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レシピは創作物。作者のユーザーと二人三脚で次のステージへ

いまや、包丁やまな板と同じく、料理を作る上で欠かせないツールのひとつとなったクックパッド。180万品のレシピと月間4,400万人を超える利用者という財産を生かし、Web以外にも活躍の場を広げている。会社の次のステージを支える広報の尾崎さんに話を伺った。

認知率は90パーセント以上


Qクックパッドといえば今や国民的なサービスですが、認知率はどのぐらいあるのでしょうか?


今年3月のマクロミルの調査では、メインターゲットである20~30代女性に関しては99%以上。そのほかの属性でも女性に関しては概ね80~90%の認知率を頂戴しています。

おかげさまで、のべ月間利用者数は4,400万人以上、登録レシピ数は180万品を超え、ユーザーの増加と共に、より多くの方に認知していただけるようになりました。

 

Qこれだけの認知率を達成するまでに、どういった広報施策をされてきたのですか?


1998年のサービス開始当初は、ユーザー数が急増した場合のサーバー負荷を懸念してむしろサイトの存在を隠していた時期もあったというくらい、まずはサービスの向上に経営資産を集中させていたと聞いています。広報活動も、優秀な人材の確保や業界での企業認知に注力をしていました。ユーザーに対しては、ひたすら良いサービスを作ることで、口コミで広がっていきました。今でも認知経路の1位は口コミなんです。

 

Q尾崎さんもクックパッドにジョインするなど、広報の活動が活発になった背景は何だったのでしょうか?


ユーザーも増え、会社全体が新たなステージを目指す時期に入ったことが挙げられます。Webのサービスが中心であることは変わりませんが、より広く「食」全体に貢献できるサービスを展開していかなければなりません。誰にもおなじみの「食」のインフラとなるためにも、これからは「サービス」や「ユーザー」により注目してもらえる広報を目指しています。

 

 

本屋さんでもクックパッドを。
舞台を広げるレシピ本市場


Q新しい試みというのもあるのでしょうか?


広報が大きく関わっている試みとして、レシピ本の出版を促進しています。本年は12月までに10冊以上の出版を予定しています。

 

Q非常にハイペースですね。社内で制作をされているのですか?


いえ、実際の制作と出版は出版社様が行っています。私たちは企画のご提案でしたり、レシピ集を制作するにあたってのレシピ選定や、各レシピ投稿者の方へのご連絡など、全体を監修させていただいています。

 

Qあえて今、紙で展開する魅力というのはどこにあるのでしょうか?


pr_interview_cookpad_data_image3食材からレシピを検索するという機能の便利さはデジタルならではの魅力だと思います。「つくれぽ」(作りましたフォトレポートの略)のような、人とのコミュニケーションができるのもSNSならではです。ただ、紙媒体では、普段自分が検索しないようなレシピに出会えたり、プロの編集者が厳選したレシピという品質保証のような点がまだまだ魅力だと思います。

また、書店やコンビニエンスストアなど様々な場で、クックパッドのレシピに出会うチャンスが増えることは大きな魅力です。

 

 

ユーザーを作者として見る


Qレシピの投稿者というユーザーとのやり取りも発生すると思いますが、どんなことに気を付けていますか?


レシピ本には、それぞれの料理の説明にそのレシピの「ポイント」が掲載されることも多いのですが、これをなるべくレシピ投稿者さん本人のコメントにしていただくようにお願いさせていただいています。レシピ作者さんのレシピや想いを壊してしまうことがないように、最大限のケアをさせていただいています。

 

Q前職が編集者ということもあって、作者さんとのやり取りに近いのでしょうか?


そうですね。投稿レシピは弊社の大切な財産ですし、それが投稿者の方の創作物であるという認識は強く持っています。レシピ本となると、これまで何冊も出版し、料理の勉強もされている編集の方が試作・実食した感想をもとに、手順やレシピを書き換えたり、アレンジすることもあります。「もうちょっと醤油を足した方がいいんじゃないか?」とか。でも、それをしてしまうと、投稿者の方のレシピを否定することになってしまう。それは止めてくださいとお伝えしているんです。

 

Qたしかにレシピ本を専門にやっている編集の方も料理のプロですね。


pr_interview_cookpad_data_image4料理に詳しい方ほど、投稿レシピに対して、料理の基本から見ると「おかしい」と感じることが多いと思います。でも、そこに作者さんのこだわりがあったりするんです。

たとえば、「大さじ」や「小さじ」を使わずに、すべてグラム表記になっているレシピがあります。これはスケール(はかり)の上にボウルなどを乗せて、数字を見ながら調味料を足していくほうが簡単だ、というそのユーザーさんのこだわりから来ているんです。すべて「さじ」で表記するべきというプロのレシピのセオリー通りではないのですが、それがこのレシピのポイントだったりもするので、安易に定型にはめることはしないようにしています。

ユーザーさんには、自身のレシピが本になることを楽しく感じていただきたいですし、その方の色というものを出せるようサポートしています。

 

 

ユーザーが広報大使として活躍する
「レシピエール」制度


Q「レシピエール」の制度について概要を教えてください。


この制度は、先のレシピ本同様、「ユーザー」にスポットを当てるという方針の一環です。ファッション誌で言うところの読者モデルのような方々ですね。レシピエールとして活動していただく方には、書籍の出版や、メディア・イベントへの出演、「クックパッド・ニュース」での執筆活動にレシピ考案など、様々な活動を予定しています。

 

Qレシピエールに対する広報的なサポートは?


