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発表前の製品について、いかに早く記事を書かせてもらえるかが重要

ステレオサウンド社の「HiVi」、「ホームシアター・ホワイエ」、「Stereo Sound ONLINE」を統括的にまとめている泉哲也さんにお話しを伺いました。

Qまずは泉さんが編集者になられたきっかけについて教えてください。


もともと映画やオーディオに憧れがあり、大学時代にオーディオビジュアル専門誌である「HiVi」を愛読していました。でも就職したのは、編集やマスコミとは全然関係ないコンピューターのプログラマー。当時は今のような薄型パソコンなんてなく、大袈裟ですが洗濯機五台並べたようなコンピューターを前にプログラミングしていたのです。

27歳の頃、この仕事をこの先も続けるのはしんどいなぁと思うようになりました。そんな時、たまたま「HiVi」を手に取ったら、編集部員募集と書いてあったので、申し込んでみたのです。面接では、「自分だったらどんな記事を作りますか?」というようなことを聞かれました。「オーディオ用語が特殊なので、オーディオ用語辞書を作りたい」とか「レーザーディスクを本当に安く買える方法について特集したい」とか、愛読者だった自分が常日頃から思っていたことをそのまま答えたのを覚えています。

1990年にステレオサウンドに入社し、そこから編集者人生が始まって、好き勝手やっているうちに気付いたら23年が経っていました。

 

Q「HiVi」はどのような媒体でしょうか?


1983年から、家庭での映画や音楽再生の楽しみを追求し続けているオーディオ専門誌です。映画が好きで、音楽が好きで、それらを最高の状態で楽しみたい。でも最近のAV機器は難しい…と思っているような方に読んでもらいたいなと。

定期購読してくださる方が、一般の雑誌より多いのではないかと思います。全体の半分近くを固定ファンの方たちが占めていますので、ファンの方に支えていただいてる媒体ですね。

 

Qオーディオへの憧れは、いつ頃からあったのでしょうか?


最初はオーディオというよりも、映画に興味がありました。当時からSF映画が好きで、中3の夏休みに映画館で「スター・ウォーズ」を観た時には、それはそれは興奮しました。お小遣いが少ないので、映画館に観に行けるのは年に1回か2回だけ。ビデオデッキなんかもなかったし、僕と同じ世代の人は、映画を観るのに不自由して、飢えていたんじゃないかと思います。

オーディオへの興味は、中学生からですね。僕の周りもみんな、カセットデッキを欲しがっていました。でも何万円もするカセットデッキなんて自分では買えないので、本当は日曜洋画劇場の音声を録音したいのに、「基礎英語を勉強します」って親に嘘ついてラジカセ買ってもらったりしていましたね(笑)。
レコードプレーヤーを持っているお金持ちは、クラスに一人か二人くらいだったなぁ…。

高校生の頃から、ビデオ機器やオーディオ機器など、高価なものへの憧れが強まっていき、いつか自分で手に入れたいと思って大学の頃から「HiVi」を読みだした次第です。

 

Q憧れの雑誌でお仕事を始められてから、印象に残っている楽しかったこと、つらかったことなどありますか?


基本的に今の仕事は、趣味の延長みたいなものですから、つらかったことは覚えてないですね。確かに校了前がつらいというのはありますけれども(笑)。
楽しかったことはいろいろありますが、挙げるとするなら、この仕事をしていなければ会えないような著名な方にお会いできた時でしょうか。

たとえば「ルパン三世」の作者であるモンキー・パンチ先生。先生も昔から「HiVi」の読者だったんです。初めてお会いしたのは、先生がホームシアターを作ったばかりの時。メーカーの広報の方がうちの編集部を紹介してくれたんです。先生のお宅に取材に行くか?と聞かれたので、「ルパン三世」のファンだった僕は、行きます!と即答しました。

先生はホームシアターへの探求心、行動力が素晴らしく、先日も一緒にJBLの最高級スピーカーを視聴したんですが、その音に居ても立ってもいられない様子で、結局後日発注してらっしゃいました。

 

Qところで、普段から広報担当者とはどのようにお付き合いされていますか?


発表前の製品について、いかに早く記事を書かせてもらえるかが重要なので、「開発の最初の段階でもいいから取材させて欲しい」といって押しかけたりしています(笑)。
そんな要望にも柔軟に対応してくれて、たとえば取材の時に「この製品にはこの機能が欲しいから足したらどうですか」と言ってみたら、「今回は間に合わないけど次の時に検討します」みたいにきちんと答えてくださる広報の方とは、末永く付き合っていきたいなと思いますね。

 

Q最後に、今後媒体をどのように発展させていきたいですか?


僕のオーディオへの興味は、大好きな映画をよりいい絵と音で観たいという思いから始まりました。特に音が良いと、映画の感動や没入感も違うのです。
映画に限らず、いい絵や音は人生を楽しくすると思っていますので、それをより多くの人に体感してもらえる媒体作りをこれからも目指していきたいなと思っています。

最近はより多くの人にその楽しさを知ってもらうため、昨年リニューアルしたばかりの「Stereo Sound ONLINE」のサイトを広げることに尽力しています。たとえばYahoo!ニュースと協業して、新製品のニュースや著名人のオーディオ趣味の紹介、映画情報を発信しています。

'70~'80年代は、1週間単位でFMラジオの番組表が載っている雑誌がありました。その中で、FMラジオをエアチェックしたカセットテープをいい音で聴く方法などが特集されていて、それを読んでオーディオに興味を持った人が「HiVi」デビューすることが多かったのです。
今はそんな雑誌もなくなってしまい、20代くらいの若い人がオーディオに興味を持つ機会がほとんどないと思うので、最初の興味を抱かせるきっかけを、「HiVi」よりも若い読者が多い「Stereo Sound ONLINE」が担えないかなと思っています。

あとは女性ですね。オーディオに興味のある女性は少なくて、実際うちの媒体の読者も3%くらいしかいません。そこにどう切り込むか。今、「ホームシアター・ホワイエ」を書店のインテリア雑誌コーナーに置いてもらうなどのアプローチをしています。
たとえば最近は、キッチンにスピーカーを設置していい音で音楽を聴きながら料理をするとか、スマホのアプリが簡単にオーディオ機器のリモコンになって、難しい操作をすることなく、ホームシアターでいい音が聴けますよといったことも技術的には可能です。しかしそれはほとんど知られていない。そういった女性にも役に立つ情報を発信して、いい音のあるライフスタイルの提案をすることで、より広いユーザーを開拓したいと思っています。

新しい層に新しい方法でアプローチしつつ、昔からの読者の皆様にも飽きられないようにバランスを取りながら、音で皆様の生活がより良くなる媒体作りをしていきたいなと思っています。

 

(取材日:2013年9月10日)

泉 哲也氏

媒体名
Stereo Sound ONLINE

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