自動車向け車内大気質改善ソリューション、新型コロナの影響により消毒・殺菌装置の需要が拡大、市場全体の成長を促進
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「自動車車内空気質改善ソリューションの世界市場に対する新型コロナウイルス感染症 (Covid-19) の影響:製品種類別 (統合型HVACシステム、空気清浄機/イオナイザー、オゾン発生器、クラウド型空気質監視システム)・車種別・国別の将来予測 (2021年)」 (MarketsandMarkets) の販売を6月10日より開始いたしました。
COVID-19後の自動車内大気質改善ソリューション市場は、2020年の10億8300万米ドルから2021年の12億1800万米ドルに達し、予測期間中CAGR12.5%で成長すると予測されています。2021年の予測は、COVID-19の影響、OEMの取り組み、パンデミック後の多層式車室内フィルター採用の影響に基づいています。
自動車の車内大気質改善ソリューション市場を牽引する主な要因として、HVACシステム用の多層HEPA (High Efficiency Particulate Air Filter)および活性炭フィルターの需要、健康的・衛生的な車室内体験のためのOEMの取り組みなどが挙げられます。
COVID-19パンデミック後の傾向、高度な客室空気ろ過システムと滅菌装置の開発
パンデミック後、医療へおよび健康意識への関心の高まりは、乗用車部門における高度な空気浄化システムやUV殺菌システムの需要を後押しすると予測されます。この動きは中国の自動車市場ですでに見受けられます。上海汽車、吉利汽車、長安汽車などの大手自動車メーカーは、抗菌・抗微生物空調システムを搭載した車の発売を計画しています。例えば、吉利は2020年2月にN95認証のインテリジェント空気清浄システム(IAPS)を搭載したSUV「ICON」を発売しました。同車は発売前に3万台の予約注文を受けており、市場での需要があります。
大手OEMの車両生産停止が市場に与える影響
自動車産業の主要国は、2019年に苦戦を強いられました。例えば、最大の自動車市場である中国では、2019年の乗用車生産台数は2018年比9.2%減の2,136万台でした。さらに、乗用車の販売台数は2,144万台で、前年比9.6%減となりました。
COVID-19の発生により、状況はさらに悪化しています。主要自動車メーカーは、需要の減少、ロックダウン、部品供給の問題により、生産を停止するか、生産能力を低下させています。ACEA(欧州自動車工業会)によると(4月20日現在)、平均26日間の操業停止により、欧州全域でOEMメーカーの生産台数は約206万8832台となりました。主な生産ロスは、ドイツが 55万3737台、フランスが 27万2432台、スペインが 39万7012台、イタリアが 12万4524台、英国が 16万7144台と推定されます。停止期間の延長や追加の工場停止などにより、生産ロスはさらに拡大しています。例えば、ドイツのフォルクスワーゲンは、自動車市場の需要減退とサプライチェーンの問題を理由に、生産停止を4月19日まで5営業日延長しました。生産停止、需要減に伴うOEMによる生産調整、COVID-19危機後のサプライチェーンの問題により、車内空気品質改善ソリューション全体の需要は、低いと考えられます。
中国は自動車向け車内大気質改善ソリューションの主要市場
COVID-19の震源地である武漢は、OEMやTier1自動車部品メーカーの主要生産拠点の一つです。中国の自動車販売台数は2年連続で減少し、パンデミックの影響でさらに落ち込みました。同国の自動車販売は、1月から2月にかけて42%減少しました。しかし、同国では4月第1週の時点で自動車と自動車部品の生産が再開されており、供給の混乱はほぼ緩和されています。商務省はメーカーと緊密に連携の上、増産を指導し、海外のサプライヤーの動向を監視しています。政府はまた、中核部品の円滑な供給を確保しています。中国でのこのような動きは、自動車向け車内大気質改善ソリューションの需要をさらに高めるものと期待されています。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/mama934310-covid-19-impact-on-automotive-cabin-air-quality.html
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