【奈良高専】GEAR5.0『ONE-KOSEN シンポジウム』開催。~新しい高専間連携を目指し、他研究でもつながりを~
奈良工業高等専門学校(奈良県大和郡山市 校長:近藤 科江 以下「奈良高専」)が主催となり、去る令和5年12月15日(金)にGEAR5.0『ONE-KOSEN シンポジウム』を開催しました。 奈良高専、物質化学工学科 山田裕久准教授がユニットリーダーを務める、GEAR5.0防災・減災・防疫分野(エネルギー)の活動として、他ユニット※1からの参加を募り、8高専の教員11名、学生17名の参加で開催しました。 GEAR5.0の活動が故にできた「異なる分野で研究する学生同士の交流」でした。各地の高専から集まり、ポスター発表をし交流することで相乗効果が起きることを期待します。また、教員同士の研究の連携と、教育活動の協同がこれからのGEAR5.0活動の先へつながり、これからのONE-TEAM、「ONE-KOSEN」がどのように始まるか楽しみです。
【 開催概要 】
イベント名 : GEAR5.0『ONE-KOSEN シンポジウム』
開催日時 : 令和5年12月15日(金) 10:00~18:00
会場名 : 奈良県コンベンションセンター
参加高専 :
防災・減災・防疫分野(エネルギー) 奈良高専・長岡高専・和歌山高専
マテリアル分野 鈴鹿高専・鶴岡高専・呉高専・大分高専
エネルギー・環境分野 佐世保高専
プログラム :
招待講演①大阪大学 コアファシリティ機構 准教授 古谷 浩志 氏
招待講演②国立研究開発法人産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域電池技術研究部門
電池システム研究グループ 研究グループ長 妹尾 博 氏
学生ポスター発表
教員シンポジウム
【 全体の部 招待講演 】
奈良高専 中村秀美専攻科長の開会の挨拶からスタートしました。司会は松本充央GEAR特命助教が行い、通常の学会とは異なる雰囲気で、参加した先生方の紹介をし、和やかなムードで開催しました。
午前中は、招待講演①とし、大阪大学 コアファシリティ機構 准教授 古谷 浩志 氏には、「全学機器共用の中核コアファシリティ機構」の題目で講演していただきました。各教員がそれぞれ持っている機器をいかに、共有して、上手く活用するか、それを共有するまでのお話を交え、高専の機器共用についてのヒントとなるご講演でした。
招待講演②として、国立研究開発法人産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域電池技術研究部門電池システム研究グループ 研究グループ長 妹尾 博 氏には、エネルギー以外の分野を専攻している学生でも分かりやすい、エネルギーについてのご講演をいただきました。
午後からは、学生、教員の部に分かれ、活動しました。
【 学生の部 ポスター発表 】
奈良高専、山田研究室の専攻科2年大井さん、専攻科1年縄手さん、音成さんがポスター発表の進行を行いました。それぞれの研究の合間の時間でしっかり準備をしていたため、スムーズに行う事ができました。
今回のポスター発表は、常識を取っ払い、GEAR5.0『ONE-KOSEN シンポジウム』独自で、採点方法を決め、行いました。
一般的に学会の研究発表では、発表技術に加えて、研究テーマの独創性、研究の重要性や目的、実験内容、実験データの質・量、考察の深さや実験結果との論理的整合性なども評価対象となります。しかし、これらは必ずしも本人だけの努力や実力を反映しているわけではありません。中でも、研究テーマや実験内容は所属研究室の環境に大きく依存します。このような状況は、特に研究を始めたばかりの本科生には不利であり、研究活動に対するモチベーション低下にもつながりかねません。
そこで本シンポジウムでは、以下の基準で評価し、それぞれが、誰でも表彰される可能性のある評価基準にしました。
① あくまでわかりやすい発表かどうか
② 質疑応答に耐えうる最低限の知識を有しているか
③ 高いポスター作成技術を有しているか
など本人の努力や実力が反映されやすい項目に的を絞り、学生同士でお互いを評価・顕彰しあう場として学生主体のポスター発表セッションを設けました。
学生発表は、3チームに分かれ、5名ずつ、15名が行いました。通常のポスター発表であれば、聞きたいポスター発表だけを聞くというスタイルです。今回は、「ポスター発表でいかに伝えるか」という目標もあり、説明を受ける学生は10分毎に次の発表へ移る方法で10名の発表を聞くことができました。発表者は、連続5回の発表をする中で、工夫を重ね、より分かりやすいものへとブラッシュアップしていきました。
【 参加学生の感想(アンケートより抜粋) 】
Q1.刺激になったところは
・他高専の学生と交流することで情報交換ができ、さらに研究へのモチベーションにつながりました。
・参加者からの、ポスターに対する意見や疑問点を多く聞くことができた。
・異分野の研究について知れてためになった。
Q2.学びになったところは
