注目プレスリリース5選(3月1日~3月7日)
ValuePress!から3月1日~3月7日に配信されたプレスリリースのうち、メディアに取り上げられたリリースを5本ピックアップ。メディア掲載された理由や書き方のコツを分析しました。皆さまのプレスリリース作成に役立てますと幸いです。
タイトルに箔をつけた。
QConnehito株式会社
【リリースタイトル】
前月比140%の急成長!日本最大級の女性向けQ&Aアプリ 「ママリQ」を提供するコネヒト株式会社が総額約1.5億円の資金調達を実施
【分析結果】
タイトルを見ると、このプレスリリースの主題は「会社が1カ月で140%成長した」ことではなく、「1.5億円の資金調達」だということがわかります。
ただ資金調達したことを報告するのではなく、会社名の前に、〝前月比140%の急成長!日本最大級の女性向けQ&Aアプリ 「ママリQ」を提供する″という風に、枕詞の形で実績をアピールすることで、会社の成長を印象づけています。
【プレスリリースから生まれた記事】
TechCrunch Japan:育児・出産情報のキュレーションとQ&Aを展開する「ママリ」、運営のConnehitoが1.5億円の資金調達
CNET Japan:妊婦や子育ての悩みを解決する「ママリ」が1億5000万円を調達
THE BRIDGE:「会社をたたむことも考えた」ーー事業転換で生まれた女性向Q&Aの「ママリQ」、BDVなどから資金調達
文の説明に見合う画像を揃えた。
QThiro Studio
【リリースタイトル】
東大卒開発者が暗記のノウハウを詰め込んだiPhone/iPadアプリ『暗記マスター』をリリース
【分析結果】
プレスリリース本文に、<3つの特長>という見出しがありました。
リリースページの画像添付一覧を見ると、下のように【特徴その1】を除く2つの項目のそれぞれに見合った写真が載っていました。
“【特徴その2】1操作でマーカー作成、ボタン1つで解答確認
紙とペンより快適・快速がコンセプト。ストレス無くマーカー編集、暗記作業が行えます。
【特徴その3】繰り返しの周回学習をサポート
一度問題を解いた後は、苦手な問題だけに絞って効率的に学習ができます。また学習の記録はグラフで確認でき、成長を実感しながら暗記を進められます。
下の記事は、アプリの機能説明画像を活かして、作成されていました。
APPLIDATA:THIRO STUDIO 暗記のノウハウを詰め込んだiPhone/iPadアプリ『暗記マスター』をリリース
【プレスリリースから生まれた記事】
APPLIDATA:THIRO STUDIO 暗記のノウハウを詰め込んだiPhone/iPadアプリ『暗記マスター』をリリース
リセマム:東大マスター卒の開発者、暗記ノウハウを詰め込んだアプリをリリース
メリットを「解決できる点」として提示した
Q株式会社うるる
【リリースタイトル】
アパレル向け店頭販促用の手書き対応入力システム「KAMIMAGE for FASHION」の提供を開始
【分析結果】
サービスのメリットをプレスリリースに書くことは大切です。このリリースは、メリット記述が秀逸でした。まず、下のように見出しを3つに分けていました。
“~アパレル現場での課題~
↓
~本サービスで実現すること~
↓
●解決できるアパレル現場の課題”
一見出しごとの文章も、丁寧に記述されていました。
また、“解決できるアパレル現場の課題”という風に、明確なシチュエーションで書いているところに注目です。
曖昧に“メリット”と書くのではなく、シチュエーションを提示しているので、脳に刺さりやすくなります。つまり、印象に残り記憶しやすい書き方になっています。
【プレスリリースから生まれた記事】
Appli Biz:うるる、アパレル向け店頭販促用の手書き対応入力システム『KAMIMAGE for FASHION』提供開始。
THE BRIDGE:タブレットに手書き入力した顧客情報をすぐにデータ化する「KAMIMAGE」にアパレル特化サービスが登場
「ニュースの条件」に当てはまるネタを編み出した
Q株式会社メイコム
【リリースタイトル】
えっ、血液型で化粧品!? “肌と化粧品の融合”をコンセプトにした全4タイプ血液型別の専用化粧水「Blooty(ブラッティ)ローション」3月16日発売
【分析結果】
このプレスリリースは、私が調べたうちでも46ものメディアに記事掲載されていました。今回集めたプレスリリースでは、最も多い数でした。
なぜ「Blootyローション」は、それほどまで拡散されたのでしょうか。
考えられることで、ネタの良さがあります。
「血液型に合わせた化粧品」は、今まであまり見られなかった、新奇性のある商品だと言えます。
