2022年第2四半期プレミアムスマートフォングローバル市場における平均販売価格(ASP)を発表〜プレミアム機種のASPは前年同期比8%上昇し、780米ドルに〜
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、プレミアムスマートフォングローバル市場(400米ドル以上)における平均販売価格(ASP)は、2022年第2四半期に前年同期比で8%上昇して780米ドル(約11万円)になり、第2四半期としては過去最高となったという最新のMarket Pulse Serviceを発表致しました。
1000米ドル(約14万円)以上のセグメントの販売が前年同期比で94%伸びたことが主な要因であり、このセグメントだけでプレミアムスマートフォン販売全体の1/4を上回り、2022年第2四半期におけるスマートフォングローバル市場における売上の1/5を上回っています。同時に、このセグメントの伸びが、スマートフォングローバル全体のASPも第2四半期として過去最高に押し上げています。
(左図)プレミアムスマートフォングローバル市場シェア・2022年と2021年第2四半期における価格帯と前年比成長率の比較
(右図)プレミアムスマートフォングローバル市場における平均販売価格(ASP)の推移(卸値・米ドル)
出典: カウンターポイント社Global Monthly Handset Model Sales (Sell-through) Tracker, August 2022
1,000米ドル(約14万円)以上の価格セグメントにおけるスマートフォンの成長に関して、カウンターポイント社シニアアナリストVarun Mishra氏は次の通り述べています。
「5Gが普及するにつれ、消費者は端末をアップグレードしている。その顕著な例がAppleで、大勢のiPhoneユーザーが5G対応機種にアップグレードしている。Appleの販売は、前年同期比で114%伸び、1,000米ドル以上のセグメントの78%を獲得した。コロナで収入の影響を受けなかった人は、旅行が制限されて生まれた可処分所得を転用して、スマートフォンなどいつもより高価な端末を購入した。また、コロナ禍で、人々はスマートフォンの重要性を認識し、端末のアップグレードにこれまで以上に価値を見出すようになった。注目すべきは、超高級セグメントでのこのトレンドは地域によらず、またインフレ圧力にも、関係ないという点である。裕福な消費者は、昨今の経済的な逆風の影響を受けないのである。このため、低価格から中位価格のセグメントが、昨今のマクロ経済の逆風の影響を強く受けているのに対して、高価格セグメントは相変わらず堅調で、これがASPをさらに上昇させている。さらに、多様な支払いプラン、買取エコシステムの充実、EMI(equated monthly installment:毎月の均等分割払い)により、全額を前払いしなくて済むようになったことも、消費を後押ししている。」
このプレミアム機種セグメントの成長は、売上低下を食い止める役割も果たしており、全体で販売台数が落ち込む中、プレミアムスマートフォングローバル市場の売上は前年同期比で横ばいとなっています。低価格帯がインフレ圧力の影響を大きく受けたため、スマートフォン市場全体におけるプレミアム機種の売上比率は、2022年第1四半期の58%から、第2四半期の60%へと増加しています。
販売台数の面では、プレミアム機種セグメントは2022年第2四半期に前年同期比8%下落しましたが、それでも12%下落したスマートフォン市場全体の数字よりは良いパフォーマンスを打ち出しており、その結果、9四半期連続で、プレミアム機種セグメントはスマートフォン市場全体の成長を上回ることになりました。
Appleは、既存の4G対応のiOS端末からのアップグレードが続いており、57%のシェアでプレミアム機種市場の首位を保持しています。アメリカにおける販売も販促キャンペーンもこの四半期を通じて好調であり、需要にマクロ経済が影響を与えた証拠は見当たらない状況です。他社製端末からの乗り換えがこの四半期に過去最高となる等、Appleの新規ユーザー開拓も順調であると同時に、主に新興国で新規ユーザーの増加が顕著となっています。
プレミアムスマートフォン(400米ドル以上)グローバル市場におけるメーカー別販売シェア・2022年と2021年第2四半期の比較
出典: カウンターポイント社Global Monthly Handset Model Sales (Sell-through) Tracker
Samsungの売上は前年同期比2%伸び、シェアも拡大しました。S22 UltraがAndroidのプレミアム機種セグメントで、2四半期連続のベストセラー機種になったことが功を奏した形となりました。
中国メーカーOPPO、Xiaomi、Huaweiは、自国の市場が2022年第2四半期を通じて低迷したことを受け、シェアが低下しました。2012年第4四半期以来の低い四半期売上であり、その中でvivoの売上は前年同期比59%増加し、OPPOを抜いて、同社としては初となる2022年第2四半期のプレミアムスマートフォン第3位メーカーとなりました。この成長は、中国国内でX80、S15、iQOO 9シリーズが好調だったことが主な要因であり、その結果、vivoは中国国内においても、初となる、プレミアムスマートフォン第2位のメーカーとなりました。同社は、X80シリーズのおかげで、プレミアム機種のなかでも手頃な価格帯(400~699米ドル、約5.6~9.1万円)で中国トップのメーカーとなりました。
上記グラフの「Others(その他)」のシェアが増えているのは、主にHONORによるものであり、ここ数四半期の間に、同社は中国で急速に拡大しました。HONOR 70はプレミアム機種セグメントにおけるベストセラー機種であり、Magic 4もこれに続きます。
今後もプレミアム機種セグメントはスマートフォングローバル市場全体を上回るペースで成長するとみられ、該当市場の見通しに関して、カウンターポイント社リサーチディレクターTarun Pathak氏は次の通り述べています。
「今年の下半期も、Samsungの新しいFoldシリーズや、AppleのiPhone新シリーズのような、大型の新商品発売が控えており、プレミアム機種セグメントの成長を後押しするだろう。中国メーカー各社もそれぞれ折り畳み型端末を海外市場で展開し始めるので、プレミアム機種市場のポートフォリオはさらに多様になる。原材料価格の高止まり、インフレの進行、外国為替レートの不安定性といったことを背景に、部品コストや製造コストが上昇しており、利益面で各社のプレッシャーになっている。これはASPの上昇に転嫁され、その結果として、2022年を通じてASPは高いままとなるだろう。プレミアム機種指向のトレンドは既に他の色々な市場でも始まっており、ここでも例外ではないことを指摘しておく。」
※本プレスリリース記載の分析は卸値のASPに基づいています。
※OPPOの数字にはOnePlus、vivoの数字にはiQOOを含んでいます。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Pulse/3246
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2022年3月1日~2022年6月30日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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企業情報
企業名 | Counterpoint Research HK Limited |
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代表者名 | Tom Kang |
業種 | その他サービス |
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