産業用ロボット減速機、技術的な難易度の高さから、ナブテスコ社、ハーモニック・ドライブ・システム社など日本企業が市場を独占
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「産業用ロボット減速機業界の世界市場・中国市場:2020年~2026年」 (ResearchInChina) の販売を11月6日より開始いたしました。
産業用ロボットの3つのコアコンポーネントであるコントローラー、サーボモーター、減速機は、作業精度、負荷、耐用年数、安定性、信頼性などの、産業用ロボットの主要な特性を決定します。その上、産業用ロボットのコストの約70%を占めており、そのうち減速機が35%、サーボモーターが20%、コントローラーが15%を占めています。
減速機は、サーボモーターとアクチュエーターを接続する中間装置として、サーボモーターが高速回転する際に発生する動力から、入力軸のピニオンと出力軸のギアホイールが噛み合うことで、入力軸のピニオンを介して大きなトルクを与え、産業用ロボットを減速させています。産業用ロボットには、精度、負荷、耐用年数などの面で優れた減速機が求められており、基幹部品の中でも、最も技術的に難易度が高いものとなっています。
産業用ロボットの一般的な減速機は、ハーモニックタイプとRVタイプに分類されます。高い運動精度、大きなギア比、軽量、小さなサイズ、低い伝達慣性のメリットを備えたハーモニック減速機は、負荷の小さいロボットや、大きなロボットの前腕、手首、手などの軽負荷の場面でよく使用されます。
2019年は、中国で合計15万1000台の産業用ロボットが販売され、45万7000台の減速機が必要となりました。これは前年より2.47%増加し、32万4000台が増分需要で、13万3000台が在庫交換でした。
材料、設備、工程などの製造リンクに対する要求が厳しい精密減速機は、投資のしきい値も高く、技術的な課題も多いため、参入するには非常に難易度が高い市場です。そのため、産業用ロボット減速機市場は、ナブテスコ社とハーモニック・ドライブ・システム社に代表される日本企業が独占してきました。
日本の総合機械グループであるナブテスコ社は、精密減速機、油圧機器、新エネルギー機器などのコンポーネントソリューション、トランスポートソリューション、アクセシビリティソリューション、その他の4つの事業を展開しています。最大の事業である精密減速機は、高精度・高い信頼性・高い安定性で知られるRV-Nシリーズ、RV-Cシリーズ、RV-Eシリーズを中心に展開されています。精密減速機の生産拠点は、日本の津工場と中国の常州市にあり、約120万台の生産能力を有しています。2019年、同社は世界の減速機市場の約58%を占め、中・重負荷産業用ロボット用RV減速機の分野では90%以上のシェアを獲得したと報告されています。
ハーモニック・ドライブ・システムズ社は、ハーモニックドライブおよび特殊ドライブ技術の研究開発、設計、製造、販売を世界で最も早くから行っている専門企業の一つであり、世界最大のハーモニック減速機サプライヤーでもあります。同社は、ロボット、CNC工作機械、航空宇宙、印刷機械から医療機器、測定・分析機器、精密包装機械に至るまでの産業で幅広い用途を見出し、市場のほぼ50%を席巻しており、ハーモニック減速機の開発、製造、販売に焦点を当てています。
中国ブランドは、耐用年数、信頼性、安定性、騒音、熱などの製品の主要なパラメータにおいて、外国の主要な同業他社に大きく遅れをとっています。2019年は、中国製の減速機は現地市場の約30%を占め、残りの70%は外国製でした。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/rinc961161-global-china-industrial-robot-speed-reducer.html
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