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私的年金基金の届出業務をデジタル化するクラウドサービス「ペンション・プラス」が稼働を開始しました

日本ITソフトウェア企業年金基金(東京都港区、理事長 北原佳郎)は、当年金基金の加入事業所、基金事務局、および信託銀行等との間で行われている届出業務をデジタル化するクラウドサービス「ペンション・プラス」が、本稼働を開始したことを発表しました。

現在、国は強力に、公的な保険(年金、健康保険、雇用保険など)の届出業務のデジタル化を推進しています。しかし、私的年金である企業年金基金の届出業務は、多くの年金基金において、従来と変わることなく、書類を作成しそれを郵送するという手順で実行されています。当年金基金は、「年金サービスを、将来にわたり安全かつ安定して提供するためには、デジタル化による効率化が必須である」との考えに基づき、ペンション・プラスを開発しました。

 

ペンション・プラスの特長を、①最新の国際標準に準拠したセキュリティ対策、②デジタル化による作業工数の削減、③現在までの進捗と今後の展開、という3つの視点から説明します。

 

1. 最新の国際標準に準拠したセキュリティ対策

報酬等を含む個人情報を取り扱うという年金基金業務の特性に鑑み、ペンション・プラスは最新の国際標準に準拠したセキュリティ対策を講じています。

 

①ペンション・プラスは、セキュア開発の国際標準であるOWASP ASVS4.0 Level 3に準拠して開発されています。
OWASP(Open Worldwide Application Security Project)が定めるアプリケーションセキュリティ検証標準(ASVS: Application Security Verification Standard)のLevel 3は、高額取引を扱うアプリケーションや機密性の高い医療データを扱うアプリケーションなど、最高レベルの信頼性を必要とするアプリケーションのための国際標準です。

 

②CIS(Center for Internet Security)のサーバーセキュリティガイドライン(CIS Benchmarks)に準拠した環境構成として、日本マイクロソフト株式会社が提供するAzureクラウドプラットフォーム上に構築されています。当クラウドプラットフォームは日本国内のデータセンターに置かれています。
CISは、米国の国家安全保障局、国防情報システム局、米国立標準技術研究所などの政府機関と、企業、学術機関などが協力して、インターネット・セキュリティ標準化に取り組む目的で設立された団体です。サーバーセキュリティガイドラインは、情報システムを安全に構築・維持管理するためのベストプラクティスをまとめたガイドラインです。

 

③アプリ認証/SMS認証によるワンタイムパスワードを併用した多要素認証によるログイン方式を採用しています。
認証基盤として、日本マイクロソフト株式会社が提供するAzure Active Directory B2Cを採用しています。

ペンション・プラスは、信託銀行等の基幹データベースと物理的に完全に分離された設計となっています。ペンション・プラスから基幹データベースに侵入することはできません。

 

2. デジタル化による作業工数の削減

下図に、これまでの紙処理と、ペンション・プラスによるデジタル処理との業務フローの比較を示します。

ペンションプラスは、届出業務のほぼすべてをデジタル化します。

資格取得届・資格取得通知書       

資格喪失届・資格喪失通知書       

基準給与変更届・基準給与変更通知書

氏名変更届・氏名変更通知書

中断者届・中断者通知書 

復活者届・復活者通知書

基礎年金番号届

事業所関係変更(訂正)届

事業所名称・所在地変更(訂正)届ほか

 

ペンション・プラスにより、加入事業所および年金基金事務局の双方において50%以上の作業工数削減が期待されます。

 

これまでの紙処理

ペンション・プラスのデジタル処理

 

 

 

加入事業所

従業員氏名やIDを含め、すべての情報を届出書に記入していた。 対象となる従業員を画面上で選択し、更新する情報だけを入力する。
給与システムから出力した情報を、届出書に転記していた。 給与システムから出力した情報を、ペンション・プラスにアップロードする。
作成した届出書を封入し郵送していた。 郵送作業は一切不要になる。
郵送されてきた決定通知書を開封し、情報を給与システムに入力していた。 ペンション・プラスから決定通知書を印刷できる。

 

 

 

年金

基金

事務局

届出書に記載された生年月日や住所・郵便番号等の情報を、目視で確認していた。 ペンション・プラスに情報を確認するロジックがあらかじめ組み込まれており、目視での確認を不要にしている。
加入事業所と信託銀行等との間で、届出書や通知書の封入・郵送・開封作業を行っていた。 郵送作業は一切不要になる。
郵送にあたって、誤封入等のエラーが発生しないよう、複数名での目視確認を行っていた。 郵送作業が行われないため、誤封入等のエラーは発生しなくなる。

