連合、『有期契約労働者に関する調査』を発表

 連合(日本労働組合総連合会)では、「有期契約労働者に関する調査」を、モバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)により、2013年9月14日~9月23日の10日間において実施し、1,000名(調査対象者:週20時間以上労働する民間企業の有期契約労働者)の有効サンプルを集計しました。

 有期労働契約のルールを定めた改正労働契約法が施行されて半年になります。有期契約労働者の労働条件にどのような変化があるのかを把握するために、調査を実施しました。

 連合(日本労働組合総連合会)(http://www.jtuc-rengo.or.jp)(所在地:東京都千代田区、会長:古賀 伸明)では、「有期契約労働者に関する調査」を、モバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)により、2013年9月14日~9月23日の10日間において実施し、1,000名(調査対象者:週20時間以上労働する民間企業の有期契約労働者)の有効サンプルを集計しました。

~~改正労働契約法の認知状況や施行状況~~
◆今年4月施行の改正労働契約法 有期契約労働者の認知状況は不十分
≪無期労働契約への転換≫は6割以上、≪不合理な労働条件の禁止≫は7割が“知らなかった”

 契約期間の定めのある労働契約(有期労働契約)で働く人が安心して働き続けることができるようにするために、今年の4月(一部は昨年8月)に施行された改正労働契約法では、≪無期労働契約への転換≫※1や、≪不合理な労働条件の禁止≫※2がルールとして定められました。これらの変更は実際にその対象となる労働者に認知されているのでしょうか。
※1有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルール
※2有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルール

 週20時間以上労働する民間企業の有期契約労働者(全回答者1,000名)に対し、今回の改正内容を説明したうえで、変更内容を知っているか聞いたところ、≪無期労働契約への転換≫については、「ルールの内容まで知っていた」が12.2%、「ルールができたことは知っているが、内容までは知らなかった」が24.4%で、それらを合わせた『認知率(計)』は36.6%となりました。6割以上の方は「ルールができたことを知らなかった」(63.4%)と回答しています。
 また、≪不合理な労働条件の禁止≫については、さらに認知率が低く、「ルールの内容まで知っていた」方は1割に満たず(6.3%)、7割の方は「ルールができたことを知らなかった」(69.9%)と回答しました。
 新しいルールが定められてから半年が経ちますが、十分に認知が広まっているとはいえない状況のようです。
 これらの認知率は、雇用形態別にみると、パート・アルバイト(それぞれ30.7%、26.0%)は契約社員(嘱託・臨時社員)(それぞれ47.5%、37.8%)より低く、特に、パート・アルバイトの方への周知が必要です。

◆≪これまでに契約期間に上限がなかったが、新しい契約では期間に上限が設けられた≫11.9%
◆≪これまでよりも短い期間での契約を求められた≫6.2%

 次に、全回答者(1,000名)に、最近の労働契約の条件変更の状況について聞いたところ、≪これまでに契約期間に上限がなかったが、新しい契約では期間に上限が設けられた≫ことが「あった」は11.9%、≪これまでよりも短い期間での契約を求められた≫は6.2%となりました。
 ≪これまでよりも短い期間での契約を求められた≫割合は、30代男性と40代男性が他の性年代層に比べ高くなり、30代男性では14.5%、40代男性では12.0%と1割を超えました。
 これらの条件変更は、今回の改正労働契約法によって生じる“無期労働契約への転換”が起こる前に、会社側が有期契約労働者に“無期労働契約への転換をさせない”意図があったのかもしれません。1割程度と多くない割合とはいえ、有期契約労働者からみると、法改正が悪い方向に作用してしまった可能性があります。会社側には、今回の法改正は“有期労働契約者が安心して働き続けることができるようにするため”の改正であることを忘れて欲しくないものです。

◆ボーナスや福利厚生で正社員との格差 ≪ボーナスの支給≫は職場の労働組合有無が影響か
職場に労働組合がある層では「対象となっていない」のは4割強、一方、労働組合がない層では6割強に

 また、今年の4月に施行された改正労働契約法では、≪不合理な労働条件の禁止≫がルールとして定められ、通勤手当や食堂の利用などについて、「正社員のみ通勤手当支給の対象とする(契約社員は対象外)」、「正社員のみ社員食堂利用の対象とする(パートタイマーは対象外)」というケースは、特段の理由がない限り合理的とは認められないことと解されています。

