ユネスコの活動にVE的思考を活かす体験ワークショップを開催
日本VE協会(東京都世田谷区、会長 近藤史朗)ではユネスコ協会連盟と協力して、ESD(持続可能な発展のための教育)にVE(バリュー・エンジニアリング)の考え方や手法を導入するための取り組みを行っています。2016年3月、ユネスコ青年会員を対象に自ら前向きに課題解決できる力を身につけるための体験ワークショップを開催しました。
●ESD(持続可能な発展のための教育)にVEを取り入れる
世界遺産で知られるユネスコは、全国各地に支部組織があり、様々な活動を展開しています。そのひとつとして、ESD=Education for Sustainable Developmentを通じて、これからの時代を担う若者が自ら前向きに課題解決できる力を身につけるための教育を推進しています。課題解決には、VEの大きな特長である創造的思考プロセスが有効と考え、日本VE協会(東京都世田谷区、会長 近藤史朗)はユネスコ協会連盟と協力して、ESDにVEの考え方や手法を導入するための取り組みを行っています。
VEを知らないユネスコ関係者にどうやって関心を持ってもらえるのか?それにはまずは体験してもらうことが大切と考えました。そこで、ユネスコ青年会員を対象に、『災害用の備蓄水をユネスコに寄付されたと想定し、それを使ってユネスコ活動資金を捻出する方法』を課題として設定し、VEプロセスを使って体験してもらうことにしました。
仙台や関東から4名の青年会員が集まり、3月19日~20日の2日間をかけてVEを体験しました。 講師は、日本VE協会参与で早稲田大学創造理工学研究科の澤口学客員教授。企業や学生への指導経験は豊富な澤口先生ですが、全員が20代女性というのは初のケースでした。「エンジニアリング」という堅いイメージのVEをどうやってわかりやすく伝えるかが最大のポイントでした。
●難しそう・・・でも実際やってみると面白い!
はじめはVEの概論と実際の手順を説明した講義で、VEはモノづくりの現場で誕生した手法ではあるが、この考え方は私たちが直面する様々な問題や課題に求められる解決能力をつけるために大切な創造的アプローチであること、そしてVEの実施プロセスの流れを確認しました。やはり、ここまでは話を聞いてもなんとなくピンときません。
次に、与えられたテーマで演習が始まりました。課題に対して、VEの基本原則である機能本位の思考「何のためにそれが必要か?」という観点に遡り、目的に対する機能を挙げて整理し、前ページ左の写真の「機能系統図」を作成。その目的を達成するためのアイデア出しを行い、それらを4人で話し合いながら組み合わせ、実際にポンチ絵にしてみます。そうすると、どんどん議論が活発になり、最後には思いもよらない斬新な方法が出され、まとまりました。
最後は4人でVE提案を発表。寄付された水を活用して、生命を維持する、ユネスコのキャンプ活動に使う、環境を守る、そしてユネスコのイメージアップを図るという目的を達成する新鮮なアイデアが盛り込まれた提案でした。ここまでを終えると、最初は漠然としていたVEも、「やってみると面白い!」に変わっていました。
体験ワークショップを終えて今回の参加者からこのような感想をいただきました。
◎座学の段階までは、VEの概念を理解できているか不安だったが、実際アイデアがこのように形になると実践で活かせると思った。
◎ユネスコ活動の企画を考える時、これまでは経験や思いつきのアイデアから始まっていたが、VEのように機能に立ち返ったプロセスでアイデアを作り上げていくという作業を体験し、新鮮だった。
◎VEの考え方は新しい企画を考える時や作業工程にも使えると感じた。
◎ VEのプロセスを経て企画を進めると、これまでやっていた範囲では思いつかなかったであろう結果に至ったことがとてもよかった。
澤口先生からも、「ひとつひとつはそれほど変わり映えしないアイデアでも、組み合わせてみるといろんな可能性が広がりトータル的にうまくまとまり、それを4人のグループで力をあわせて行ったことが良い結果となった」との講評をいただきました。
今後もユネスコ協会連盟と引き続き協力し、さらに多くのユネスコや学校関係者にVEの有効性を実感していただき、その先にはESD活動の場に活かしていただけるよう、このような企画を続けていきます。
VEの普及を通じたコラボ・プロジェクトによりお互いに発展しより大きな社会貢献につながることを目指しますお気軽にご相談ください。
お問い合わせの際「ユネスコVE体験ワークショップのレポートを見た」とお伝えください。
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企業情報
企業名 | 公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会 |
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代表者名 | 近藤 史朗 |
業種 | その他サービス |