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Sansan株式会社 日比谷 尚武/磯山 江梨氏のトップ画像

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出会いを資産に“コネクター”の役割

名刺という「ビジネスの出会いの象徴」を資産に変え、働き方に革新を起こすことを目指すSansan株式会社。その企業理念を地で行くようなミッション、“コネクター”として活躍する日比谷尚武さんと、広報担当の磯山江梨さんに活動の様子を聞いた。

会社も公認
“コネクター”とは


Q御社における広報のミッションや業務内容を教えてください。


pr_interview_sansan_data_image3(磯山さん)広報部としては、マスコミをはじめとする社外とのリレーション構築やニュースリリースの提供といった業務が中心となりますが、日比谷のミッションはかなりユニークだと思います。

(日比谷さん)会社公認の“コネクター”として、もっぱら広報活動やマーケティング活動の手前の、社外の各方面の方々とのリレーション構築に奔走しています。メディアの方だけでなく、有識者やブロガーといったインフルエンサーと呼ばれる方や、経営者、ベンチャーキャピタルの方々とお会いして、トレンドの予兆や彼らの求めている情報を探り、当社サービスとの関連性、ネタづくりへの生かし方について考えています。

あとは、会社のスポークスマンとしてセミナーで講演したり、facebookやブログでも積極的に発信。当社と外部の接点を作り、コミュニケーションを深めています。

 

Q実際の具体的な活動例を教えていただけますか?


pr_interview_sansan_data_image2(日比谷さん)先の参院選でネット選挙が話題となったと思いますが、選挙活動における有権者や支援者のリスト活用の考え方が、「出会いを資産に変える」という当社のミッションと通じるものがあり、法人向け名刺管理サービス『Sansan』がマッチする市場だと以前から感じていました。ただ、焦って参入し、いわゆる「ネット選挙ブーム」に便乗した企業として簡単に捉えられてしまうことは避けたかった。

そこで、知り合い経由で候補者や候補者を支援する方に、ニーズや課題、当社サービスの導入可能性などをヒアリングし、ネット選挙を支援する事業者とも、お互いの動向や共同アプローチの可能性について情報交換しました。

そして、それらの情報をもって、ネット選挙を追っているメディアと接触し、ネット選挙における自社サービスの立ち位置や、当社なりのネット選挙の隆盛、投票への影響に関する見解を説明。記者の反応をもとに、見解をさらにブラッシュアップし、どうすれば、当社サービスの価値が伝わる露出を実現できるか検討していきました。結果として、メディアリレーションの強化にもつながったと思います。

 

「The Entrepreneur Awards Japan2011」にて
駐日米国大使賞を受賞


Q広報の枠におさまらずにリレーションを築くわけですね。そういった動きは、どのような成果に結びつくのでしょうか?


pr_interview_sansan_data_image1(日比谷さん)2011年に、アメリカのルース前・駐日大使が日本のベンチャー起業家を表彰するアワードを企画しているという情報を入手しました。アワードの情報はあまり広く告知されておらず、当時私が、他のスタートアップ企業の活動にも携わっていた関係で、そのコミュニティから教えてもらったのです。そこで、その「The Entrepreneur Awards Japan2011」のことを代表の寺田に伝え応募したところ、「U.S. Ambassador’s Award(駐日米国大使賞)」を受賞しました。この事実は、営業面やファイナンスを受ける際の「信頼のバッヂ」のひとつになったと感じています。

こうして話すと、戦略的で華々しい活動のように見えるかもしれませんが、実際の成果は細かいコネクトの積み重ねです。社内で「この会社に営業したい」という声を聞けば近い人を紹介し、困りごとがあれば解決できそうな知見のある人につなげる、メディアの動向やネタを探しているという話があれば、広報担当の磯山にパスしています。活動の結果として、メディア掲載やアライアンス先の発掘、見込み客の開拓、リクルーティング、そしてマイナス情報に対するリスクマネジメントなど、多方面に結びついていると思います。

 

Qここ1年ぐらいで御社の名前を目にする機会が増えたように感じます。これも“コネクター”活動の成果でしょうか?


(磯山さん)そうですね。2012年2月のコンシューマー向け名刺管理サービス『Eight』のリリース以降、法人向けサービスでは縁がなかったコンシューマー向けメディアにも多く取り上げられるようになりました。『Eight』エバンジェリストの日比谷の活動はもちろん、『Eight』を活用した仕事術など、ブロガーや記者さん自身が、ユーザーとして発信していただけているところも大きいですね。

 

広報担当者は「好奇心」「フットワーク」(日比谷さん)
「バランス」「フラット」「スピード」(磯山さん)が重要


Q広報の仕事にはどんな要素が大事だと思いますか?


pr_interview_sansan_data_image4(日比谷さん)私の場合は、「好奇心」と「フットワーク」という強みが活かされていると思います。気づいたら外に出て人に会っている(笑)。元々そういう気質なんだと思います。自分で言うのもおこがましいですが、日比谷のキャラクターに合わせて、会社は“コネクター”というポジションを作ってくれた観があります。机に向かって黙々と作業をする仕事だったら、すぐに飽きていたでしょうね(笑)。

(磯山さん)これまで多くの広報の先輩にお世話になってきて、目標にしていることが3つあります。1つめは「バランス」。広報担当は基本社内にいるので、どうしても内部の視点になりがちですが、社会との接点を担う立場として、半分は社外の視点に立つ必要があります。2つめは「フラット」であること。広報になりたてのころ、ベンチャーで新米広報の私に自然体で接してくださった大先輩との出会いがあり、素敵だなと思いました。そして3つめは「スピード」。お問い合わせにはできる限り速やかに対応する重要性を教わりました。

 

Q今後の課題や抱負を教えてください。


pr_interview_sansan_data_image5(日比谷さん)まだまだ、できていないことがたくさんあると思っています。引き続き、アンテナを高く張って“切れるカード”をたくさん集めることが、まずもっての課題です。

その上で、チャレンジしたいテーマは3つ。まずは、2013年8月10日から始めた当社初のテレビCMをはじめとしたマスコミュニケ―ションです。マス広告のノウハウは乏しく、試行錯誤状態なので、マス広告界とのリレーションを深めたいですね。2つめは、当社もいよいよグローバルに向けたサービスを始めるので、それに関するリレーション構築です。そして3つめは危機管理。何かの危機が発生しそうなわけではありませんが、当社も規模が拡大してきたので、いざというときに備えたエクササイズが必要だと思っています。

これまでは、他社のうまいやり方を参考にすることで何とかやれてきたのですが、そろそろ真似だけではことが進まないフェーズに入ってきました。プレッシャーは大きいですが、会社の行く先を照らす“コネクター”としての役割を、今まで以上に担っていきたいです。

(磯山さん)当社も、成長に伴って社員が“卒業”していく機会が出てくると思います。そのときに「あのSansanにいらしたのですね」「元Sansanの人は優秀な方が多いですね」と言われるように、広報として当社のブランドイメージを大切にし、良いかたちで社会における認知度を高めていきたいと思います。

(取材日:2013年8月6日/取材と文:髙橋 光二)

日比谷 尚武/磯山 江梨氏

企業名
Sansan株式会社
設立
2007-06-11
所在地
東京都千代田区九段南4-7-15 JPR市ヶ谷ビル6F
URL
http://www.sansan.com/
プロフィール
【写真左:日比谷 尚武さん】
コーポレートコミュニケーション本部 戦略コミュニケーション担当 『Eight』エバンジェリスト 【写真右:磯山 江梨さん】
コーポレートコミュニケーション本部 広報部

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