 そこで、全回答者(1,000名)に、通勤手当の支給や食堂の利用などについて、職場で対象となっているか聞いたところ、(職場に制度や施設があるのに)「対象になっていない」との回答が調査項目中多かったのは、ボーナスと退職金で、≪ボーナスの支給≫では57.0%、≪退職金の支給≫では81.7%となりました。≪ボーナスの支給≫について、職場の労働組合有無別にみると、労働組合がある層(379名)では「対象になっていない」は42.7%であるのに対し、労働組合がない層(268名)では61.2%と6割を超え、職場の労働組合有無がボーナスの支給に影響を及ぼしている様子が窺えました。
 また、≪通勤手当の支給≫では19.7%と5人に1人、≪慶弔休暇の取得≫では26.0%と4人に1人の割合で「対象になっていない」としました。休憩室や食堂の利用についてもみると、≪休憩室の利用≫は4.3%にとどまるものの、≪食堂の利用≫では11.9%と1割となっており、ボーナスや交通費などの賃金、休暇制度や食堂の利用などの福利厚生で正社員との格差があることが明らかになりました。

◆改正労働契約法“無期労働契約への転換”に対する有期契約労働者の評価は?
“モチベーションアップにつながる”は51.6%、“契約期間が無期になるだけで意味が無い”が68.7%

 それでは、有期契約労働者の方は、今回の改正内容である“無期労働契約への転換”について、どう思っているのでしょうか。

 全回答者(1,000名)に、“無期労働契約への転換”についての考えや気持ちを聞いたところ、≪無期契約に転換できる可能性があるのでモチベーションアップにつながる≫では、同意率(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計)は51.6%と半数を超えたものの、≪無期契約に転換できると、待遇もあがる可能性がある≫は18.3%にとどまったほか、≪契約期間が無期になるだけで待遇が正社員と同等になるわけではないから意味が無い≫では68.7%となり、待遇改善につながらないと感じている様子が窺えました。


~~有期契約労働者の有給休暇や育児休業について~~
◆“有期雇用契約者でも有給休暇が取得可能” 認知率は77.0%
◆“有期雇用契約者でも育児休業が取得可能” 認知率は39.7%にとどまる

 また、“年次有給休暇の取得”や“育児休業の取得”、“妊娠や出産を理由とした雇止め等の不利益な取り扱いの禁止”についても聞いたところ、≪有期雇用契約者でも一定の条件を満たせば、年次有給休暇を取得できること≫の認知率は77.0%、≪有期雇用契約者でも一定の条件を満たせば、育児休業を取得できること≫では39.7%、≪有期雇用契約者であっても妊娠したことや出産したこと等を理由として雇止め等の不利益な取り扱いをしてはいけないこと≫では57.5%でした。


■■その他調査結果■■(※リサーチ結果は、下記URLで公開しております。)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/index.html

~~有期契約労働者の有給休暇や育児休業について~~
◆有期雇用契約者が有給休暇を取得しない理由
「申請したが、ダメと言われた」9.5%、契約更新への影響を心配する声も

~~有期契約労働者の意識・考え~~
◆半数近くの有期契約労働者の方が、正社員と同じ業務内容
◆≪仕事への姿勢≫は『正社員より真面目』48.7%
◆有期契約労働者の正社員に対するイメージ 「雇用が安定している」、「給料がよい」、「仕事上の責任が重い」
◆有期契約労働者の3人に1人は“正社員になれずに有期契約”
◆正社員になれずに有期契約になった層の73.5%が、今後『正社員になりたい』
◆有期契約労働者が仕事にやりがいを感じている割合49.3%
◆現在の職場に『満足』42.0%、『不満』32.5%、正社員になれずに有期契約になった層では『不満』が多数派
◆職場に対する不満 「給料が上がらない」、「給料が安い」、「働きぶりが評価されない」
「正社員がちゃんと働いていない」が2割以上、「パワハラがある」は1割以上に

■■報道関係の皆様へ■■
本ニュースレターの内容の転載にあたりましては、「連合調べ」と付記のうえご使用くださいますよう、お願い申し上げます。

■■連合(日本労働組合総連合会) 概要■■
組織名:連合(日本労働組合総連合会)
代表者名:会長 古賀 伸明
発足:1989年11月
所在地:東京都千代田区神田駿河台3-2-11 連合会館
業務内容:すべての働く人たちのために希望と安心の社会をつくる

企業情報

企業名 ネットエイジア株式会社
代表者名 三清慎一郎
業種 ネットサービス

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