株式会社ストラテジックキャピタルが株式会社日本デジタル研究所への株主提案提出を公表

株式会社ストラテジックキャピタルは、INTERTRUST TRUSTESE (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」)と投資一任契約を締結しております。ファンド及び弊社は、本年4月21日に株式会社日本デジタル研究所に対し、来る定時株主総会について株主提案権を行使しました。

2016年4月26日

株式会社ストラテジックキャピタル

代表取締役 丸木強

 

株式会社日本デジタル研究所(東証一部:コード6935)への株主提案について

 

弊社は、INTERTRUST TRUSTEESE (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンドは株式会社日本デジタル研究所(以下「当社」といいます。)の発行済株式総数の約2.85%を保有しております。また、弊社も当社株100株を保有しております。

 

ファンド及び弊社は、本年4月21日に、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、同月22日に当社への株主提案に係る書面の到達を本日確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由のそれぞれの概要は以下の通りです。

 

株主提案行使に係る書面の写しは、下記のリンクをご参照ください。

http://www.stracap.jp/teian2016JDL.html

 

1. 提案する議題の内容

(1) 定款変更の件

① 事業目的の一部削除

以下のとおり、現行定款の第2条第4号ないし第7号を削除する。

現行定款

(目的)

第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。

(1)電子機器の設計及び製造並びに販売

(2)ソフトウエアの開発並びに販売

(3)事務用品の販売

(4)航空機を使用した広告宣伝、写真撮影、薬剤散布及び操縦訓練

(5)定期航空運送事業及び不定期航空運送事業

(6)航空機の修理、改造事業

(7)前各号に附帯する一切の業務

 

変更案

(目的)

第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。

(1)電子機器の設計及び製造並びに販売

(2)ソフトウエアの開発並びに販売

(3)事務用品の販売

(4)前各号に附帯する一切の業務

 

② 情報開示の充実と株主との対話に関する条項の新設

以下の章及び条文を新設する。

第7章 情報開示の充実と株主との対話

第31条(決算説明会と中期経営計画)

当会社は、通期及び第2四半期の決算短信がそれぞれ公表された後速やかに、代表取締役が出席し、株主及び投資家向けに当社の業績、経営戦略、経営計画等を説明する決算説明会(以下「決算説明会」という。)を開催する

2 当会社は、「コーポレートガバナンス・コード原則5―2」(同原則が改正されて条項が変更した場合、改正後の同内容の条項を指すものとする。)を実施し、経営戦略及び中期経営計画を策定・公表する。この際、資本効率に関する目標を提示し、その実現のための方策を決算説明会において説明する。

第32条(株主との対話)

当会社は、「コーポレートガバナンス・コード原則5-1」(同原則が改正されて条項が変更した場合、改正後の同内容の条項を指すものとする。)を実施する。この際、広報担当取締役(役職名が変更された場合は、変更後同等の職務を担当する取締役)が株主との対話の窓口となり、必要に応じ、代表取締役又は社外取締役も株主との建設的な対話を行うものとする。

 

③ 附則の新設

以下の附則を新設する。

第31条(決算説明会と中期経営計画)及び第32条(株主との対話)は、定款変更議案の可決後直ちに効力を生ずるものとし、第2条(目的)の変更は、平成29年4月1日をもって効力を生ずるものとする。

 

(2) 剰余金処分の件

① 期末配当に関する事項

第48期の期末剰余金の配当として、普通株式1株当たり、平成28年3月期の連結上の1株当たり当期純利益の金額から20円を控除した後の金額(ただし、小数点第一位以下を切り捨てた金額)を配当する。

なお、当社予想通りの連結当期純利益になれば、1株当たり配当額は62.6円になります。

 

② 剰余金の処分に関する事項

減少する剰余金の項目及びその額

別途積立金 250億円

増加する剰余金の項目及びその額

繰越利益剰余金 250億円

 

2. 提案の理由

(1) 定款変更の件

① 事業目的の一部削除

当社は、定款の目的に定期航空運送事業等を掲げ、連結子会社であるアイベックスエアラインズ株主会社(以下「IA社」という。)において同事業を営んでいるが、以下の理由によりこの事業から撤退すべきである。

 

(ア)元々は、当社の代表取締役である前澤和夫氏個人が平成11年のIA社設立時に投資し、その後IA社が経営不振となり、平成15年までに当社が第三者割当増資を引き受け、さらに新株引受権付き社債を引き受けて当該新株引受権を行使する等して救済した経緯がある。当社の主力業務であるコンピュータシステム事業と定期航空運送事業との間には業務上のシナジーは全く存在しないのであるから、当社が保有する意義は無く、当社保有のIA社株式は、前澤和夫氏又はその他の買い手に売却すべきである。

