血漿療法の市場規模、2020年には2億4695万米ドルに成長予想 COVID-19の回復期血漿使用による治療の試みが市場を牽引
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「血漿療法の世界市場レポート (2020-2030年):COVID 19による成長と変化」 (The Business Research Company ) の販売を9月24日より開始いたしました。
血漿療法市場は、血漿療法製品および関連サービスの販売・製造を行う企業の売上で構成されています。血漿療法とは、高濃度の血漿を患者に輸血または注射して治癒を促進する技術です。血漿療法は、顔面の活性化、男性型脱毛症、創傷治癒などに頻繁に使用されています。
血漿療法の市場規模は、2019年の1億8767万米ドルから2020年には2億4695万米ドルに、CAGR31.6%で成長すると予想されています。この成長の主な要因は、COVID-19の治療に、COVID-19から回復した患者の回復期血漿を使用する試みによるものです。その後市場はCAGR5.7%で安定的に成長し、2023年には2億9160万米ドルに達すると予想されています。
2019年の市場は北米が最大地域となりました。
変形性関節症の有病率の上昇が市場を牽引すると予想されます。血漿療法の一種である血小板リッチ血漿(PRP)は、変形性関節症の安全かつ効率的な治療法と考えられています。血小板が豊富な血漿は、自己血小板増殖因子を濃縮したもので、関節に注射することで炎症を抑えて症状を緩和し、変形性関節症の進行を遅らせることができます。米疾病対策センター(CDC)によると、2019年にはアメリカで約3250万人が変形性関節症に悩まされています。そのため、変形性関節症の有病率の増加が血漿療法市場を牽引すると予想されています。
血漿療法のコストの高さが市場の妨げになると予想されます。高コストの主な理由は、抽出と保管にあります。血液から血漿と血球を分離する手順は、プラスマフェレーシスと呼ばれています。プラスマフェレーシスの費用は、米国では約5000米ドルから1万米ドルです。血小板の多い血漿整形外科治療の平均的な費用は、1回の施術で350米ドルから1050米ドルで、効果が出るまでには2回から3回のセッティングが必要になる場合があります。血漿療法のコストの高さが、受診できる患者を限定し、市場にマイナスの影響を与えています。
COVID-19の患者を治療するための回復期血漿療法は、市場の主要なトレンドとなっています。回復期血漿とは特定のウイルス感染症から治癒した人の血漿のことで、免疫を作る抗体を持っています。回復期血漿は、ウイルス感染症に苦しんでいる患者に輸血され、ウイルス感染症を中和し、感染症を治すための活発な免疫反応を誘導します。回復期血漿療法は、コロナウイルスに感染した患者を治療するための安全な治療法であることがわかっています。一方、この治療法は、エボラ出血熱、デング熱、SARS-1などの他のウイルス感染症の治療にも使用されていますが、望ましい結果は得られていません。2020年3月、武田薬品工業株式会社は、COVID-19を対象とした血漿療法「抗SARS-CoV-2ポリクローナル高免疫グロブリン(H-IG)」(TAK-888)を開始しました。TAK-888は、COVID-19から治癒したドナーから採取した血漿を利用し、COVID-19の患者に投与されます。
市場はアプリケーション別に、整形外科、関節炎、慢性腱炎、骨の修復と再生、皮膚科、男性型脱毛症、形成外科、歯科、心臓筋損傷、その他に分類されます。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/tbrc951604-plasma-therapy-global-market-report-30-covid-19.html
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