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最近話題の「脱炭素」「カーボンニュートラル」を基礎から解説! 1から分かる環境問題~カーボンニュートラル編~

サステイナビリティを志向する若年層のキャリア支援を行う 一般社団法人サステイナビリティ人材開発機構(所在地:東京都千代田区、代表理事:山本憲夫)では、環境分野の知見があるライターが、TVや新聞で取り上げられる環境問題、社会課題に関する話題について分かり易い解説を添えて配信しています。 最新記事では、菅総理大臣による「2050年カーボンニュートラル宣言」や、日米首脳会談でも協力を強化することが決まった「気候変動」「脱炭素」に関して、どなたにもわかりやすくお伝えしています。

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コラム記事は、環境分野の人材ソリューションのパイオニアである株式会社グレイスからの協力要請のもと執筆し、グレイスが運営するWeb求人情報サイト『エコリク』に掲載されています。

 

『エコリク』Webサイト内 「特集コラム - サステイナビリティとキャリア -」

https://ecoriku.jp/library/column/

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「目指せ!カーボンニュートラルの世界」  
 亀本 裕子

 

※文中の画像は下記リンク先にてご確認ください  

 記事原文: https://bit.ly/2QJqYjC  

 

カーボンニュートラルの足音

最近、レトルトカレーのテレビコマーシャルで、電子レンジで温めたほうが湯せんに比べCO2の排出量が少ないというのを目にしてびっくりしました。私たちの日常生活の中にも、CO2を意識する時代がやって来ました!

菅総理大臣が2020年10月26日の国会における所信表明演説で、「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。」と述べました(※1)。この「2050年カーボンニュートラル宣言」から半年足らずで「カーボンニュートラル」という言葉をよく見聞きするようになりました。

1987年にサステナブル(Sustainable)という言葉が使われ出したときに、日本語では「持続可能な」と紹介され、英語の取っ付きにくさと日本語のわかりそうで説明できない感じが、言葉として定着するのかと思いました。それから30年以上経った今、日常に浸透しています。カーボンニュートラルはというと、カーボン=炭素、ニュートラル=中立・中性な、となんとなく概念がわかる言葉なので、浸透しやすく、より早く広まることを期待します。

 

■温室効果ガスとは

菅総理は「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と述べています。温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)には、主に二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロンガスがあります。日本における温室効果ガスの推移表は以下のグラフのとおりです。2013年度を境に減少していることはわかりますが、果たしてこのままで2050年目標までたどり着ける減少率かというと厳しそうです。

1997年に京都で開催された地球温暖化防止京都会議(COP3)において京都議定書が採択され、温室効果ガス総排出量について、1990年を基準として2008〜2012年の5年間で6%の削減目標を日本は掲げました。2019年度の削減率を算出すると約4.9%(1990年基準)となり、東日本大震災の影響があったとはいえ、1997年から20年以上経った時点で当時の目標すらたどり着いていません。ただし、技術は確実に進歩し、人々の意識も変わったことは明白です。

 

<図1 日本における温室効果ガス排出量推移(1990〜2019年度)>
*2019年度は速報値
出所)国立環境研究所温室効果ガスイベントリオフィスのデータをもとに作成(※2)

 

 

カーボンニュートラルとは

また、菅総理が述べている「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という意味は、温室効果ガスの排出量と、森林等による吸収量と除去量を差し引きゼロにするということです。下図の右側の青が排出量、緑が吸収量と除去量を表します。左側が2018年の温室効果ガスの排出量を表しているので、温室効果ガスを大幅に削減しなければプラスマイナスゼロにはならないようです。

 

<図2 2050カーボンニュートラルに向けての温室効果ガスの排出量と吸収・除去量の関係>
出所)資源エネルギー庁「「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?」(※3)

 

私たちにできること

温室効果ガスのほとんどを占めるCO2の排出量をなんとか全体として削減する必要があります。以下に日本における部門別CO2排出量(エネルギー起源)のグラフを示します。産業部門のCO2排出量の減少が全体としての削減につながっていましたが、ほかの部門は1990年時点とあまり変わらず、むしろ家庭部門と業務他部門では増加していたことがわかります。

 

<図3 日本におけるエネルギー起源の部門別CO2排出量推移(1990〜2019年度)>
*2019年度は速報値、CO2排出量は電気・熱配分後の数値、凡例の「業務他」は第三次産業
出所)国立環境研究所温室効果ガスイベントリオフィスのデータをもとに作成(※4)

 

私たちが活動する上でCO2の排出量をまったくゼロにすることは不可能ですが、エネルギーを低炭素や脱炭素のものに換えていく意識によって減らすことは可能です。私たちの日常生活の中で、できるだけCO2を削減する行動や選択をすることはできます。例えば、意識するだけでできることとしては、冷暖房の温度設定を適正にする、クールビズやウォームビズ、移動を徒歩・自転車・公共交通機関にする、エコドライブを実践する(急発進/急停車しない・アイドリングストップ)、旬の食材を地産地消するなどがあります。また、森林等を増やし、CO2吸収量を増やすこともできます。企業の環境活動の一環で植林などを行うことは、カーボンニュートラルに近づくための活動です。

 

コロナ禍で自分がうつらないために、また人にうつさないためにみんながマスクを付けるように同じ方向を向くことができれば、カーボンニュートラルも実現に近づくと信じています。

 

▲▲▲ 本文ここまで ▲▲▲ 

 

※文中の画像は下記リンク先にてご確認ください  

 記事原文: https://bit.ly/2QJqYjC  

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<引用>

※1 首相官邸「第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説」

※2 国立環境研究所温室効果ガスイベントリオフィス「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2019年度)速報値」「1.Total」

※3. 資源エネルギー庁「「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?」

※4. 国立環境研究所温室効果ガスイベントリオフィス「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2019年度)速報値」「3.Allocated_CO2-Sector」

(リンク先データはすべて2021/4/10取得)

 

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■ 関連リンク

・特集コラム~サステイナビリティとキャリア~

  https://ecoriku.jp/library/column/column_026.html

・一般社団法人サステイナビリティ人材開発機構(Sus-Pro)の活動

  https://sus-pro.or.jp/?page_id=232

 

       

■ 一般社団法人サステイナビリティ人材開発機構(Sus-Pro)

所在地: 〒102-0083 東京都千代田区麹町5丁目4番 セタニビル5F

設立: 2018年

代表理事: 山本 憲夫

事業内容:  「サステイナビリティ人材」を創出するため、多様な団体と連携した各種人材育成、キャリア開発支援事業を行う。 第3回エコプロアワード「環境大臣賞」受賞のほか、SDGsをテーマに実施した就活イベントはNHKの取材を受け「おはよう日本」「未来スイッチ」で放映された。

URL: https://sus-pro.or.jp/

 

 

【本リリースに関するお問い合わせ】

一般社団法人サステイナビリティ人材開発機構(Sus-Pro) 事務局

TEL: 03-6380-8081 Mail: info@sus-pro.or.jp



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代表者名 山本 憲夫
業種 教育

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