『金華山黄金伝説殺人事件』発売のお知らせ

　東北三大霊場の一つとされる宮城県の金華山には黄金が埋められており、「金華山の黄金山神社に三年続けてお詣りすれば、一生お金に困らない」という伝説がある。主人公の医師・水鳥長造は、そんな黄金伝説に誘われ現地を訪れる。

　その地で出会った地質学者、日本史研究者、新聞記者らと交友を深め、それぞれの専門知識を披露し合う会話を繰り広げた水鳥だが、肝心の大祭当日、黄金山神社宮司が遺体で発見される。

　果たしてこれは事件か事故か。宮司とその娘の抱える秘密とは、そして金華山黄金伝説の真実とはなんなのか。水鳥たち参拝者は、様々な分野の知を集結し、隠された謎の解明を行う――

　ミステリーをベースに、東北地方の風土史、地理学を解説し、そこから日本人のルーツをも解明していくという本作は、各分野における著者の造詣の深さが溢れ、フィクションでありながら、一つの専門書たりえる充実度を見せている。ジャンルにとらわれることなく、読者の知的好奇心をくすぐり、そして満たしてくれるだろう。

また、東日本大震災・大津波に遭遇した全ての人々への応援歌ともなっている。

　著者の日高けんは宮城県出身の67歳。東北大学医学部卒業後、ハーバード大学留学を経て岡山大学医学部教授を務め、現在も現役の病院長として勤務する。

　医師として多くの論文や医学書を世に送り出してきたかたわら、1997年に『ギリシャ神話の花とハーブたち』を上梓。神話と花にまつわる幅広い見識をしたためた。

　本作でも同様に、歴史、地理、地学、文学、もちろん本業の医学まで、森羅万象にまつわる知識をふんだんに盛り込み、一つの小説に落とし込むことで実験的な作品に仕上げることに成功している。

上記書籍、是非ともお取り上げいただけますようお願い申し上げます。

　同書に関するお問い合せは下記ブイツーソリューションまでよろしくお願いいたします。