母子家庭の子供に、給付型奨学金部活、校外活動に特化した日本初の試み

シングルマザーの子供達を対象に、校外活動、習い事への助成の募集が始まる。「小さな一歩応援プロジェクト」と題して、1件当たりの基準額を5万円として、クラブ活動や習い事をしたい子供達に返済義務のない奨励金を提供。2016年度はスポーツを対象に21家族に助成を行った。就学援助などの形で学校に対しての一定の補助はあるが、校外での活動は自費負担となっており、一般家庭でも負担は大きく、とくに経済的に厳しい状態にあるひとり親家庭の子供は、あきらめるケースが多かった。

「やっと、サッカーの靴が買える！」「夢だったダンスができる」

ＮＰＯ法人リトルワンズは、東京都内で活躍するひとり親支援の専門団体。空き家をリノベーションして、ひとり親に生活支援と共に提供する日本初の事業で国土交通省のモデルに採択されたり、総務省が推進する社会的インパクト指標の好例にもあげられている。世界的に、ネットのおかげで、教育は誰でも受けられる時代になるが、一方で体験の格差は広がっていく。文化を知る、多くの大人と出会う、広い世界を知る、習い事、好きなスポーツを行うなどの社会体験は、統計的に保護者の経済的豊かさに比例する。そのため、経済的に厳しい状態にある家庭の子供は、スポーツや習い事をあきらめるケースが多い。さらに、小学生、中学生には奨学金がなく、スポーツを習いたくても、手だてがないのが現状だ。そこで、リトルワンズは「体験の格差」をうめるため今回の奨学金を設立した。2016年度２１家族に助成を決定。サッカーの合宿代や靴代、空手着やユニフォームの購入資金に充てられる。今回の募集は４月２３日に締切。申し込みは、団体にメールして行うかたち。

ＮＰＯ法人リトルワンズ

東京都内で活動しているシングルママ支援ＮＰＯ法人。ソーシャルビジネス型のＮＰＯとして、企業、行政とも連携を行っている。母子家庭の母親、子供に対し、就労、生活、住居などをトータルで提供しているほか、ネットワーク作りを目的とした交流会も開催。日本の子供の貧困の啓発団体としても日本初の組織。