鮭の本を書きました。「鮭とごはんの組み立て方」(誠文堂新光社) 築地　鮭の店　昭和食品　店主　佐藤友美子　著　　　　　　　　2021年5月25日発売

3年前、当店で鮭を一尾お買上げ頂いた農家のご主人が

「美味しかったら、お礼にレンコンを送ってあげる」とひと言。

この言葉が、本を執筆するきっかけとなりました。

約束通り届いた立派なレンコンを手に、しばし思案。

感謝の気持ちを形にしたくて、酢蓮（すばす）と塩鮭をおにぎりに合わせたら、たいそう美味しくて…。

その時初めて、鮭ともう一つの食材を合わせて握るおにぎりの味わい深さを知りました。

取り憑かれたように、プラスワンの鮭おにぎりを作り始め、山菜、漬物、雑穀、乾物、イモ類、キノコ、香辛料、出汁と、「あ、これも美味しい」「あれも、いける」と、気づいた時には、一年で作ったおにぎりは百種をこえていました。

私が働く築地は“東京の台所”と言われる食材の宝庫で、単一の食材に一生を捧げるプロの集合体です。

市場の店舗は路面ですので、歩きながらいつでも多様な食材を目にすることが出来、買う際には各々の専門家から料理法など詳しく尋ねることができます。

鮭と合わせる“もう一品”は、市場からヒントを得て、次々と鮭おにぎりに、仲間入りしていきました。旬の食材は四季折々に入荷するので、アイディアは尽きることがありません。

そして鮭という、多様な食材に沿いながら底力を発揮する素晴らしい魚に、改めて感服しております。

5月25日の発売以来、この本をご紹介くださいました方々に感謝。

鮭おにぎりを作る際に、ページを捲っていただければ幸いです。

当店でも、本を見ていただくことができますので、皆様、気軽にお立ち寄りください。