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個人がメディアになれる時代の「罠」

日々、得る情報が多様かつ多量な時代、どのように各メディアから発信される情報を受け取っているでしょうか。自身が何を考え、どのような意見を持ち、それによる周囲への影響はどうか、という問題は常に発生しています。今回は、多くの個人がメディアになれる時代の身近な「罠」について簡単にお話したいと思います。

トレンドワードの罠


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メディアは「届けたい情報を届ける」と同時に「届けた情報にリーチしてもらう」事を目的としています。そのため、「引き」となる言葉を使うのが常。近年の流行言葉では「○○すぎる」、「【閲覧注意】」、「○○男子」、「○○ガール」などが挙げられます。この言葉に関心を持ち、コンテンツを閲覧する事はまったく問題ないのですが、これらの言葉の多くはビッグワードになっているか、ごくごく一部の情報を尖らせて伝えています。

例えば「美人すぎる○○」という見出しを最近よく見かけますが、その職業はたいてい見た目は関係ないもの。本来ならば、美人すぎるも何もないはずです。実際に「○○すぎる」のか、そもそも「○○すぎる」という議論が関係するのかは各自が客観的に判断すべきでしょう。

 

数字の罠


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数字は「客観的なもの」と考えられがちですが、数字を計算したり伝えたりするのは「人」。意図して人への伝わり方をコントロールしている事は少なくありません。例えばアンケート調査を行った結果「はい」20%、「いいえ」20%、「どちらでもない」60%の場合、大手新聞社間でも報道の仕方に大きな違いが出ます。A社「賛成しない人が8割」、B社「反対しない人が8割」、C社「意見を持たない人が6割」。同じ情報であっても受け手の感じ方が大きく異なってしまいます。

また、よくあるパターンでは「満足度9割以上 ※弊社調べ」、「〜 ※対象:○○会員」という表現です。「弊社調べ」の対象者や数、「○○会員」の属性が明確ではありません。数字は数字として見たうえで、自身にとってどこまで意味のある数字かは考えるべきでしょう。

 

信頼する他人の罠


Couple taking a walk hand in hand in the park

上記で挙げたような罠にはまりたくないので、自身が尊敬している人の意見を尊重しよう、と考えている方や、常に特定の人の意見を「この人の意見は信頼できるから」とそのまま受け取っている方がいるかもしれません。

ただ、人の価値観はそれぞれ異なります。○○さんが言っている=自身の意見ではありませんし、自分で考えて出した答えでなければ、その意見に深みは出ません。どんなに信頼している、もしくは共感できる人の意見であっても、いったんは自身の論理的な思考の中におさめ、考えてから「自身の意見」を持つ習慣は大切です。

 

情報拡散時のマナー違反の罠


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ネット社会が進化するにつれ、「個人のメディア化」時代とも言われつつあります。「個人がメディアになれる時代」と喜ぶ人もいますが、それだけ個人でも「メディアとしてマナー違反をしては駄目」、「メディアとしての責任を負う」事が必要となります。

これまでは、どのように情報を受け取るかを中心に書きましたが、発信する側としての罠にも注意です。少し間違えるだけで批判の的となり、敵を作ることもある。異なる意見を持っている人への配慮がないと炎上することも。炎上の基本は「マナーを守らない」「常識がない」というように、周囲(他人)への配慮のなさが原因です。

「やらせ」、「嘘」、「盛り上げるための過激演出」…
PVを増やすために行っている事も多いため、一歩引いて情報に触れる姿勢も大切でしょう。自身の考えをきちんと持って行動する事は、メディアに触れる時も、自身がメディアとなる時も基本の「き」です。

情報の受け取り方、発信の仕方は個々人のコミュニケーションそのものとなります。ひとつひとつのコミュニケーションを大切にしていきたいですね。

(執筆・丸山夏名美)



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