3.現在までの進捗と今後の展開

本日現在、加入事業所817社中463社(57%)が、ペンション・プラスを利用して、届出業務を行っています。当基金は、原則として2023年12月末までに全加入事業所がペンション・プラスに移行できるよう、支援を行ってまいります。

 

また当基金は、Azure上に構築されたクラウドサービスという特長を活かし、今後、次の展開を図る計画です。

 

①現在のペンション・プラスの利用者は、当年金基金の加入事業所の給与・社会保険担当者です。今後、利用者の範囲を、加入事業所の従業員に拡大することを計画いたします。
これにより当年金基金の加入事業所の従業員は、いつでも、自分の年金基金積立額などの情報をペンション・プラスで確認できるようになります。基金事務局においては、年金基金積立額通知書などの郵送作業が不要になります。

 

②加えて、ペンション・プラスの利用者の範囲を、他の企業年金基金に拡大する可能性を検討いたします。
届出業務の多くの作業工程は、すべての企業年金基金においてほぼ共通です。当基金は、「年金サービスを、将来にわたり安全かつ安定して提供するためには、デジタル化による効率化が必須である」という問題意識を共有する他の企業年金基金と、ペンション・プラスを共同利用する可能性を検討してまいります。

 

次の企業・団体より、ペンション・プラス稼働開始へのコメントを頂戴しております。   

                                  (50音順)

株式会社コスモ・コンピューティングシステム

代表取締役 CEO 杉本 淳一 様

ペンション・プラスのリリースおめでとうございます。当社はシステムインテグレーターとして多くのシステム構築を行ってきました。その中でもペンション・プラスはトップクラスのセキュアなシステムであると考えます。ひとえに日本ITソフトウェア企業年金基金の、加入事業所や加入者の安心を第一に考え、より堅牢にしたいという強い思いがあってこそ実現できたものと考えます。

今後とも、最新技術を注視し、加入事業所とその従業員の皆様から継続した信頼を得られるよう尽力いたします。

 

社会保険システム連絡協議会

代表幹事 田邨 公伸 様

社会保険システム連絡協議会は、日本ITソフトウェア企業年金基金が提供するペンション・プラスの稼働を心から歓迎します。このような取り組みが現実のものとなることで、社会保険の手続きがよりシンプルかつ迅速になることを期待しています。高いセキュリティを保持しつつ、新しいスタンダードを築くペンション・プラスは、社会インフラのDX化を推進する取り組みであり、私たちは「ペンション・プラス」の成功と、さらなる進化を応援いたします。

 

一般社団法人ソフトウェア協会/Software ISAC

理事 板東 直樹 様

堅牢なセキュリティ仕様で構築された日本ITソフトウェア企業年金基金のペンション・プラスのリリースを歓迎します。

一般社団法人ソフトウェア協会/Software ISACはセキュアなソフトウェア開発を推進しており、国際的なセキュアコーディングの規範であるASVSの邦訳や、システムの強靭化ポリシーを提唱してまいりました。

今回リリースされたペンション・プラスは、まさに、国際的なセキュリティ規範の基に構築されており、Microsoft Azureのマネージドサービスや認証システムによって、国内でも類をみない強靭なサービスとして提供されています。

ソフトウェア開発企業、システム販売企業のための私的年金基金である日本ITソフトウェア企業年金基金が、個人情報保護のための模範的なシステムを構築したことは、ソフトウェア協会/Software ISAC として誇らしい成果の一つといえます。

今後も、ペンション・プラスが強靭な運用・保守を続け、末永く加入事業所および加入者の安心と信頼を維持するよう祈念致します。

 

日本マイクロソフト株式会社

執行役員 常務

パブリックセクター事業本部長 佐藤 亮太 様

この度は、日本ITソフトウェア企業年金基金のペンション・プラスのリリース、誠におめでとうございます。マイクロソフトが提供させていただいているMicrosoft Azureを年金基金届出業務という重要な手続きに活用いただいたこと、大変うれしく思っております。年金という重要情報を扱うソフトウェアにおいて当社のセキュアなクラウドサービスを活用することで、安全・安心なサービスを実現できるものとなります。

当社としても引き続き、日本ITソフトウェア企業年金基金様の業務のデジタル化に支援をさせていただきたくとともに、ペンション・プラスを通じた多くの加入事業所の皆様の効率化に向けた取り組みに、しっかりご協力させていただければと考えております。

 

*「Azure」は、日本マイクロソフト株式会社の登録商標です。

*「ペンション・プラス」は、日本ITソフトウェア企業年金基金が登録商標として出願中です。



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企業情報

企業名 日本ITソフトウェア企業年金基金
代表者名 北原佳郎
業種 その他サービス

コラム

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