“甘くて健康性の高い小麦の粉”「スウィートポリフェ(R)」を発売

吉原食糧（坂出市林田町 代表取締役：吉原良一）は、小麦の胚芽を原料とした、強い甘みと抗酸化成分を多く含む粉「スウィートポリフェ」を香川県産業技術センターの協力を得て開発しました。9月1日から全国の製菓・製パン事業者に向けた業務用として販売を開始します。

■「スウィートポリフェ」の特長（1） 強い甘みとコク

「スウィートポリフェ」は、粉自体に強い甘味（甘味強度が

一般的な小麦粉の約2倍）とコクがあり、ケーキ、クッキーなど菓子に使用したときに特に際立ちます。原材料である薄力粉に20％程度置き換えることで、砂糖の使用量を30％カットしても生地に同等以上の甘さとコクが出ます。配合量を増やせばさらに砂糖の量を減らすことができます。

パンに使用する場合は、強力粉に配合するとコクと風味が増し、翌日にも小麦の風味が残ります。

■「スウィートポリフェ」の特長（2） 抗酸化成分を多く含み健康的

「スウィートポリフェ」は、小麦の胚芽に集中する抗酸化性の高いポリフェノール、トリプトファン、および食物繊維等を多く含みます。これを小麦粉に配合することで健康的な菓子やパンができるのが特徴です。

今回の研究開発過程において、香川県産業技術センターで小麦の各部位を測定した結果、小麦に含まれるトリプトファン（※2）が胚芽に集中しており、小麦胚芽が高い抗酸化性（一般のロール挽き小麦粉の約10倍）を持つ原因物質として特定しました。

また、胚芽には抗酸化性の高いポリフェノール「アピゲニン配糖体」「ルテオリン配糖体」が多く含まれる（両者の総量は、一般のロール挽き小麦粉の約200倍）ことも確認しました。

この内容は、日本で初めての研究結果として平成26年8月28日の「日本食品科学工学会 第61回大会」（福岡市）で、香川県産業技術センター担当者によって発表されました。

■「スウィートポリフェ」の機能性データ（香川県産業技術センター調べによる、一般的な小麦粉（１等粉）との比較）

□ポリフェノールの含有量が約9倍

□ＯＲＡＣ値（※1）は約10倍

□食物繊維の量も従来の約4倍

■研究開発の経緯と趣旨

当社では「果実（ぶどう等）や豆類（コーヒー等）にポリフェノールが豊富に含まれるなら穀物の小麦にも含まれるでは」との着想から、2009年に香川県産業技術センターの支援を得て開発に着手。2011年にポリフェノールが一般的な小麦粉の約3倍含まれる小麦粉「ぎゅっとポリフェR」を発売しました。しかしその時点では、抗酸化性が高い小麦部位や抗酸化性物質の正確な特定には至りませんでした。

その後の研究において小麦の内部を細かく分析調査し、胚芽に着目。同センターと共同研究を継続実施した結果、胚芽にポリフェノールと抗酸化性アミノ酸「トリプトファン」が集中して含有されることを確認しました。

又、小麦胚芽を美味しく仕上げるため、焙煎及び特殊な粉砕加工等によって、甘くコクのある粉体に仕上げる製法を開発しました。結果として、菓子等の砂糖の使用量を減らせることに至りました。

[ご注意]

「スウィートポリフェ」は「小麦粉」と表記していません。小麦の胚芽部分を主体として抽出して加工した粉であり、小麦の胚乳部分を挽いた通常の小麦粉とは成分が異なるためです。単独では菓子やパンの材料としては適しません。小麦粉に配合して使用します。

「スウィートポリフェ」は当社の登録商標です。

(※1)ORAC値とは

Oxygen Radical Absorbance Capacity：活性酸素吸収能力）は、1992年に米国農務省（USDA）と国立老化研究所（National Institute on Aging） の研究者らにより開発された活性酸素吸収能力（＝抗酸化力）を具体的に示す数値です。米国では、既に一部の食品にORAC値が表記され販売されています。

（※2）トリプトファンとは

トリプトファンは、必須アミノ酸のひとつで、食事から栄養分として摂取しなければならない成分です。牛乳から発見され、乳製品や大豆製品、ナッツ類など様々な食品中のたんぱく質を構成する成分として含まれています。通常はたんぱく質のひとつの構成要素に過ぎず抗酸化性は高くありません。しかし、今回の研究で、小麦胚芽中ではトリプトファンが、抗酸化性が高い遊離状態（吸収されやすい単独の状態）で多く含まれているため、小麦胚芽が高い抗酸化性を持つことを明らかにしました。