シンデレラから学ぶテレビPR
広報担当者なら、「自社の商品やサービスをテレビに取り上げてもらいたい」、「社長をテレビに出演させたい」と思うものですよね。しかしながら、テレビに取り上げられるのはかなりハードルが高いのです。どうしたらテレビに取り上げられるのか。今回は女の子が憧れるプリンセス「シンデレラ」から、テレビPRを学びます。
シンデレラは優れた広報担当者
継母たちにいじめられながら育ち、舞踏会で王子様の心を射止め結婚したシンデレラ。もしもシンデレラが玉の輿に乗るまでを計算し尽くしていたとしたら、彼女は優れた戦略家と言えるでしょう。シンデレラの手法は、テレビPRにも通ずるものがあります。
シンデレラを広報担当、王子様をテレビ局、結婚をテレビ番組出演決定と考えて、シンデレラの手法を見ていきたいと思います。
テレビ局に印象を与える
いくら優れた商品やサービスを持っていても、テレビ局に存在を認知してもらわないことには始まりません。シンデレラの結婚も、まずは王子様に存在を認知してもらうところから始まりました。競合ひしめくお城の舞踏会で、いかに一番目立つか。いかに印象を残せるかは勝負でした。
シンデレラの場合は、生まれ持った美貌に加え、ネズミや小鳥たちが作ったという競合が真似できないドレスを着ていました。また、お城の舞踏会に乗り付ける馬車がカボチャからできていたのも、かなり差別化できていたと言えるでしょう。通常遅刻は悪とされますが、シンデレラが舞踏会に遅れていったのは正解でした。王子様が舞踏会に退屈していたタイミングで現れることができたのですから。
テレビPRでも、記者の状況や立場を考えながら、記者が多忙なタイミングでアタックするのは避け、話を聞きやすい時にファーストコンタクトを取るようにしましょう。
テレビ局の担当者は、自身も強いインパクトを感じたり、感動したものを取り上げたいと思います。テレビPRのスタートは、担当者にいかに印象を与えるかが重要になってきます。
プレスリリースにしても直接会うにしても、ファーストコンタクトでは相手の気持ちを考えたタイミングを見計らって、素材を最大限に演出して伝えましょう。
テレビ側から探させる
実はテレビ局側は、アピールされ過ぎると取り上げたくなくなるものなのです。押されると引くし、逃げられると追いたくなるのが人間の心理。テレビ局だって追いたい生き物です。もしもシンデレラから王子様に「結婚してー」「付き合ってー」とアピールしまくっていたら、いくら美しくても王子様は引いてしまったことでしょう。
その点、少しだけ踊って鮮烈な印象を残し、すぐに帰ったシンデレラは賢い。しかしながら、ただ帰っただけではありません。ちゃんと自分を見つけてもらえるようにガラスの靴を落としてきたのです。テレビ局側から見つけてくれる手段をきちんと提示しておくことも重要です。
ちなみに、現代の忙しい記者にはガラスの靴を頼りに貴社を探しあてる時間はありませんので、ホームページやプレスリリ―スには、相手からのコンタクトをいつでも受けられるように連絡先を明記しておきましょう。
普段から真面目に事業に取り組む
無事王子様と再会したシンデレラですが、結婚できるかどうか、テレビに取り上げられるかどうかはここからです。王子様もテレビ局も公のもので、自分たちが発信するものには責任を持たなくてはいけません。どこの馬の骨のものともわからぬ人と結婚するわけにはいかないし、取り上げるわけにもいかないのです。
見た目の美しさや演出で興味を持ってもらえたとしても、実際取り上げてもらえるかどうかは、本当に信頼がおける人・モノなのかが重要になってきます。シンデレラの場合、小鳥やネズミ、魔法使いの心をガッツリつかむ人柄の良さ、真面目さがありました。だからこそ周りの協力を得てお城まで辿りつけたのです。そして、継母や継姉にいじめられても耐え抜いて頑張るというストーリーも持っていました。
テレビに取り上げられるのは、普段からコツコツ真面目に事業に取組み、信頼のおける実績を残している企業です。加えて視聴者を感動させるストーリーを持っていれば、必ずや取り上げれられることでしょう。