 

(イ)IA社の全便が全日本空輸株式会社(以下「ANA」という。)とのコードシェア便であり、搭乗券の販売業務もANAに委託されている。この結果、平成27年3月期のIA社の売上の97%超がANAに対するものである。また、平成27年3月期の当社単体の売上高経常利益率は約25.8%だが、IA社のそれは約3.65%と非常に低い。

以上の通り、IA社の事業はANAに依存したものであるため、当社の経営能力で企業価値を向上させることは困難であり、IA社株式を保有する意義は無い。

 

(ウ)平成27年3月末現在、当社単体の有利子負債は0.6億円に過ぎない。したがって、同時期の連結ベースでの有利子負債約137億円は、ほとんどがIA社のものである。

また、当社はIA社に対し、約26億円を貸付け、さらに約25億円の債務保証を行っている。

当社がIA社を売却すれば、債務の大きい連結子会社が無くなると共に当社か

らの支援も不要となる。当社は、下記2.(1)の通り、現金類似物を非常に潤沢に保有しているが、IA社への貸付けや同社への支援が不要となれば、潤沢な現金類似物を株主還元等に対しより一層自由に使用することができることになる。

なお、事業目的の一部削除に関する定款変更は、平成29年4月1日付で発効するものとし、当社は、それまでの間にIA社株式を売却することとする。

 

② 情報開示の充実と株主との対話

当社は、決算説明会を一切開催せず、また、中期経営計画の策定及び開示も行っていない。そこで、決算説明会の開催に加え、定款に「コーポレートガバナンス原則5-2」を実施すると定めることにより、今後の当社の上場会社としての情報開示の改善を目指するものである。

さらに、当社が平成28年2月16日に東京証券取引所に提出した「コーポレートガバナンスに関する報告書」において、「原則5-1株主との対話」について、株主との対話は広報担当取締役が行うと記載されている。これは、平成27年12月22日付で当社が提出した「コーポレートガバナンスに関する報告書」において、記載すべき事項である「原則5-1」が欠落していることを、株主提案者が平成28年2月4日発送の手紙で指摘した後に訂正されたものである。

しかし、当社は株主かつ機関投資家である株主提案者との面談要請に全く応じず、広報担当取締役のみならず代表取締役も社外取締役も面談を拒否している。そこで、当社が上場会社として行うべき株主との対話について定めるために定款変更を行うものである。

 

(2) 剰余金の処分の件

① 期末配当について

当社の平成28年3月期第3四半期決算短信によれば、平成27年12月31日現在の四半期連結貸借対照表上、有利子負債は約152億円(長短リース債務約124億円を含む。)である。一方、保有する現預金は約307億円、有価証券は約160億円、投資有価証券は約137億円であり、その合計額は約603億円である。ここから有利子負債を差し引いてなお約451億円が残るが、この額は平成28年4月20日現在の当社の時価総額(約531億円)の約86%に相当する金額である。

加えて、平成27年12月31日現在で、当社の純資産(連結)は約813億円(1株当たり約2395円)、予想当期純利益(連結)は28億円で、この場合、自己資本利益率(ROE)は約3.4%となる。一方、当社が公表している平成28年3月期の1株当たり年間配当40円を前提とすると、自己資本配当率は約1.67%である。このように自己資本の大きさに比して利益水準及び配当水準が非常に低い状態になっている。また、平成28年4月20日現在の株価1564円は、PBR0.65倍と東証一部上場企業の平均である1.15倍を大きく下回る。

以上のとおり、既に現預金等は潤沢であること及び株価が割安であることから、現状でも低いROEをこれ以上下げないためにも内部留保により自己資本を増加させる必要はない。

このように使途がない現預金については、徒に会社内に留保するのではなく、株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価を向上させることにつながるので、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。これ以上現金類似資産の保有を増加させても、金利はほぼゼロ又はマイナスであり、実質的な資産価値は減少するおそれさえある。

なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、前期末の当社の純資産及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままである。

 

② 剰余金の処分について

利益剰余金のうち別途積立金については、使途や目的を定めない任意の積立金として当社の企業規模からは異常に巨額のものである。上記のとおり当社の株価のPBRが1倍を割れている現状に鑑み、これを取り崩して繰越利益剰余金を補填することによって、取締役会決議による積極的な自己株式取得が可能となる。

以上



企業情報

企業名 株式会社ストラテジックキャピタル
代表者名 代表取締役 丸木 強
業種 金融・保険

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