・皆さん研究に励んでいて、違う分野でも研究に対しての姿勢はみんな同じだった。
・ポスターに対する意見や疑問は、自分の所属する学会や研究室では得られない説明の不足した部分である。そのため、分かりやすさや重要な部分の引き立てなどを次のポスターへとつなげていきたい。
・異分野の学生にも分かりやすく研究を説明する点。
・同じGEAR5.0の中でも、それぞれの研究内容が異なり、他分野を知る、いいきっかけになったこと。
・今回のシンポジウムでは自分の専門外の研究についての話が多く聞けたので知識を広げることが出来ました。
・違う分野と自分が学んでいる分野との関連。
・他分野の人に分かりやすく自身の研究分野を伝える練習となった。また、他分野の内容を聞くことで新たな知見が得られた。
・自身の専攻分野をこれからどのように活かすことができるか、他分野からの視点を知れたこと。
・自分の他分野の発表が多かったので新しい発見をできた。
Q3. ポスター発表の感想
・先生がいない事で、気を張らずに研究について話すことが出来た。こういった場は初めて発表する学生にとってはとてもいい場だと思う。
・先生がいない分気楽に発表できたが、緊張感はあまり無いなと感じた。
・そこそこには発表をしてきたつもりだったのでストレスは感じなかったのですが、いかにポスターをうまく活用して伝わりやすく説明するかが大変でした。
・わからない点などを適宜聞くことができたので、大変わかりやすかった。
・学生同士で評価しあうということで、少人数に対してプレゼンするいい機会になった。質問もかなりしてくれたので、とても良い経験になった。
【 教員の部 シンポジウム 】
それぞれの教員の研究分野を発表、共有し、今後の連携へつながるシンポジウムとなりました。
個々の教員の研究について、深く知る機会がない中で、新しい発見があり、GEAR活動の成果につながる会となりました。
【 GEAR5.0奈良ユニットリーダー山田裕久准教授コメント 】
学生達が主体的に企画し、学び、評価をし合うことでそれぞれの得意とするところや足りないところに気付く場となればと思います。また、研究シーズによる歯車の掛け合いではなく、リーダーを中心として研究者が持つ技術をピースとした新しい連携の形を模索していく良い機会となりました。今後、この様な機会を通じて新たなネットワークが生まれることに期待します。
※1 GEAR5.0とは
GEAR5.0は、国立高専機構及び国立高専が「Society5.0未来技術人財」育成事業の一環として令和2年度から取り組んでいる事業です。現在、「マテリアル」「介護・医工」「防災・減災・防疫」「農林水産」「エネルギー・環境分野」の5分野が対象となっております。このうち、奈良高専は「防災・減災・防疫(エネルギー)」分野をテーマに山田裕久准教授をユニットリーダーとし、活動を行っています。
GEAR5.0奈良ユニットHP
https://www.nara-k.ac.jp/k-smart/
GEAR5.0について(国立高等専門学校機構HP)
https://www.kosen-k.go.jp/about/profile/gear5.0-compass5.0.html
◆奈良工業高等専門学校について
奈良工業高等専門学校は、実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関。中学校卒業程度を入学資格とする本科(5年制)および専攻科(2年制)を有し、敷地内に学寮も備え、奈良県内外から入学者を迎えています。
立地する奈良県及び周辺地域は、中小企業が集積し特に電子産業、製造業が盛んな地域であり、地域に向けての情報発信基地としての機能と、地域企業からの技術相談窓口としての機能を持ち、奈良県だけでなく大阪府東大阪市・八尾市・京阪奈等周辺地域の産学官金連携の拠点としての役割を担っています。
また、在学生の課外活動も活発で、全国高専間で開催されるロボコン全国大会、全国高専体育大会においても優秀な成績を収めています。
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 奈良工業高等専門学校
所在地:奈良県大和郡山市矢田町22
校長:近藤 科江
設立:1964年
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
◆本リリースに関するお問い合わせ先
独立行政法人国立高等専門学校機構
奈良工業高等専門学校
総務課企画・研究協力係
TEL:0743-55-6173(平日8:30-17:00)
e-mail:sangaku@jimu.nara-k.ac.jp
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企業情報
企業名 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 |
---|---|
代表者名 | 谷口 功 |
業種 | 教育 |
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