2023年第1四半期インドスマートフォン市場の出荷量を発表〜記録的な前年同期比19%の下落。5Gスマートフォンは出荷全体の43%に〜
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、インドのスマートフォン市場における出荷は2023年第1四半期に前年同期比19%下落し3,100万台強となったという調査結果を含むMarket Monitor Serviceによる最新調査を発表致しました。
この2023年第1四半期における前年同期比19%の下落は、3四半期連続の下落であることに加え、インドスマートフォン市場の第1四半期として過去最高の下げ幅となりました。低迷する需要、2022年から高く積みあがった在庫、消費者にリファービッシュ端末が好まれている傾向、販売業者の悲観的市場予想がこの下落に繋がった結果となりました。
インドスマートフォン市場動向に関して、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストShilpi Jain氏は次の通り述べています。
「消費者の行動が変容している。今、需要は販売プロモーション期間を中心にしか喚起できていない。この四半期の初めにはRepublic Day(共和国記念日 1月26日)の商戦期に需要が急上昇した。しかし、商戦期が終わると需要は急減してしまった。販売チャネルの事業者は、現在、新機種のために在庫を積み増すより、既存の在庫を減らすことに専念している。スマートフォンメーカー各社にとって、消費者や市場動向の変化に合わせて、自社の戦略を修正することが必須となっている。この四半期の明るいニュースといえば5Gスマートフォンであり、消費者の5Gへの買い替えが続いており、出荷シェアは43%と40%ラインを初めて突破し、前年同期比では23%の成長を遂げた。この状況は2023年第2四半期に入っても変わらないとみている。成長に転じるのは年の後半で、5Gへの買い替えの加速、マクロ経済の圧力の緩和、祝祭シーズンが貢献するだろう。」
インドスマートフォン市場における競合状況と各価格帯の分析に関して、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストPrachir Singh氏は次の通りコメントしています。
「高価格帯端末が好まれる傾向は四半期ごとに強まっている。高価格帯端末のシェアは2022年第1四半期と比較して、2023年の第1四半期にはほぼ倍増した。買い求めやすさがこの流れの鍵であり、様々な支払いプランが提供されている。例えば、AppleがHDB Financial Servicesと組んで提供している「頭金なし、利息のかからない分割払い」がある。こうしたプランが最新の高価格帯端末の発売時に提供されたり、下取りプランが提供されるなどしている。消費者が高価格帯スマートフォンに買い替えるにつれ、高価格帯端末セグメントは成長し、中位機種のシェアは低下している。10,000インドルピー(約1.7万円)未満の価格帯の減少は2023年第1四半期にも続き、出荷は前年同期比9%減となった。このセグメントは買い替えサイクルが伸びて需要が落ちただけでなく、フィーチャーフォンからの乗り換えも減り、またヒーローとなるような機種にも恵まれなかった。」
図1: インドスマートフォン市場出荷成長率(前年比)・2023年第1四半期価格帯別
出典: カウンターポイント社Market Monitor, Q1 2023
※価格帯は小売価格ベース
図2: インドスマートフォン市場出荷シェア・2023年第1四半期
出典: カウンターポイント社Market Monitor, Q1 2023
※XiaomiにはPOCOを含む
※OPPOはOnePlusを含まない
※vivoはIQOOを含む
※四捨五入による数値を採用
市場サマリー
Samsung: 2四半期連続でインドスマートフォン市場の首位を守り、そのシェアは2023年第1四半期に20%となった。同社はまた、5G機種の出荷においても首位を守り、シェアは24%だった。特に新発売した5G対応のAシリーズはオフライン市場で好調で、出荷全体の50%を占めた。Samsungの高価格帯端末セグメント(45,000インドルピー・約7.6万円超)は、S23の発売が好調だったことと支払いプランの充実により2023年第1四半期は前年同期比247%の成長となった。
Vivo: 第2位を守り、2023年第1四半期のシェアは17%だった。前年同期比では3%の減少となったものの、同社がどの販売チャネルでもプレゼンスが高いことと、コスパが良いことが、第2位に繋がった。vivoはコストパフォーマンス価格帯の高価格帯端末機(30,000~45,000インドルピー・約5.1~7.6万円)においては40%のシェアで首位だった。Vシリーズが貢献に寄与した。
