学生募集、「好調」はわずか9.2% (株)ブレインアカデミーが全国の専門学校に緊急アンケートを実施:コロナ禍における専門学校の現状が浮き彫りに
18歳人口の減少や学生の質の変化に加え、高等教育無償化政策(新たな学修支援制度)への対応、大学入試改革がもたらす専修学校専門課程(以下 専門学校)への影響、そして、新型コロナウィルス感染症の拡大等、専門学校を取り巻く環境は劇的に変化し、同時に、より一層先行きの見えない状況を呈しています。私学振興、私学支援をミッションとする株式会社ブレインアカデミーでは、この未曽有の事態に対して、専門学校はどのような認識を持ち、どのように工夫対処しているのか、その一端を明らかにすべく全国の専門学校を対象にアンケート調査を実施。協力いただいた130校の回答結果をまとめました。
Ⅰ 学生募集、好調はわずか1割。学生募集の方法が大きく変化
Ⅱ 学生の多様化と学生指導での大きな負担、約9割の専門学校が認識
Ⅲ 今年度から始まった高等教育無償化制度、対象化要件を多くの学校がクリア。但し、情報公開(学校評価)・成績管理の面で新たな課題も浮上
Ⅳ 学校運営における重要ポイント、「人事・労務環境の整備」は優先順位がやや低い
Ⅴ コロナ禍の対面授業、感染症対策が進む東京都
Ⅵ 結果の詳細は株式会社ブレインアカデミー主催の無料WEBセミナーでも報告
■実施概要
私学振興、私学支援をミッションとする 株式会社ブレインアカデミー(本社:東京都千代田区・代表取締役:今井 茂)は、全国の専門学校を対象に「学校運営の現状に関するアンケート調査」を実施し、全国38都道府県130校(専修学校専門課程)から回答を得た。web回答形式を用い、調査期間は2020年10月19日(月)~11月6日(金)。集計分析結果は次のとおりとなった。回答校の分野は、概ね全国の学校数と同じ割合である。※一部高等専修学校含む
Ⅰ 学生募集について
好調はわずか9.2%:説明会・入試・奨学金・高大連携等で様々な工夫
61.1%の学校がコロナ禍での学生募集について厳しいと回答した。好調と回答したのはわずか9.2%であった。分野毎の特色は特段見られず総じて厳しいと認識している学校が多いことが分かった。入試形態の工夫やオンラインでの入試説明会、高校と直接連携した出張授業の他、社会人への学費減免制度を設けるなどこれまでに無かった具体的な工夫を行っていた。募集活動に大きな変化が見られた。特にWEBや動画を使用した面談やPR方法は急速に普及し、且つ実施形態が多様であった。また、これらの募集活動を早期に分析し、12月から始まる次年度募集計画へどのように活かすかも大きな課題となっている。
Ⅱ 学生対応・指導について
93.9%の学校が学生の多様化を認識、89.3%が学生指導に大きな負担を感じる
学生の学力だけではなく、その気質や価値観を含めて総合的な学生の多様化を感じている学校が93.9%であった。また、クラス担任業務・学生指導業務を大きな負担と感じている学校も89.3%と高い割合になった。分野毎にみても総じて同様の傾向を示していた。自由記述を見ると「生活やメンタル面のフォローに時間がさかれる」「個々にあった指導が年々難しくなっている」など、物理的に相談時間を確保するのが困難であることや学生対応に専門的な知識やノウハウ等が必要になってきていることも伺えた。学生の特性を客観的に把握し、組織的に指導・対応することで、時間の効率化と的確な学生対応の両立を図ることが課題であることが伺われた。
Ⅲ 高等教育無償化(高等教育の修学支援新制度)
調査回答校の77.9%が対象。但し情報公開(学校評価)・成績管理で新たな課題も浮上
2020年4月から始まった専門学校等高等教育機関を対象とする授業料や入学金などの実質無償化(高等教育の修学支援新制度)では、令和2年4月現在、全国の専門学校(高等課程は除く)のうち約6割の学校が申請要件の確認がなされ対象校となっている。本調査では協力校130 校のうち77.9%が対象校として認定されており、7.6%の学校が対象校を目指していることがわかった。この制度に関する4つの申請要件の内、教育活動に係る情報の開示(学校評価活動)と厳格かつ適正な成績管理の実施について本調査での回答結果をまとめた。
【対象校の課題Ⅰ】教育活動に係る情報の開示(学校評価)
意義を認める一方で、57.2%の学校が教職員にとって負担が大きいと感じている