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決起集会ではないですが、皆さんに集まっていただいて内々のイベントを何度か開催しているほか、お披露目パーティーを開いてメディアの方とお会いする機会を増やしたり、メーリングリストのようなツールで「検索数が伸びているレシピ」についての情報を共有したりしています。

メインの対応としては、各メディアへ露出する際の個別のケアです。先ほどの出版のときのように、レシピエールさんにはそれぞれレシピへの想いやこだわりがあるので、それを壊さないようにサポートをしています。

 

Q「こだわり」は一人ひとり違うと思うのですが、どのように把握しているのですか?


本当に基本的なことなんですが、よく話を聞くことですね。そして乱暴にしないことでしょうか。レシピの細かいところに想いが詰まっているので、一見なんでもないように見えることでも、確認をとること。そして、メディアに出る際は、当たり前ですが、撮影時間や内容、ご家族の番組への登場の有無など、事前に分かっていることは全部お話ししておくようにしています。

私たちも、撮影にはなるべく立ち会えるようにしていますし、連絡は密に取るようにしています。ユーザーサポートや投稿推進室のチームからも常々対応に関するチェックが入るくらい、レシピ投稿者である作者さんを大切にする意識は、社内全体でも強いですね。

 

 

発信力ある広報を目指して


Q尾崎さんは、広報の役割をどうお考えですか?


私は前職が雑誌の編集者だったので、紙媒体といういわばリアルワールドで仕事をしていました。ここに入ってみて、当然といえば当然ですが、バーチャルな世界に重心があることに驚きました。もちろんマスコミ的にもWebの比重が大きくなっていることは確かですが、まだまだ紙や電波の旧来メディアも力を持っていると感じます。弊社においては、広報が一番リアルワールドに近いところにあると思っています。「世の中のマスコミはクックパッドのことをこう思っているよ」「一般的にはここが面白いと思われているよ」といったことを社内に発信して、Webだけの世界に偏らないよう、リアルな世界と繋がる窓口になれたらいいなと思っています。

 

Qテレビの露出も増えていますか?


はい。昨年の同時期と比較すると、2~3倍になっていると思います。「クックパッドニュース」の配信など、クックパッドのメディア化にともなって、食の話題をご提供できるようなり、取材いただく機会が増えています。たとえば、最近では「ソーセー人」や「塩レモン」といった食の流行について多くのご取材をいただきました。

また、ラジオやテレビ番組様と「公式キッチン」でのコラボ企画もすすめています。「公式キッチン」を開設いただいて、番組内で紹介されたレシピをアップすると、視聴者の方が「つくれぽ」を投稿してくれるという仕組みです。放送後もインタラクティブな試みができるということや、番組のPRにもなるということで、ご活用いただいています。

 

Qリアルワールドから見たクックパッドの魅力は何でしょうか?


レシピに限っていえば生活への密着度やインフラとしての機能でしょうか。今や、料理を作るときにスマートフォンやタブレットがキッチンにおかれて、そこでレシピを見るというのがあたりまえになりつつあります。料理を作るときに検索してレシピを見ながら作る。この一連の文化を創った力というのは、もっと前面に推してもいいと思います。

 

Q最後に、これから尾崎さんが目指す広報の形について教えてください。


pr_interview_cookpad_data_image5ベネフィットを伝えるということだと思います。「新商品できました」「新サービスできました」を伝えるだけでなく、それを使った人の生活や暮らしがどうなるのかまでを伝えることができる広報でありたいです。弊社では、全社で「ユーザーファースト」を最も大切にしていますが、広報も「ユーザーファースト」を貫くということです。

まずは、プレミアムサービスの素晴らしさを伝えていきたいと思います。130万人にご利用いただいているのですが、雑誌を作っていた身からすれば、300円の月刊誌を毎月130万部売り上げているのと同じこと。これは本当にすごい力だと思います。

プレミアムサービスは、登録していただけるとわかるのですが、こんなにおいしそうで楽しいレシピがたくさんあるのか!とワクワクして、世界が劇的に変わるんです。ランキング表示ができるようになることもそうですが、本当に使いやすくなります。料理がかなり好きになるし、やる気になりますよ。これからは、「プレミアムサービスで生活が変わる」というベネフィットを伝えていきたいですね。

新規事業についても同じです。そのサービスを使うと、生活や暮らし、はたまた人生がどう変わるのか、ユーザーのみなさんと一緒に「発信力のある広報」が今後の目標です。

 

(取材日:2014年7月22日/取材と文:桂 唯祐)

尾崎 真佐子氏

企業名
クックパッド株式会社
部署・役職
料理がたのしくなる広報室 室長
設立
1997-10-01
所在地
東京都港区白金台5-12-7
URL
https://info.cookpad.com/
プロフィール
前職では、生活情報誌『サンキュ!』編集長、Web版『口コミサンキュ!』の編集長を歴任。2014年1月からクックパッドに転職し、その経験を生かしメディアとタッグを組む広報を展開。

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