演劇人としても知られる三島由紀夫が、最後まで演劇的感動を追い求めた「劇団浪曼劇場」(1968~72)の舞台写真集の刊行プロジェクトをクラウドファンディングで開始

小説だけでなく演劇でも大きな足跡を残した三島由紀夫が最後に結成した劇団浪曼劇場(1968~72)の貴重な舞台写真&公演データ本を日本語と英語で刊行。当時の劇団専属カメラマン齋藤征利氏の撮影した『わが友ヒットラー』『サド侯爵夫人』『朱雀家の滅亡』等七千枚以上の写真から厳選したカットを写真集に。製作費はクラウドファンディングにて調達予定。

 編集、取材、執筆を手掛ける緑林軒(所在地:東京都渋谷区、代表:小田切しん平)は、2016年7月19日よりクラウドファンディング・プラットフォーム「MotionGallery」にて、三島由紀夫が最後まで演劇的感動と悦楽を追い求めた「劇団浪曼劇場」(1968~72)の舞台写真&データ本(日英表記)、「三島由紀夫と劇団浪曼劇場の記憶1968-1972」(仮題)の刊行プロジェクトを開始しました。

 

三島由紀夫が最後まで演劇的感動と悦楽を追い求めた「劇団浪曼劇場」(1968~72)の舞台写真&データ本(日英表記)の刊行

https://motion-gallery.net/projects/mishima-romaintheatre

 

 

 三島由紀夫という作家は、ともすればその衝撃的な死から、スキャンダラスに捕えられてしまうことも多いです。市ヶ谷に掲げられた檄文から忌避感を持つ方も多いことでしょう。それゆえ彼の作家としての本質が良く見えなくなっている、と私は個人的に感じています。小説家としてよく知られている三島氏は、劇作家、演劇人としても、早い時期からずっと活動してきました。

 演劇人としての三島由紀夫を定義するならば、現代に生きながら、明治以降のジャンルである近代劇の戯曲(「サド侯爵夫人」「わが友ヒットラー」「「朱雀家の滅亡」「薔薇と海賊」「黒蜥蜴」「鹿鳴館」他)を書き、また江戸的な歌舞伎台本(「椿説弓張月」「地獄変」「むすめごのみ帯取池」「芙蓉露大内実記」他)を書き、さらに中世の能楽に取材した「近代能楽集」(「邯鄲」「綾の鼓」「卒塔婆小町」「葵上」「班女」)他を書いて、時代とジャンルを軽々と飛び越えていった稀有な存在だった、というところではないでしょうか。

 もう一面では、明治維新、太平洋戦争の敗戦という二度にわたる日本の文化史的な断絶に、無謀にもひとりで真正面から立ち向かったクリエイターだった。その暗くて深い断絶をなんとか乗り越えよう、結び付けようとした人物だったのではないでしょうか?

 どうしても伝統に縛られてしまう能楽、狂言、歌舞伎の世界からも、近代の呪縛を受け、ともすれば左翼的、イデオロギー的な演劇にならざるを得ない近代、現代の演劇界からも、こういった演劇ジャンルを超越した作家は、三島以前にはいなかったと思います。

 最近の野村萬斎氏のシェイクスピア劇の公演、歌舞伎役者の方々の、かつての猿之助スーパー歌舞伎に始まり、ラスベガスなどでの海外公演やオペラとのコラボの試み、などを見るにつけても、日本の伝統的な舞台表現と近代世界を、ようやく結びつけられる人が登場し始めたという感じを私は持っております。宮藤官九郎台本のTVドラマ「タイガー&ドラゴン」(2005、主演・長瀬智也、岡田准一)が落語をネタにしていたのを見て、「キター!」と感じたのが、私的な最初だったかと、今になって思い出したりしております。

 三島由紀夫と時代が重なる演劇人を挙げていきますと、年上では岸田国士、千田是也、菊田一夫、年下では浅利慶太、井上ひさし、寺山修司、蜷川幸雄、唐十郎という名が並びます。(能楽、歌舞伎、狂言の分野ではいまひとつ勉強不足でお名前があがりませんが)

 あの戦後、昭和の時代に、なんとか近代と古典を、日本と西洋を結び付けようと苦闘した演劇人・三島由紀夫の足跡が、この「三島由紀夫と劇団浪曼劇場の記憶1968~1972」(仮題)という本になる、と私は確信しております。この7千カット以上にもおよぶ膨大な写真は、当時の劇団専属カメラマン齋藤征利氏の撮影したものです。『わが友ヒットラー』『サド侯爵夫人』『朱雀家の滅亡』等の写真から厳選したカットです。

 この本は、最終的に日本の演劇史、文芸史においても貴重な資料になるはずです。そのような高い志で制作する覚悟であります。

 

<プロジェクト概要>

内容:三島由紀夫が最後まで演劇的感動と悦楽を追い求めた「劇団浪曼劇場」(1968~72)の舞台写真&データ本(日英表記)の刊行

URL:https://motion-gallery.net/projects/mishima-romaintheatre

目標金額:170万円

募集期日:2016年9月16日(火)23時59分まで

リターン例:

3,000円:限定アップデート、書籍1冊を贈呈

7,000円: 限定アップデート、書籍1冊を贈呈、ポストカード5枚プレゼント、あとがきにお名前を掲載。

10,000円: 限定アップデート、カメラマン齋藤征利氏のサイン入り書籍1冊を贈呈、

      ポストカード5枚プレゼント、あとがきにお名前を掲載。

 

【MotionGalleryについて】

 

MotionGalleryは、みんなの共感を力にクリエイティブなプロジェクトを実現する、国内最大級かつ手数料最安値のクラウドファンディング・プラットフォームです。2011年7月のサービス開始から4年が経ちました。芸術家ヨーゼフ・ボイスの「人間は誰でも芸術家である」という言葉をコンセプトに、アーティスト・クリエイター・表現者の活動を支援しており、累計応援金額の半分以上が「映画製作」という特徴があります。

 

https://motion-gallery.net/projects/mishima-romaintheatre



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企業情報

企業名 緑林軒 小田切しん平
代表者名 小田切しん平
業種 新聞・出版・放送

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