オープンソースソフトウェア「OpenStack®」が13番目のリリース「Mitaka」を公開

使いやすさとスケーラビリティの強化、エンドユーザーエクスペリエンスの向上により、エンタープライズやサービスプロバイダのニーズに対応

OpenStack Foundationはこのたび、オープンソースソフトウェア「OpenStack」の13番目のリリースとなる「Mitaka」(読み方:ミタカ)(http://www.openstack.org/software/mitaka/)を公開しました。

 

OpenStackは、クラウド環境の構築に最も広く利用されているオープンソースソフトウェアです。エンタープライズの分野では、新製品の迅速な開発、コストの削減および社内システムの改善に対応するためにOpenStackを利用しています。

 

Mitakaは、293の企業や組織から2,336名の開発者、運用者およびユーザーで構成される国際コミュニティによって設計、開発されました。Mitakaでは主にソフトウェアのデプロイ、管理、スケールのしやすさに重点を置きました。使いやすさ、スケーラビリティが強化され、エンタープライズのアプリケーションの最適化とクラウドネイティブなソフトウェア開発との橋渡しに最適な、エンタープライズやサービスプロバイダ向けのクラウドプラットフォームとなりました。

 

Mitakaの特長は次の通りです。

 

■シンプルな管理性

にはクラウドのデプロイの担当者や管理者向けに、日々の運用時の使いやすさの向上に焦点を当てた数多くの改善点が含まれています。注目点の1つとして、Novaコンピュート・サービスに、標準のデフォルト設定が複数追加されました。その他、マニュアルで選択が必要なオプション数が減少したため、設定が容易になりました。Keystoneアイデンティティ・サービス、クラウドネットワークのアイデンティティ管理機能のセットアップのためのインストール、稼働、認証、トークンの発行など複数のステップの手順が、1ステップのシンプルな手順に変更されました。さらにMitakaにて管理性が強化された一例として、レイヤ3のネットワーキングが改善され、分散型仮想ルーター(DVR)がサポートされたNeutronが挙げられます。

 

■スケーラビリティの強化

は、OpenStackのクラウドを拡大・縮小するための機能が改善されています。たとえば、12番目のリリース「Liberty」に初めて登場したHeatのコンバージェンス・エンジンは、Mitakaではパフォーマンスの向上とステートレスな運用を維持しつつ、スケールアウト(水平スケール)時に、より大きな負荷や複雑なアクションを扱うことができるようになりました。同様に、KeystoneのFernetトークンでは、アイデンティティ・サービスがサポートする使用可能なAPI数が増加しました。またOpenStackのコンピュート・クラウドのスケールアウトをサポートするLibertyに含まれる追加機能であるCells v2が大幅に強化されました。

 

■ユーザーエクスペリエンスの向上

ではクラウドの運用者だけでなく、クラウドリソース上でアプリケーションの開発やデプロイするエンドユーザーを含むクラウドユーザー全体のユーザーエクスペリエンスが向上しました。たとえば、統合型のOpenStack Clientは、コンフリクトが発生しないAPI呼び出しを使用してリソースを作成できるため、エンドユーザーは各サービスAPIの複雑な部分を学習する必要はありません。さらにMitakaでは、ソフトウェア開発キット(SDK)の多言語によるサポートが強化されました。その他の改善点として、アプリケーション開発者の作業の省力化をサポートする展開中の機能である「Get me a network」がNeutronに追加されました。この機能を利用するとネットワークの構築、ネットワークへのサーバーの配置、サーバーへのIPアドレスの割り当ておよびネットワークをアクセス可能な状態にするために必要なすべてのステップを無くし、1つのアクションで行うことが可能です。この機能要素はMitakaに採用されています。

 

■可用性

のエコシステムでは、数週間後から数か月後にMitakaをベースにした製品やサービスの投入が始まると想定されます。ユーザーはOpenStack Marketplace(http://www.openstack.org/marketplace)から、相互運用性のテストの要件を満たしたOpenStack Poweredロゴの付いたディストリビューションやクラウドサービスを確認できます。Mitakaのプレビューについては、こちら(http://www.openstack.org/software/mitaka/)から公開中のソースコードをダウンロードできます。

 

■ユーザーの利用動向

の利用者は、OpenStackが提供する柔軟性が企業や組織に認められたことが主な要因となり、多様で大規模なデプロイメントが登場しており、利用数は昨年も引き続き拡大・加速しています。OpenStackは、従来のレガシーシステムのITワークロードを管理しつつ、顧客に新しい価値を迅速に提供するために、短期間なソフトウェアの開発サイクルを提供します。ビジネスの差別化と競争力の強化を推進し、最新かつ柔軟性の高いITシステムを同時に利用するという、一般的な企業や組織が直面する「相反する2つ」の課題の解決をサポートするユニークな機能と能力を備えています。

 

なおOpenStack は、4月25日から4月29日まで米国テキサス州オースティンにて「OpenStack Summit Austin」(https://www.openstack.org/summit/austin-2016/)を開催します。出席者は、迅速なアプリケーション開発とデプロイメント、ビッグデータの分析およびIoTについて、OpenStackを高く評価するeBay、SAP、Wal-MartそしてWells Fargoなどから生の声が聞けるでしょう。また、OpenStackはテレコム業界のイノベーションに貢献しており、AT&T、China Mobile、NTT Docomo、Orangeを含む巨大な事業者が、OpenStackを NFV(ネットワーク機能仮想化)のプラットフォームとして利用するケースについて話をする予定です。さらに、OpenStackはパブリッククラウドサービスを提供する企業にも採用が急増しており、Deutsche Telekom、DatacentredおよびCity Networkなどはすべてこの数か月にユーザーとなりました。CERN、Chameleon Cloud、Clemson Universityなど大きな研究機関や大学でも採用が進んでおり、今回のサミットでもこれらの企業や組織が話をする予定です。



企業情報

企業名 OpenStack Foundation
代表者名 Jonathan Bryce
業種 ネットサービス

コラム

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