また、「血液型」はテレビの全国ネットで、血液型占いが放送されていたりと、世間に浸透した話題に上がりやすいものだと言えるでしょう。化粧水も、多くの人々が使っています。
ゆえにBlootyローションは、「話題にしやすい」商品であるので、世間に広まりやすかったのではないでしょうか。
この分析は、PRを解説した本、『プレスリリースの法則』という元新聞記者の足立早恵子氏が書いた本の中にあった概念、「ニュースの条件」を参考にしています。
ニュースの条件については、下記の記事で触れているので、参照にしてはいかがでしょうか。
新米ライターYossyのPR本紹介
【プレスリリースから生まれた記事】
by.S:これからの化粧水選びは“血液型”で決まる?!「Blooty ローション」発売
マイナビウーマン:ついに血液型別スキンケア登場!? 4種類から選ぶ「Blooty(ブラッティ)ローション」
beauty news tokyo:肌質は血液型によって違うの!? 4つの血液型別のスキンケアアイテムが新登場
「想い」が、記事に引用された
Q株式会社ドリームチェイサー
【リリースタイトル】
3.11東日本大震災記憶風化を防ぐたの動画「絆」が、公開から11ヵ月余りで視聴数50万回超え。(8割以上が海外からのアクセス)
【分析結果】
映画や小説などの芸術性のある作品を紹介するプレスリリースでは、「製作の背景」を書くと良いでしょう。
「なぜ、この作品を創ったのか、どのような想いを込めて創ったのか」を書きましょう。
このプレスリリースにはそれが書かれており、下の記事では、その製作背景の部分が引用され、締めの言葉として使用されています。
ITライフハック:あの時を忘れない――東日本大震災の動画「絆」が公開から11か月で50万回越え
また、その「想いを語った部分」を、下に貼りましたのでご覧ください。
“■3.11東日本大震災の記憶を風化させない思いを映像で表現
2011年3月11日に起きた東日本大震災からまもなく4年。時間が経つにつれて風化されつつあることへの取り組みとして、ドリームチェイサーではアニメーションと歌だけの映像を企画・制作して2014年3月にYouTube上に公開しました。日本だけでなく世界の多くの人たちにも3.11に心を寄せてほしいという思いからです。
公開から11ヵ月あまり経った2月23日、視聴回数が50万回を突破しました。しかも海外からのアクセスが約8割以上を占めており、コメント欄には世界中の多彩な国・地域の人たちからの温かいメッセージがいまも次々と寄せられています。ドリームチェイサーでは、積極的なPRを行っていないにもかかわらずネットを通じて3.11に心を寄せる人たちがいまも世界中にいることに驚くとともに、うれしい気持ちも抱いています。
被災地はまだまだ復興の途中にあり、いまも仮設住宅で暮らしている被災者も数多くいます。ドリームチェイサーは、3.11の記憶を風化させることなく日本、世界の人たちに寄り添ってほしいという思いをこめ、この動画の最後に「語り継ぐことが、生きた証になる。(A Story passed on is a living memorial.)」「3.11を忘れない。(In eternal remembrance of Marc 11, 2011.)」というメッセージを入れました。
ドリームチェイサーでは、この動画を通じて日本、世界のさらに多くの人たちが3.11を忘れることなく、いつも心を寄せていくきっかけになっていくことを強く願っています。“
この文章に、「ものすごく」や「素晴らしい」などの、誇張表現、感嘆表現は含まれていません。人は想いを語るとき、感情が入ってしまって、ついつい事実や感情を大げさにしてしまうような言葉を使ってしまいます。しかし、客観的事実で文章を構築するべきであるプレスリリースでは、なるべく控えた方がよろしいかと思われます。
上の文章は、形容詞を的確なものを、最低限に使用して記述しています。
結果的に、想いが真摯に伝わる文章になっているかと思われます。
【プレスリリースから生まれた記事】
ITライフハック:あの時を忘れない――東日本大震災の動画「絆」が公開から11か月で50万回越え
KONPEITO:東日本大震災記憶風化を防ぐためのアニメーションが視聴数50万回超え。8割以上が海外から
いかがでしょうか。
効果的なPRをするために、これからも施策を練っていきましょう。
この記事が配信された3月13日は、実は「新撰組の日」という記念日があります。
1ヶ月後の4月13日には、「新型インフルエンザの日」という記念日が、半年後の9月13日には「クリスタルジェミーの日」という記念日があります。
次のプレスリリースを打つ予定の日は、どのような記念日がありますか?
この記事が、皆さまのPR活動の、何かのヒントになることができたら幸いです。
(執筆・吉田和音)