東京オリンピック前にマスターしたい英文プレスリリースの書き方(意識すること編)
日本以上にPRが活発な欧米では、プレスリリースは企業にとって大切な情報発信ツールとなっています。また多くの海外メディアがプレスリリースを大切な情報源(ソース)として記事の執筆や番組の制作等に活用しています。日本と海外でその点に違いはあまりありませんが、英文リリースのレイアウトや構成内容などが若干異なります。今回は英文プレスリリースを書く際に意識するポイントついてご紹介します(更新:2016年6月28日/公開:2015年4月16日)。
文字数は全体で400~500wordに
日本でも同様ですが、プレスリリースを読む記者は時間がない上に、日々多くのプレスリリースを受け取ります。長いと読んでもらえないため、要点を簡潔にわかりやすくまとめることがポイントです。文字数は全体で400~500wordにまとめましょう。紙のプレスリリースの場合、枚数は1から2ページが適当だと言われています。
長々と書くよりも簡潔に書くほうが難しいものです。要点をまとめるためには、かなりの編集作業が必要ですので、短いプレスリリースほど書くのに時間がかかると考えましょう。
冒頭が勝負
ほとんどの記者・編集者は、プレスリリースのタイトルを読んだ時点で、本文を読むかどうかを決めます。目を引くタイトルをつけましょう。
また、最初の段落で発表したい内容を5W1H(誰が、何を、どこで、いつ、なぜ、どのように)にまとめて書きましょう。
冒頭に重要な内容を書き、下に行くにしたがって重要度は低下していきます。詳細について下の方の段落でまとめると良いでしょう。
事実を書く
根拠の無い主観的な表現(「革新的な」「優れた」など)は使わずに事実を記載しましょう。良いプレスリリースというのは視点が外向きで、マーケットの動向を反映したものです。その製品がマーケットのどういったニーズに応えるのか、関係者(顧客である読者)にとってどんな利益が具体的にあるのかがはっきりわかるように表現しましょう。
専門用語は避け、一般の人にも分かるような表現にしましょう。特に日本語から英語に翻訳する際には、難しい単語や、(英語の表現として不自然な)直訳は避けてください。また、複雑な構文や長文はなるべく使用しないようにしましょう。短文で読んでもすぐ内容がわかる文章が望ましいです。(日本でも同様ですが、マスメディアは様々な読者に対して情報発信しているので、誰にでも分かる文章・表現を心がけましょう)
SEO的な対策として
重要なキーワードはアンカー・テキストにして自社ウェブサイトのリンクを張りましょう。
ページ内のトータル語数に対してキーワード、キーフレーズの語数の比率は2から8%が最適です。
文中で「わが社」「この製品」「そのソリューション」などの普通名詞を使わず、文章の流れを大きく損なわない範囲で、固有名詞を入れるのがポイントです。
Webサイトで英文プレスリリースを公開している企業も多々あります。同じ業界や気になる会社のプレスリリースを見てみると、感覚がつかめるかと思います。
Q英文プレスリリースを公開している企業例
<大手>
・株式会社三越伊勢丹様 http://www.imhds.co.jp/english/news_release/
・キッコーマン株式会社様 http://www.kikkoman.com/news/index.shtml
・大和ハウス工業株式会社様http://www.daiwahouse.co.jp/English/
<大学>
・筑波大学様 http://www.tsukuba.ac.jp/english/news/n201501260920.html
<スタートアップ>
・WHILL株式会社様 http://whill.us/press/
・スマートニュース株式会社様 http://about.smartnews.com/en/blog/
プレスリリースは読む方の負担を少なくして、興味を持ってもらうように配慮することが重要です。そのため、定型に沿うことや短く簡潔にまとめることは必須です。また、事実を書くとはいっても、つまらなくては意味がありません。ニュースとして面白いネタを、いかに魅力的に的確に伝えるかを意識して工夫していくと良いでしょう。
東京オリンピック前にマスターしたい英文プレスリリースの書き方(構成・レイアウト編)
(参考)
アメリカでのプレスリリース Part 2:プレスリリースの書き方
英語プレスリリースの書き方: テンプレート
プレスリリースの進歩と効果的な書き方
マスコミに採用される英文プレスリリース例
PR tool kit (英語)
Template Press Release (英語)
(執筆・保里和子)