2022年中国スマートウォッチ市場における出荷を発表〜前年比8.8%減となり、HuaweiとAppleがほぼ50%のシェアで市場を支配〜
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2022年中国スマートウォッチ市場における出荷は、前年比で8.8%減少したという調査結果を含むGlobal Smartwatch Model Trackerによる最新調査を発表しました。
2022年中国スマートウォッチ市場の8.8%の出荷減少は、ゼロコロナ政策が消費に影響を及ぼしたことが主な理由です。この年、同国スマートウォッチ市場は、コロナ前の水準にまで減少し、四半期単位の出荷が前年同期比で増加したのは第1四半期のみでした。この同期間におけるスマートウォッチグローバル市場の出荷は、前年比で9%増加しました。
HuaweiとAppleが2022年の中国スマートウォッチ市場を支配し、両者合わせたシェアは50%に迫ります。主要メーカーの中では、OPPO(前年同期比105%)、Apple(前年同期比4%)、Huawei(前年同期比9%)だけが前年比で成長を遂げています。
図1: 中国スマートウォッチ市場出荷・2022年と2021年の比較
出典: カウンターポイント社Global Smartwatch Model Shipments & Revenue Tracker
※四捨五入した数字のため、合計が100にならない場合があります
カウンターポイント社シニアアナリストShenghao Bai氏は次の通り述べています。
「中国の厳しいコロナ政策は2022年の消費者心理に悪影響があった。移動の制限や授業のリモート実施のルールにより、同国における子供向けスマートウォッチの需要は低下した。その結果として、出荷は前年比25%減少した。ちなみに、中国は世界最大の子供向けスマートウォッチ市場である。」
この年で特筆すべき点は、上位~高級機(200米ドル)のシェアが上がったことにあります。301~400米ドルのセグメントは前年比31%伸び、400米ドル超のセグメントは前年比1,138%急上昇しました。一方、50米ドル以下のセグメントのシェアは22%に低下し、出荷ベースでみると前年比28%の低下となっています。
図2: 中国スマートウォッチ市場出荷シェア・卸売価格帯別・2022年と2021年の比較
出典: カウンターポイント社Global Smartwatch Model Shipments & Revenue Tracker
カウンターポイント社シニアアナリストIvan Lam氏は次の通り述べています。
「消費者心理が冷え、マクロ経済が逆風の中、上位機種や高級機種のセグメントへの需要は2022年を通じて比較的強かった。高級機へのシフトは、スマートフォン市場において2022年にみられた高級機シフトと似ている。高級機のユーザーはおおむね健康管理、コミュニケーション、システム連携機能に対する需要が大きく、また、このユーザー層はブランドに対するロイヤリティが高い。ここ数年、AppleとHuaweiのマーケティングの努力の結果、高級機ユーザーはスマートウォッチをスポーツや健康のモニタリングをプロ仕様で実現するデバイスとみなすようになった。また、スマートウォッチのデザインがスタイリッシュで洗練されたものになり、普段使いできるようになってきた。」
また、カウンターポイント社リサーチアソシエイトAlicia Gong氏は次の通り付け加えています。
「中国の消費者がスマートウォッチに求める機能やエクスペリエンスの期待値が引き続き上がっていくと、エントリーレベル(50米ドル)のシェアは徐々に低下するだろう。」
中国スマートウォッチ市場における企業プレイヤーの概況
Huaweiは中国消費者の評判が良く業績好調だった。Children Watch 4 Proは値下げの効果が出て2022年に中国で最も売れた機種となった。Watch 3 ProとGT3(46mm)を合わせて、Huaweiのトップ3機種となっている。同社はHLOS(他社アプリをインストール可能な高機能OS)スマートウォッチに軸足を寄せており、これが功を奏した形である。同社のHLOSスマートウォッチの出荷は2022年に倍増し、2022年にHuaweiは前年比9%成長した。
AppleのWatch Series 7の販売好調に加え、新発売したWatch Series 8とUltraが、中国におけるAppleの出荷は前年比4%成長した。健康モニタリングの機能におけるイノベーションと、データへのアクセスや操作のエクスペリエンスにおける素晴らしさがAppleの成長を支えている。また、Ultraがプロ仕様のスマートウォッチという新しいセグメントを開拓し、Appleの高級機セグメント支配に貢献している。
BBK(imoo)は前年比二桁の出荷減となった。BBKはオフライン(路面店)の販売チャネルに重きを置いていたため、2022年中の厳しいコロナ政策の影響を受けた。同社のQ1AとZ6Aは2022年の中国スマートウォッチ市場で第2位と第3位をそれぞれ獲得したが、新発売したZ8とD3は前年の販売で主役であったZ3やZ5を上回る成績にはならなかった。
Xiaomiは主に200米ドル未満のセグメントで事業を展開している。101~200米ドルと、50米ドル未満のセグメントの需要が減った結果、同社の中国市場における年間売上は2022年に前年比18%減少した。
OPPOは2022年に前年比105%成長した。新発売したWatch 3シリーズが貢献した。この結果、同社のシェアは3%増加した。
中国スマートウォッチ市場における今後の見通し
中国スマートウォッチ市場は、Huawei、Xiaomi、HONOR、OPPOなどのメーカーが2023年にコロナ後の事業再開をうけてリバウンドするとみられます。ASP(平均売価)も、プロ仕様モデル指向が続く中、上昇するとみられます。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Individual/3695
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2022年1月1日~2022年12月31日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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企業情報
企業名 | Counterpoint Research HK Limited |
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代表者名 | Tom Kang |
業種 | その他サービス |
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