マグノリアコーヒーロースターズがグッドデザイン賞を受賞

木造・平屋建ての店舗であるが、日本古来の黒炭をイメージした漆黒の下見板貼りの外壁、屋根の軒と方杖で支える限界まで低く設定した深い庇（ひさし）の二重屋根も昔の日本建築の伝統的な形式である。しかし、それを十八角形の多角形とすることにより、円形に見せ、モダンな雰囲気を出している。結果として、日本古来のトラディショナルなディテールを持ちながら、全体の空気感はモダンというユニークな建築物となった。

美しい木造構造をあえて見せて欲しいという施主の願いから、建物の構造を積極的に見せるコンセプトで設計された。上弦、下弦で構成された放射状に伸びた美しい屋根の梁構造、壁の構造は建物内部から見てとれる。よって、建物内部の天井、壁は貼っていない。
 

また、建物内部にも、外部の庇の先端にも柱は一切ない。

外構デザイン、ロゴデザインは、元電通クリエイティブディレクター（JR東海 CM
クリスマスエキスプレス アートディレクター）の中村 政久氏。照明デザインはぼんぼり光環境計画が担当した。

「一個人店が地域や街並みに良い影響を与える建築物を作ることはおのずと限界があり、一般的は難しいこととされているかもしれません。しかし、スペシャルティコーヒーに対する強いパッションを持つ施主とすぐれたアイディアを持つ建築家とが協業を行うことにより、技術的な要素だけでなく、100年単位で存在するに耐えうる建築物をつくる可能性に挑戦しました。

心地よいデザインとは何かを考え、そこに集う方々が面白い！わくわくする！というものを目指しました。」

マグノリアコーヒーロースターズは、スペシャルティコーヒー豆を専門に販売しており、トップスペシャルティの買い付けを行うために、店主自ら生産国、生産者へ赴き、現地でカッピング（テイスティング）を行い、好みを超えた客観的な数値、おいししさの指標に基づいた仕入れを行ない、店舗内で焙煎、店頭での豆販売、オンラインストアでの通販を行なっています。また、カフェ、主に都内のレストランへの卸も行なっております。

「質の高いコーヒーを愛する人に寄り添い、一杯のコーヒーで飲む人の時間を豊かにしていくこと」、「ハイスペックなスペシャルティコーヒーの味わいとお客様との関わりを楽しいものに結びつけていくこと」が、弊店の使命です。


グッドデザイン賞（Gマーク）とは:
「グッドデザイン賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。」（グッドデザイン賞ホームページより抜粋）


建築概要：敷地面積：366.84㎡、建築面積：137.12㎡、延床面積：99.59㎡、木造、平屋

受賞企業：マグノリア コーヒーロースターズ（群馬県）
手塚建築研究所（東京都）

ご参考ウェブサイト：
マグノリアコーヒーロースターズ
https://www.magnolia-coffee.com/
https://www.instagram.com/magnoliacoffee/

手塚建築研究所
http://www.tezuka-arch.com/works/store/magnolia-coffee-roasters/

グッドデザイン賞該当ページ
https://www.g-mark.org/award/describe/54182?token=XhYGN8UseH

これまでの受賞実績：第10回 太田市景観賞