
著名な動物の発ガン性研究者5人(うち数人はナショナル毒性プログラムで勤務)は、FDAにアンモニア化の過程を経て作られたカラメル色素の使用を禁止するというCSPIの申し入れに賛同した。「アメリカ人はこのような化学物質を消費することでガンのリスクにさらされるべきではない。特に、重要でない嗜好品の場合は」とその研究者の一人は書いている。
CSPIは、コカコーラのように広く消費されている製品に発ガン性があるとわかっている物質が含まれていることは問題だが、消費者はコカコーラやその他の甘い清涼飲料水に含まれている砂糖やブトウ糖果糖液糖のリスクにより注意を払うべきだと述べている。糖分の多い清涼飲料水を摂りすぎは、体重増加、肥満、糖尿病、虫歯、その他の健康問題を引き起こすためである。
(訳:熊澤夏子)
食品と暮らしの安全基金ホームページ(世界9カ国のコカコーラにおける4M-1含有量の表があります)
http://tabemono.info/report/report_9_3.html
企業情報
企業名 | 食品と暮らしの安全基金 |
---|---|
代表者名 | 小若順一 |
業種 | 新聞・出版・放送 |
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