Xiaomi: 2022年第1四半期と比較して大きく落ち込み、2023年第1四半期は第3位の16%シェアとなった。落ち込みは前年同期比44%となり、同社にとって過去最悪の記録となった。10,000インドルピー(約1.7万円)未満のセグメントで需要が低迷したこと、オフラインチャンネルの需要が伸びる中でオンラインチャンネルに依存してしまったこと、商品ポートフォリオがわかりにくかったことがこの結果に繋がった。その中でRedmi Note 12シリーズは消費者の反応がポジティブであり、Xiaomiの出荷全体の14%を占めた。
OPPO: インドスマートフォン市場で第4位となり、前年同期比では9%成長、シェアは12%だった。同社は一貫して上位機種の出荷を拡大しており、とりわけ中位の上側の端末(20,000~30,000インドルピー・約3.4~5.1万円)を集中して攻めることで、このセグメントにおいて最も成長したメーカーとなっている。このセグメントでは、Fシリーズの好調のおかげで前年同期比144%だった。
Realme: 2023年第1四半期に前年同期比52%下落して第5位に後退した。シェアは9%であった。realmeは、過剰在庫や10,000インドルピー(約1.7万円)未満のセグメント市場環境が悪いことの影響から抜け出せていない。同社は顧客層を増やすためにオフラインの小売り店舗を拡大させている。また、新発売のC55シリーズは今期好調で出荷の11%を占めた。
Transsionグループitel、Infinix、TECNO: 合わせてインド携帯端末市場の16%を占め、2023年第1四半期は前年同期比19%成長だった。個別にみると、itelはインド携帯端末市場の第3位で前年同期比23%成長し、TECNOは10,000インドルピー(約1.7万円)未満のスマートフォンセグメントでSpark Go 2023の人気が高く、このセグメントの第4位だった。Infinixは前年同期比27%成長し、成長の速さにおいて第4位となった。
OnePlus: 前年同期比72%と、2023年第1四半期に最も速く成長したメーカーとなった。OnePlus Nord CE 2 Liteと、新発売のOnePlus 11シリーズが好調だった。中でもOnePlus Nord CE 2 ite 5Gは、2023年第1四半期に最も売れた機種だった。同社は高価格帯端末(30,000~45,000インドルピー・約5.1~7.6万円)セグメントにおいてシェアは第2位の30%だった。加えて、同社は積極的にオフラインでのプレゼンスを高めようとしており、インド各地でエクスペリエンス型の販売店を開いている。
Apple: 前年同期比50%成長し、2023年第1四半期のシェアは6%だった。同社は高価格帯端末セグメント(30,000インドルピー・約5.1万円超)と超高価格帯端末セグメント(45,000インドルピー・約7.6万円超)で、シェアはそれぞれ36%と62%を獲得し、これらのセグメントでの首位を維持している。金融会社HDBと組んだ新しい支払いプランや、最新のiPhone 14シリーズの販売プロモーションが、オフラインチャンネルでの成長に貢献している。Apple自身による小売店が国内にできたことでAppleのブランドイメージがさらに強まり、iPhoneだけでなくAppleのエコシステム全体の成長に繋がるだろう。
l インドの国内メーカーの中では、Lavaが好調である。同社は10,000インドルピー(約1.7万円)未満のセグメントでポートフォリオを一新させた。また、Lavaは最安値の5Gスマートフォン(Blaze 5G)の販売を続けている。同社の成長は前年同期比29%で速さにおいて第3位だった。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/CountryReport/3907
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2023年1月1日~2023年3月31日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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企業情報
企業名 | Counterpoint Research HK Limited |
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代表者名 | Tom Kang |
業種 | その他サービス |
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