医療機器CRO、開発企業の需要に後押しされ、2010年以降50社以上設立 ビッグデータ分析、AIなど新技術の採用でコスト削減などの課題に対処
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「医療機器CRO(開発業務受託機関)市場:第2版(2020年~2030年)」 (ROOTS ANALYSIS) の販売を7月9日より開始いたしました。
米国食品医薬品局(FDA)のCenter for Devices and Radiological Health(CDRH)によると、現在、米国で利用できる医療機器は17万5000種類近くあるといいます。実際、2019年以降、FDAは55種類近くの医療機器を承認しています。さらに、世界中で7000件以上の医療機器に焦点を当てた臨床試験が登録されています。このような背景から、2020年には医療機器の世界販売による総収入は約4500億米ドルになる可能性が高いとされています。医療機器市場は現在、ヘルスケア産業の大部分を占めており、今後数年間は成長を続けると予測されています。しかし、自社で臨床研究を開発・実施するために必要なリソースと技術的専門知識を持っている医療機器の開発者は、ごく一部に過ぎません。これは主に、研究に必要なインフラや能力を取得するためのコストが高いことに起因しています。資金が限られた企業が自社で技術の研究・開発や管理をすることは困難です。機器の安全性・有効性の審査や承認に関する規制も徐々に厳しくなってきています。例えば、EUの改正医療機器規制(MDR)では、医療機器の品質評価が厳格化され、一定の専門性と関連リソースが必要になっています。COVID-19のパンデミックにより、これらのガイドラインの施行は2021年5月まで延期されましたが、医療機器の開発者は、今後の課題に対処するために必要な手段を確立する必要があります。この点で、アウトソーシングは、コスト削減や市場投入までの時間短縮など、多くのメリットがあると示されています。その結果、医療機器開発者は、臨床研究や薬事管理の大部分をCRO(医薬品開発業務受託機関)に委託するケースが増えてきています。
医療機器のCRO市場は非常に細分化されており、全体の収益の大部分を占める企業、中堅企業、そしてニッチな専門知識を提供する新規参入企業が多数存在しています。実際、2010年以降、医療機器に特化したCROが50社以上設立されています。注目すべきは、現代の課題に対処するために、CROはビッグデータ分析、人工知能(AI)、実世界のエビデンスなどの新しい技術や運営原則を採用し、研究へのアプローチの改善に向けて取り組んでいることです。この目的のために、多くの従来型CROは、情報技術(IT)やデータ管理ソリューションのプロバイダーと戦略的なビジネス関係を構築しています。また、この業界では過去 10年間に大きな合併・買収が行われており、老舗企業のサービスポートフォリオや能力を拡大するために、いくつかの中小企業が買収されています。専門家によると、医療機器CRO業界は、今後5年から10年の間に医薬品CRO市場と同様の成長軌道をたどると予想されています。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/root936004-medical-device-cros-market-2nd-edition.html
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