2008年4月度調査より

株式会社ビルディング企画は、2008年4月度の全国5大都市圏の主要エリアにおけるオフィスビル市況を、確定値としてまとめました。

東京主要5区の4月度の大型ビル市況は、例年より1ヵ月遅れの繁忙期を思わせる活況を呈し、平均募集賃料は坪単価32,282円(前月比+441円)と大幅に上昇しました。これは04年9月度の調査開始以来、過去最高値の更新となります。
大型ビルの平均募集賃料は06年1月から07年9月まで21ヵ月連続で上昇した後、数10円〜200円前後の上下幅での値動きが続いていましたが、当月は7ヵ月ぶりに前月比400円以上という高い上げ幅を記録したことになります。

この原因としては、坪単価30,000円未満という値ごろ感のある価格帯で成約が相次いだ反面、30,000円以上の高額物件は成約が鈍り、結果的に募集賃料相場が底上げされたことが挙げられます。事実、前月比+1,729円と5区最大の上げ幅となった新宿区では、駅に近い高額物件は敬遠され、多少駅から距離があっても相場の安い物件から成約にいたる傾向が指摘されています。

一方、空室率は2ヵ月連続上昇で2.94%(前月比+0.08ポイント)に達し、「貸手優位」から「借手優位」転換の指標とされる3%台突入も現実味を帯びてきました。港区(4.58%・前月比+0.40ポイント)や新宿区(3.03%・前月比+0.08ポイント)では、坪単価30,000円以上の高額物件の解約が目立ち、空室率と賃料相場が同時に上昇中です。これに対し、千代田区・中央区では依然として1%台で堅調に推移しているなど、エリア間の格差が拡がりつつあります。


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