大麻問題について人権救済申立を行いました

 2005年人権週間にあたる本日12月5日(月)、わたしたちは日本弁護士連合会への人権救済申立を行いました。この申立は、不必要に厳しすぎる大麻取り締まりによる人権侵害の救済を訴えるものであり、日本全国から総勢1,256人が申立人として名を連ねています。

プレスリリース

大麻問題について人権救済申立を行いました

2005年12月5日
市民団体カンナビスト

 2005年人権週間にあたる本日12月5日(月)、わたしたちは日本弁護士連合会への人権救済申立を行いました。この申立は、不必要に厳しすぎる大麻取り締まりによる人権侵害の救済を訴えるものであり、日本全国から総勢1,256人が申立人として名を連ねています。本日は、東京近郊、大阪、新潟から参加した申立人11人が代表として、東京霞ヶ関の日弁連・人権擁護委員会に直接、申立書を手渡しました。

 申立の主旨は以下のとおりです。
・大麻取り締まりは公権力による人権侵害です。
・大麻取締法は、基本的人権を侵害するものであり、憲法違反です。
・EUをはじめとする人権先進国に並び、大麻の非犯罪化政策に転換すべきです。
・大麻の医薬としての利用、農業・食料・産業資源としての栽培・利用を認めるべきです。

■大麻は危険な薬物ではありません。
 こんにち、大麻の危険性・有害性が低いことが、海外の様々な研究結果や公的調査の結果からすでに明らかになっており、そのような認識の下で、ヨーロッパの主要国、カナダ、オーストラリアなどの国々、アメリカも全人口の30%以上が住んでいる12州で大麻は非犯罪化されています(犯罪として扱わない:違反チケット・罰金レベルの扱い)。
 しかしながら、日本ではこうした事実について知られていません。むしろ、大麻、覚せい剤、麻薬など、効果も危険性も全く異なるものを「乱用薬物」として、ひとまとめに区別なしに扱う政策が取られてきたこと、また、マスメディアなどもこれらを同一視した報道を続けてきたことにより、社会一般に大麻は有害で危険な薬物だという「作られたイメージ」が形成されています。こうした誤解・偏見が根付いてしまった結果、大麻について、客観的・理性的な議論ができなくなってしまっていることが、この問題を困難なものとしています。

■大麻に対する過度に厳しい刑罰は人権侵害です。
 大麻取締法は所持について5年以下の懲役、栽培について7年以下の懲役を定めています。罰金刑の選択はありません。法的制裁に加えて、逮捕されることにより、会社を解雇されたり、学校を退学になったり、その後の人生を左右するほどのたいへん大きな社会制裁を受けることになります。
 大麻事犯の一般の社会人・学生です。大麻を所持・栽培したというだけで、社会生活に支障をきたしたり、他者に迷惑をかけたわけでもないのに、このような法的・社会的制裁を受けています。
 上に述べたように、大麻の有害性が低いことはもはや疑いのない事実です。大麻に対するこのように過度に厳しい制裁は憲法31条に定められた罪刑の均衡の原則に反するものであり、また、大麻取締法による大麻は不当に身体的自由権を侵害するものであるとわたしたちは訴えています。

 今回の申立を通じて、大麻問題が人権問題であることを社会が認知し、一刻も早く解決に向けて動き出すよう訴えるとともに、この人権救済申立がその契機になることを願っています。そして、大麻に対する誤解や偏見が払拭される一助となることを願います。

この件に対する問い合わせ先:
カンナビスト事務局
TEL/FAX:03-3706-6885
メール:info@cannabist.org
http://www.cannabist.org/

企業情報

企業名 市民団体カンナビスト
代表者名 麦谷尊雄
業種 未選択

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