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カツオ人間に学ぶPR戦略
先日海外のレストランで、現地在住・高知県出身の70歳の方と知り合いました。「カツオ人間って知ってますか?」と聞いてみたら、「カツオちゃんやろ」と即答。老若男女問わず、高知出身者なら世界のどこにいても愛してやまない「カツオ人間」。 体は人間、頭はぶつ切りカツオという見た目のインパクトだけでは、ここまで人気者にはならなかったはず。カツオ人間のPR戦略からは、企業のPRにも活かせるエッセンスを学べます。
何を伝えたいのか。軸をブラさない
カツオ人間は、テレビ出演の依頼がきても断っているそうです。バラエティ番組にでて急速的にヒットしても、すぐに飽きられていく世の中。カツオ人間が大切にしているのは、単なる認知度アップではなく、「ミッションの達成」です。
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たとえばカツオ人間が、「文旦(ぶんたん)が美味しい」とPRしているのを見たら、高知県出身者は、身の回りの人に「そうそう。文旦ってめちゃくちゃ美味しいんだよ」と熱く語るでしょう。それはパンフレットや広告よりも説得力ある高知のPRになるのです。県外に出て行かれた高知県出身者の、高知を愛しむローカルマインドとノスタルジーマインドに火をつけることで、高知のPRマンをどんどん増やすことが、カツオ人間の役割です。
自社のPR戦略を考えるとき、このカツオ人間のスタンスは参考になります。「何の為にPRを行うのか?」を再確認し、「自社の何を伝えたいのか」のミッションを主軸に置き、そこに沿ったPRを行っていくのが成功の秘訣かもしれません。
SNSからブログへ誘導
カツオ人間のFacebookには、ここ1年で変化が見られます。たとえば2013年12月、カツオ人間は下記のような投稿をしています。
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でも写真をよく見ると、カツオ人間が持ちあげてる車に教官が乗っているのです。
「教官が見てるよ!」「オートマ免許持ってるの?」「そもそも免許とれるんかい!」「その頭じゃ乗れないでしょ?」 と、ありとあらゆる突込みどころが散りばめられています。
このように、2013年頃は見た人が思わずツッコミたくなるような仕掛けを投稿に入れて、いかに拡散されるかを考えた作りになっていました。
ところが最近、カツオ人間のFacebookやTwitterは、【続きは「カツオ人間ブログ」で読んでや】とブログへの導線になっています。
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カツオ人間だけでなく、今はアーンドメディア(信頼や評判を獲得するメディアの意。商品やサービスを広告としてではなく、口コミで紹介するSNSなど)からオウンドメディア(自らが所有するメディアの意。企業が消費者に向けて発信するメディア。自社発行の広報誌やパンフレット、インターネットの自社サイトなど。自社メディア)に移行するのが主流になってきているようです。
ただどちらの戦略でも、共通しているのは写真の美しさ。投稿される写真の一枚一枚がとても鮮やかで綺麗ですよね。なんでも他県から高知県の自然に惚れこんで移住してきたプロカメラマンに撮ってもらっているとか。SNSでもブログでも、写真の見栄えには、とことんこだわるのが吉です。
地元メディアと仲良くなる
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タイムリーに注目されているものに詳しいのは、やはり地元タウン誌の記者やクリエーターの方。情報交換は欠かせません。
また、大手新聞社の本社にプレスリリースを送ってもスル―されることが多いのですが、地方版に送ると記事にしてもらえて、そこから本紙に載ることも多々あるそう。
地元メディアと良好な関係を築くことが、PRの成功につながるかもしれません。
Qカツオ人間プロフィール
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生年月日:酒は飲める年頃
出身地:土佐沖
好きな食べ物:軍鶏鍋
性格:いごっそう・気まぐれ
使用言語:土佐弁
趣味:サーフィン、一本釣り
カツオ人間のブログやき
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カツオ人間から学ぶPR戦略、いかがでしたでしょうか。自社のPR活動に生かせるエッセンスが見つかりましたら幸いです。
Q【広報インタビュー】一般財団法人 高知県地産外商公社の小笠原 慶二 氏
地方PRは出身者とともに!高知の“ゆるくないキャラ”カツオ人間が探し続ける「高知県出身者」
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