2023年第3四半期インドスマートフォン市場における出荷量を発表〜市場は前年同期比横ばいだったが、Appleは過去最高の出荷量を記録〜
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2023年第3四半期インドスマートフォン市場における出荷は横ばいだったものの、Appleは四半期として過去最高の出荷量を記録したとなったという調査結果を含むMonthly India Smartphone Trackerによる最新調査を発表致しました。
インドスマートフォン市場は、ほぼ1年にわたって縮小し続けてきましたが、何より大事な歳末の祝祭シーズンに向かって消費者の需要が少しずつ上向いたことを受けて、市場も復活の兆しをみせています。
インドスマートフォン市場動向に関して、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストShilpi Jain氏は次の通り述べています。
「2023年第3四半期のメーカー各社は、新機種を発売し、祝祭シーズンに備えて流通チャンネルに商品を投入し続けました。また、目玉である5G対応や、大容量RAM(8GB)が、コストパフォーマンス価格帯(10,000インドルピー、約18,000円未満)のスマートフォンにもみられるようになったことは、注目すべき流れです。高価格帯機種と5Gが、二つの重点領域で多くの製品が発売されています。メーカーの多くは、金融機関と組んで新しい支払いプランを設定し、新機種購入が一日当たりいくらの出費で済むかを宣伝しています。市場はゆっくりと成長へと転じており、祝祭シーズンを前に消費者心理が上向いていくのが見て取れます。積みあがった需要、長期間になった祝祭シーズン、5G機種へのアップグレードの加速と好材料が並び、インドのスマートフォン市場は次の四半期には成長する可能性がある。」
図: インドスマートフォン市場シェア・2023年第3四半期
※XiaomiにはPOCOの数字を含む
※vivoにはIQOOを含む
※OPPOにはOnePlusを含まない
出典: カウンターポイント社Monthly India Smartphone Tracker
インドスマートフォン市場における競合状況と各社の詳細に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストShubham Singh氏は次の通り述べています。
「Samsungは4四半期連続で首位を守り、シェアは17.2%だった。AシリーズとMシリーズがともに好調だった。オフライン(路面店)での高いインセンティブによる積極販売、チャネルに依らない同等な価格での販売、急成長する高価格帯機種へのフォーカス、超高価格帯機種でのイノベーションといった点で、Samsungは競合より一歩前を行くことができた。Samsungに肉薄するのがXiaomiで、そのシェアは16.6%である。Redmi 12シリーズの好調と、オフラインチャンネルの拡大が功を奏した形だ。Xiaomiは5Gをコストパフォーマンス機種に展開し、効果的に利益に繋げている。最新のRedmi 12 5Gシリーズに対する消費者の反応は圧倒的である。」
「vivoは第3位だが、トップ5社の中では最速で成長しており、前年同期比では11%も伸びている。オフラインでのプレゼンスが高く、CMF(Color Material Finish: 色、素材、仕上げ)を重視し、IQOOブランドを通じて中~高価格帯セグメントをターゲットにしたことで、この結果に繋げることができた。市場全体をみれば、Transsionが前年同期比41%と最速で成長している。インドにおける急成長フェーズに入ったAppleは、前年同期比34%伸びた。2023年第3四半期は、Appleにとって同国での最高の出荷を記録した四半期でもあり、250万台強を出荷した。この世界で二番目に大きいスマートフォン市場においても、高価格帯機種指向が始まっており、新機種と魅力的な支払いプランによって、Appleはここでもうまく波に乗った形だ。また、OnePlusは高価格帯機種の中のコストパフォーマンス価格帯(30,000~40,000インドルピー、約5.4~7.2万円)におけるトップとなり、OnePlus 11Rの好調を受けてシェアは29%となった。」
インド市場におけるその他の注目点
・5Gへのアップグレードが加速: 2023年第3四半期には、5Gスマートフォンのシェアが53%に達した。メーカー各社が10,000~15,000インドルピー(約1.8~2.7万円)のセグメントで新製品を相次いで発売したことがこの結果を生み出している。このセグメントにおける5G普及率は35%と、2022年第3四半期の7%から大幅に増えた。
・超高価格帯機種指向トレンド: 超高価格帯機種(45,000インドルピー、約8.1万円超)指向は、毎四半期、強まっている。2023年第3四半期には、このセグメントは前年同期比44%も成長した。購入しやすい支払いプランの出現、様々なインセンティブプログラム、それに最新技術への消費者の強いあこがれが、この結果に繋がった。
・折りたたみ型がメインストリームに: 超高価格帯機種セグメントにおいて折りたたみ型スマートフォンの需要が高まっている。従来にない寸法・形状が、スマートフォンへの従来の認識や使い勝手を一変させるからである。折りたたみ型に参入するメーカーも増え、将来は明るい。
・4Gフィーチャーフォンが成長: フィーチャーフォン全体に占める4G版のシェアは、Jio社のJio Bharatの発売を受けて、2023年第3四半期に32%まで増加した。主に、低価格(999インドルピー、約1,800円)、UPI(携帯から利用できるインドにおける小口決済インフラ)などの機能、多種のアプリの存在が需要を押し上げた。
・その他メーカー: 2023年第3四半期に前年同期比で成長したメーカーは、Nokia(31%)、Motorola(27%)、realme(7%)、Google(6%)だった。
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今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2023年7月1日~2023年9月30日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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企業情報
企業名 | Counterpoint Research HK Limited |
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代表者名 | Tom Kang |
業種 | その他サービス |
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