二重特異性モノクローナル抗体:癌の進行阻害に高い効果 2つ以上の腫瘍抗原が標的可能に
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「二重特異性モノクローナル抗体 (BsMAb) の世界市場 (2020-2030年) :COVID-19による成長と変化」 (The Business Research Company) の販売を12月23日より開始いたしました。
二重特異性モノクローナル抗体市場は、抗体の売上と関連サービスで構成されています。二重特異性モノクローナル抗体は、2つ以上の抗原を1つの製品に結合できる人工的なタンパク質で、様々な病態における免疫応答を改善するために使用されており、ドラッグデリバリーやがん免疫療法の分野で応用されています。
二重特異性モノクローナル抗体市場は、2019年の15億6000万米ドルからCAGR87.6%で成長し、2020年には29億3000万米ドルに達すると予測されています。COVID-19の影響により潜在的な新規患者が治療を延期し、市場の成長が鈍化しました。その後、売上が緩やかに回復し始めたことで市場は安定し、2023年までCAGR27.8%で成長続け、61億2000万米ドルに達すると予想されています。
癌や慢性疾患の有病率の増加は、二重特異性モノクローナル抗体市場の成長を加速させると予測されます。二種特異的モノクローナル抗体は、各種がん、感染症、中枢神経系疾患、自己免疫疾患の治療用に開発されています。二重特異性モノクローナル抗体は、細胞上の2つ以上の腫瘍抗原を標的にしてがんの進行を阻害するため、モノクローナル抗体(moAbs)よりも効果が高いと考えられています。世界保健機関(WHO)によると、がんは死因の第2位となっており、2018年には推定980万人が死亡しています。さらに、米国疾病対策予防センターによると、米国では成人の10人に6人が慢性疾患に罹患しており、慢性疾患は最も有病率の高い疾患の1つとなっています。がんを含む慢性疾患の増加は、治療に用いられる二重特異性モノクローナル抗体市場の需要を推進すると予想されています。
一方、がんのための様々な代替治療法の可用性は、市場の成長を制限することが考えられます。食事療法、鍼治療、ホメオパシー、ハーブレメディなど、がんの治療に使用される代替がん治療法は、化学療法的な抗がん剤の副作用に対する抵抗感から近年の人気を集めています。例えば、古代インドの医学体系であるアーユルヴェーダの技術や施術が、がんの治療に用いられています。アーユルヴェーダで使われているハーブの多くは抗がん作用を持っており、アンドログラフィスパニキュラータなどがあります。また、ホメオパシー製品市場は、2018年の6億米ドルからCAGR14%で成長し2027年には186億米ドルに到達すると予測されています。低価格な代替薬が生物学的製剤市場の競争を激化させているため、近い将来、二重特異性モノクローナル抗体市場の成長を制限することが予測されます。
2018年9月、大塚製薬(本社:東京)は、Visterra社および同社の抗体工学プラットフォームを4億3000万米ドルで買収しました。この買収により大塚製薬は、腎臓病をはじめとする自社プログラムを通じた独自の医薬品開発・発見の取り組みを構築することが期待されています。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/tbrc972202-bi-specific-mabs-global-market-report-covid-growth.html
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