リチウムイオン電池リサイクルの市場規模、2040年に推定310億米ドル到達
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「リチウムイオン電池(LIB)リサイクル市場:2020年~2040年の予測」 (IDTechEx Ltd.) の販売を8月11日より開始いたしました。
電気自動車(EV)の急速な普及に伴い、リチウムイオン電池の需要は今後数十年の間に躍進すると予想されています。その一方で、コバルトなどのレアメタルを中心とした原材料供給への懸念が高まっています。原材料の供給不安や価格の変動に対して、リサイクルは重要な解決策となります。リチウムイオン電池から重要な原材料を回収することで、メーカーは供給の混乱から身を守り、追加の収益源を生み出すことができます。
今日、ノートパソコンや携帯電話など家電製品の使用済みリチウムイオン電池のうち、かなりの数のものがリサイクルされることなく廃棄されています。家電製品のバッテリーとは異なり、自動車で使用できなくなったバッテリーは専門家が処理するため、EV用バッテリーの回収ネットワークの構築は難しい事ではありません。多くの国で、EPR(Extended Producer Responsibility:生産者責任の拡大)により、OEMメーカーに使用済みバッテリーの処理を義務づけています。現在使われているEVバッテリーが寿命を迎え始めていることから、今後数十年の間に、リサイクルの対象となる使用済みEVバッテリーが飛躍的に増加することが予想されます。2025年以降、使用済みEVバッテリーは家電製品のバッテリーを超えてリサイクル市場を席巻し、バリューチェーン全体に巨大な市場機会をもたらす事が予測されます。
使用済みEVバッテリーに関する課題は、原材料を得るためにリサイクルするか、定置型エネルギー貯蔵などの代替用途で2次利用するかという点です。使用済みEVバッテリーはどちらにせよ、最終的にはリサイクルが必要になります。技術的には、使用済みEVバッテリーを2次利用で再利用しても、リサイクル自体には何の悪影響もありませんが、リサイクルプロセスが遅れるため、リサイクルの物流や経済に影響を与えます。
リチウムイオン電池リサイクルのバリューチェーンは、ライフサイクルの観点から、採掘と加工、電池材料と生産、電池の使用、二次利用とリサイクルに分類されています。リチウムイオン電池の効率的なリサイクルのためには、いくつかの重要な問題に対処する必要があります。電池回収は、効率的なリチウムイオン電池リサイクルのための最も重要な前提条件の一つです。効率的な電池回収ネットワークがなければ、リサイクルされる電池の量が少なかったり、回収コストが高かったりで、リサイクルの経済性が損なわれる可能性があります。もう一つは、バッテリーの分解と選別にコストと時間がかかるようなリサイクルは考慮されていない事です。
EVバッテリーの回収が容易になり、規模が拡大することは大きなチャンスである一方、技術的・経済的にも様々な課題があります。EVバッテリーパックには多数のデザインが存在し、高電圧であることから、安全な分解は、今後も複雑で時間のかかる工程であることに変わりありません。さらに、EVバッテリーのリサイクルプロセスで利益を得ようとすると、リサイクル業者はより多くの材料をより高い純度と効率で抽出しなければなりません。
リサイクル市場の大部分は現在中国にありますが、他の国からの関心も高まっています。2040年までに世界のリチウムイオン電池リサイクル市場は年間310億米ドルの規模に達すると期待されています。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/ix940389-li-ion-battery-recycling.html
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代表者名 | 樋口 荘祐 |
業種 | その他サービス |
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