世界初! 人工知能を搭載したドローンによる 遭難者探索システムの実証実験を、富士山麓で実施〜 年内の実用化を目指す ~
産業用ドローンの開発、販売を手掛ける株式会社スカイロボット(本社:東京都中央区、代表取締役社長:貝應(かいおう) 大介)は、山梨県庁の協力のもと、来る2016年5月25日、富士山麓(山梨県側)において、世界初となる人工知能を搭載したドローンを使った探索レスキューシステム「TDRS(特許番号第5890942号)」の実証実験を実施します。第一回となる今回の実証実験では、登山道に受信機を設置し、空からドローン、地上から人(救助役)を展開して、陸空より登山道から外れた登山者を発見する監視システムの模擬実験を行います。
■TDRS(トリプル ドローン レスキュー システム)とは?
この度当社が特許を取得したTRDSとは、3機のドローンが山岳や海上における遭難者を三点計測により早期に発見するシステムです。昼夜を問わず、遭難者や行方不明者がどこにいてもドローンの編隊が発見し、救助を支援します。
特に、山岳救助における遭難者の発見に関しては、探索する範囲が極めて広範囲であり、かつ迅速で確実に発見することが要求されるため、柔軟性と効率性に長けたシステムが求められます。しかしながら、従来のシステムでは遭難者の位置情報を高い精度で特定する事は極めて困難であり、あいまいな位置情報を基に捜索を行う事となり、捜索隊の二次災害の発生が懸念されるなど、さまざまな問題点がありました。GPS機器の電池の稼働時間は数時間程度であり、電波が届かないような地形の場合は、遭難者の存在の把握すらままならず、さらに夜間には捜索を中断せざるを得ないといった致命的な問題が発生しうるのが現状です。
TDRS(トリプルドローンレスキューシステム)は、このような課題を解決するために開発された救助ドローンシステムです。遭難者が携帯するSKYBEACON(位置と情報を伴った伝達手段)の信号を、人工知能システムを搭載して遭難者を探索するドローン(SKYRESCUE)がトラッキングし、3機のドローンが遭難者の正確な位置情報を人工知能システムで計測・特定し、TDRSアプリを持つ救助隊に通知します。SKYBEACONは1年半近く電池が持つことと、GPSに依存しない位置情報の取得が可能なので、地形に影響されない信号受信が可能です。ドローンは夜間でも捜索でき、さらに搭載された赤外線サーモグラフィーカメラの情報から遭難者の生死の推測が可能です。
当社は、TDRSで2016年2月に特許を取得しました。
■TDRSの仕組み
TDRSでは、遭難者・行方不明者がどこにいてもドローンの編隊が発見し救助を支援します。
1)各ドローンが担当範囲を捜索
山全体を3つの座標エリアに区分し、それぞれの座標エリアにドローン(大型機/SKYRESCUE-T3000)を1機ずつ飛行させます。3機のドローンが、それぞれの座標エリアを隅々まで探索飛行し、遭難者の大まかな位置を特定します。
2)位置情報の受信
3機のドローンのうち1機が、遭難者が発信する電気信号(SKYBEACON)を受信(受信に成功した最初のドローンを“ヒットドローン”と呼びます)。すると、即座に残りの2機が探索エリアを離れ、自動的にヒットドローンへと向かいます。
3) 三点計測で遭難位置を特定
残りの2機がヒットドローン近辺に到着すると、ホバリング(停空飛翔)中のヒットドローンの周りを、残りの2機が搭載した人工知能の判断により最適な三点計測の状態になるまで自動的に周回し、遭難者位置を絞り込んでいきます。
4) 遭難者を発見!救助隊の出動へ
位置計測端末が解析信号の受信状態の分断を検知して、通信ルートを制御するため、解析信号を途切れることなく取得でき、より早く安全に、救助隊に遭難者の位置情報を通知できます。
また、SKYRESCUEは赤外線サーモグラフィーカメラを搭載しているので遭難者の生死を推測が可能です。
■レスキューパイロット養成講座を開講予定
スカイロボットはTDRSの実用化に向けて、自社が運営するドローンスクールジャパン(所在地:神奈川県寒川市)において、捜索現場でドローンを操作するレスキューパイロットの養成講座を今秋より開講予定です。
ドローンスクールジャパンは、専用の屋外飛行場に加えて、敷地面積950㎡、天井高約8.5mの国内最大規模の屋内飛行場を有し、天候に左右されることなく、ドローンを飛ばして飛行練習を行うことが可能です。
ドローンスクールジャパンに関する詳細: http://www.skyrobot.co.jp/school.html
<ご参考>
山岳遭難など行方不明者をとりまく現状
・日本は登山大国であり、1年に1度以上山登りする登山人口は約860万人と言われます。
・登山人口は毎年数十万人増え続けています。
・登山人口と高齢登山者の増加により遭難事故が毎年増え続けています。
・2014年には全国で2,293件の遭難事故が発生しています。
・特に、60歳以上の高齢者が全体に占める比率が極めて高いのが特徴です。
・現状は、行方不明者の捜索に大勢の救助隊員やヘリコプターが出動し、目視での捜索活動を行っています。彼らの苦労は並大抵ではありません。
・また、家族にとっては大きな経済的・精神的負担になります。
最新のIoT技術とドローンによる捜索を組み合わせた行方不明者捜索支援システムが遭難者の迅速な発見と捜索隊への正確な位置情報伝達を可能にします。
■株式会社スカイロボットについて
株式会社スカイロボットは、『ロボット・ソリューションによる未来社会への貢献』をミッションとするドローンベンチャー企業です。産業用ドローンのパイオニアとして、豊富な経験と独自のスキルを活かし、人間にとっては過酷な環境で活躍するロボットを提供することで、社会への貢献を目指しています。
近年急普及する産業用太陽光発電分野においては、より長期的な視点での設備保全を可能にしたロボット・ソリューションを提供しております。他にも、家屋調査、非破壊検査、探索、人命救助など、当社のドローンはさまざまな分野において活用することができます。
当社はこれからも、ユニークで世の中に役立つソリューションの開発を推進していきます。
【会社概要】
社名: 株式会社スカイロボット
代表: 代表取締役 貝應 大介(かいおう だいすけ)
本社所在地: 東京都中央区銀座一丁目13番15号 ダイワロイヤル銀座ビル オフィスフロア2階
ホームページ: http://www.skyrobot.co.jp
設立: 2014年9月9日
資本金: 2億3,382万5,000円
従業員数: 19名
事業内容:
・ドローン本体、ドローン周辺機器およびドローン専用アプリケーションの開発・販売・レンタル
・ドローンとAI(人工知能)による探索レスキューシステムおよび医療品等の物質搬システムの開発・販売・レンタル
・ドローンによる構造物の異常検出解析システムの開発・販売・レンタル
・ドローン連動式産業用ロボットの開発・販売・レンタル
・ドローンによる野生動植物、山林および農地等の観察調査システムの開発・販売・レンタル
・ドローンスクールジャパンの運営およびドローンレース、ドローンゲーム等各種イベントの企画・開催
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企業情報
企業名 | 株式会社スカイロボット |
---|---|
代表者名 | 貝應 大介 |
業種 | その他製造業 |
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