この調査では学校評価活動を実施している学校の内、91.6%が学校運営に役立つ活動と回答しているが、その一方で57.2%の学校が教職員の負担が大きいと感じていることがわかった。また、「どこまで本音で(アンケートを)答えているのかが分からない」や「目に見えた改善効果が感じられない」「(アンケートを)実施したくない教職員がいる」など評価活動の根拠となる授業評価・学校評価アンケートの妥当性や活用方法に関する課題も自由記述で目立っていた。
【対象校の課題Ⅱ】厳格かつ適正な成績管理の実施
肯定的評価は35.8%に留まる:成績の客観的指標(GPA等)は理解の醸成が課題か
客観的な指標の設定や成績分布の公表に多く活用されるGPAやそれを活用した成績の厳格化について、肯定的評価は35.8%に留まり、否定的な評価が3.9%、どちらともいえないが60.3%となった。GPA制度についてはその制度の意義や活用方法の理解が進んでいない様子が伺える。また、「少人数クラス、学科のGPAは成績評価として有効か」「絶対評価と相対評価の点で課題がある」等、成績分布の公表や分布基準の策定に活用することへの疑問が自由記述でみられた。
Ⅳ 今後の学校運営で重要だと思うもの
「人事・労務環境の整備」だけが他項目に比べてやや低い割合に
今後の学校運営について、「入学生の確保」、「就職率・国家試験合格率」、「授業・学生対応・学生満足度の向上」がとても重要と回答した割合は3項目とも80%を超えている。それに対して、「人事採用・労務環境の整備」は64.1%に留まっていた。また、改善すべき課題の多さについて、同じ項目で質問したところ、最も少なかったのは「授業・学生対応・学生満足度の向上」と「人事採用・労務環境の整備」で24.8%であった。このことから「人事採用・労務環境の整備」は優先順位としてはやや下に位置付けられている点が伺える。但し、自由記述欄には「教員の人材確保」や「業務改善」「(教員の)研修制度をより充実させる」等人事・労務に関するものが多く上がっていたことから、入学性確保や就職・学生対応向上の前提条件となる項目であり、その重要性については一定の理解があるものと推測される。
Ⅴ 新型コロナウィルス感染症対策に関する対応
感染症対策が進む東京都の対面授業、一方で全国的には通常(既存と同じ)授業も多い
公益社団法人東京都専修学校各種学校協会の調査(※1)と同じ質問を設け、本調査の全国的な動向と比較した。東京都の専修学校では全国に比べて、「時差・分散通学」や「教室内の学生数を減らした授業」等、感染症対策に留意した対面授業の工夫が多く実施されていることが分かった。新型コロナウィルス感染症が収束していない現状において、東京都の工夫事例は、今後他の都道府県にとっても重要な参考事例になるものと思われる。
Ⅵ 本調査の詳細は下の無料ウェブセミナーにて報告予定(参加対象は学校関係者のみ)
詳細は株式会社ブレインアカデミーWEBSITE News欄で確認してください
https://www.brainacademy.co.jp/#news
【11月17日(火)】
①14:00~15:50「退学防止・校外実習に活用 学生指導に役立つ「EQ」調査」
②16:00~16:30「医療系学校だから危ない。医療系学校だからできる GPA・成績評価基準の課題と対応」
【11月20日(金)】
③16:00~17:30「教職員の負担を減らし「経営判断の指標」として活用する授業評価アンケートを効率化する方法」
【12月4日(金)】
④14:00~15:30「専修学校(専門課程)におけるコロナ禍の学生募集事例」
⑤16:00~17:30「目前に迫る水面下のリスク、把握していますか?コロナ禍とアンケート調査の活用」
■調査協力校については無料頒布・協力校以外については、大学・専修学校・高等学校を対象に有償で頒布を実施
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企業情報
企業名 | 株式会社ブレインアカデミー |
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代表者名 | 今井 茂 |
業種 | 教育 |
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