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リピーターファーストのメディア選定とストーリー。伝えたい「食のあるべき姿」

「塚田農場」を始め、生産者直結のビジネスモデルで話題のエー・ピーカンパニー。元デザイナーで、企業理念を形にする同社広報・岡田英樹さんに、広報の役割とその戦略を聞いた。

スタッフへ浸透する生産者意識


Q生産者直結のビジネスモデルが有名ですが、広報の役割は?


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ブランドを作るのは、お客様と接するスタッフなので、社内広報に力を入れています。たとえば、年に一度の全社イベントでは東京の会場に生産者を招待し、アルバイトスタッフも含めた全従業員の前で生き物を扱う過程での苦労話や、365日24時間生き物と向き合う大変さ、飼育段階の工夫などをスピーチしてもらっています。

アルバイトスタッフは、そうした従業員のもとで鍛えられますから、「余すことなく、美味しく食べてもらいたい」という気持ちがお客様へ直に伝わります。生産者と店舗スタッフをつなぐのは、社内広報の重要な役割です。



メディア露出は「お皿になるまでの背景」にフォーカス


Q社外の広報活動はいかがですか?


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新規のお客様を集めるなら良いと思いますが、いつも来店下さるお客様が入れなかったり、一過性のブームで終わってしまうのは、当社の方針とは合いません。

また、リピーターになってもらえるかは、期待値とのバランスです。過度な露出は、必要以上にお客様の期待値を上げてしまいます。口コミで「あそこは良かったよ!」と伝えてもらえるよう、スタッフの裁量で400円分まで自由にサービスできる“ジャブ”など、お客様に感動を与えられるサービスを追求していきたいですね。



自分で作った求人広告に応募。社長の隣にクリエイター


Q広報に必要なスキルとはなんでしょうか?


当社の場合は、まず美味しいものが大好きで、食べることに興味があること。補足すると、「なぜ美味しいのか」と聞かれた場合、具体的に理由を述べながら、他の食材との違いに言及するほどの探究心を持ち、差別化のポイントを言葉で表現する能力も必要でしょうね。

あとは、産地に出向いて生産者と話せること。産地の人とのコミュニケーションが大事なので、飲みニケーションを図れることも(笑)。もちろん飲めなくても、キャラが面白かったり、場を盛り上げられる人は向いていると思います。

Q岡田さんの入社の経緯は?


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「社長の隣に、理念を形にするクリエイターがいる」というビジョンが浮かび、自分で制作した求人広告の求職者第一号として応募しました。自分で作って応募したわけですから、会社からは「テスト配信かと思った」と驚かれました(笑)。

2009年の1月に入社。当時は20店舗ほどで、特に広報という部署はなく、制作との兼務でした。「社長の横に自分がいる」というビジョンを胸に、今も頑張っています。

私たちは、居酒屋を経営するだけなら、上場する必要はありませんでしたが、「食のあるべき姿を追及して社会に貢献する」という想いがあります。店舗や人が10倍に増えても、理念を薄めないように、むしろより濃くできるように、私たちの活動、食材、生産地などの情報を社内外へ発信して、確かなブランドを築いていきたいと思っています。その面では、広報はとても重要な存在であり、責任あるポジションですね。

岡田 英樹氏

企業名
株式会社エー・ピーカンパニー
部署・役職
企画本部/ブランド推進部 部長
設立
2001-10-29
所在地
東京都港区赤坂2-17-22 赤坂ツインタワー東館18F
URL
http://www.apcompany.jp/
プロフィール
2008年、求人広告の取材で米山社長と出会い、企業理念と事業の一体化に感銘を受ける。2009年1月エー・ピーカンパニーに入社し、制作と広報に従事。2012年より現職。

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