ユニークな文房具店「カキモリ」が、メディアに取り上げられる理由
今回紹介するのはユニークな文房具販売店「カキモリ」。カキモリは本当に小さな街の1つのお店ですが、文房具好きのファンを集め、メディアからも定期的に取材を受けています。このお店がターゲット層から注目される秘訣は何なのか見ていきます。
ユニークでこだわりのあるサービス
カキモリは浅草の隣の街、蔵前にある小さな文房具店です。
「たのしく書く」というテーマに基づいてサービスを展開。表紙や中表紙を選ぶセミオーダーノートや、 自分の好きなインクを好きな割合で混ぜて作る万年筆用のオーダーインクが出来たり、名入れ便箋が作れたり。とにかく「自分らしい」筆記用具に出会い作ることができるお店として文房具好きの中での有名店です。
ファンの心をつかむきっかけの一つは、カキモリらしさが感じられるキャッチコピーです。
例えばオーダーインクは「自分のインクを作った。私の文字が、うれしそうにしている。」、「ラブレター。文字の色からつくれます。」、オーダーノートは「めくるたび、わくわくする。ノートもそうなれたらいいのに」など文房具を道具としてではなく愛着ある存在と感じる言葉が添えられています。
言葉の一つひとつを大切にする点は、広報としても凄く参考になるでしょう。
しっかりとターゲット層に情報がリーチしている
上記のようなサービスを提供するカキモリは、小さいながら文房具好きから見ると魅力的な特徴の多いお店です。
単純な性能や価格、ブランド力の高さではなく文房具に愛着を持って接して欲しいというこだわりは文房具好きの層に評価され、口コミを呼び、更に文房具関連のメディアでも地道に注目を集めています。
例えば「THE NIKKEI MAGAZINE(日経新聞別冊、現在は休刊)」や「オズマガジン」、「日経ビジネス Associe」などの雑誌の特集、テレビ朝日「ちい散歩」や日テレビ「ぶらり途中下車の旅」など台東区にスポットを当てたテレビ番組で取材を受けてきました。
「文房具」や「蔵前付近の地域」など取材を受けるテーマはマス向けではありませんが、ターゲット層のニーズにがっちりとはまる場所で注目を受けているのです。
来店者への気配りが良い口コミとなる
店舗を持つ事業で重要な事の一つは良い口コミが広がる事です。どんなに広報活動やプロモーションを上手くしても、実際に行ってがっかりするお店はすぐに悪い口コミが広がり人気は長続きしません。
その点カキモリは行った人が簡単にセミオーダーノートやインクを作れるように分かりやすく表示をしたり、お店の人が声をかけてくれたりと気配りをしています。小さなお店、カキモリに来た人が周辺で楽しめるようHPや蔵前マップの配布で街の情報提供をしているのも、来店者が時間を楽しく過ごしてくれるようにという配慮からでしょう。そんな地元に根付いたお店の来客者は、ただの文房具好きだけでなく、親子も少なくありません。個人的に何度か足を運んでいますが、お母さんが子どもと一緒に来店し、子供の友達へのプレゼントを選んでいる場面などにも出会いました。居心地がいいと感じられるお店だからこそ、人もメディアも自然に集まるのでしょう。
ターゲット層から価値を認められ、じわじわとプラスの口コミが広がりメディアにも出ているお店「カキモリ」。サービスのユニークさやキャッチコピー、お店の居心地の良さなどファンに愛される要素はたくさんありますが、まずは書く人に寄り添うコンセプトに多くの人が共感しているのだと思います。
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たのしく書く人。カキモリ
(執筆・丸山夏名美)
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画像引用:カキモリWEBサイトより