「ロト」スパムは マネーロンダリング 目的〜G Data

(プレスリリース G Data Software　2009年7月10日)

「ロト」スパムは マネーロンダリング目的か
〜ネット犯罪者の一味へのコンタクトに成功

G Data Software株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：Jag 山本）は、6月下旬から7月上旬にかけて、「ロト（宝くじ）当選のご案内」という内容の英文スパムメールが増加しており、振込み詐欺ならびにマネーロンダリングを目的としたものであることをつきとめました。

宝くじで一攫千金を狙うのは多くの人の夢であるがゆえに、スパムメールにおいても一手法としてこれまで活用されてきました。ジーデータでは、問い合わせの電話番号が記されているものを発見
しました。一般的にネット犯罪者たちは足がつくのをおそれ、電話番号などのデータをメールに記載することを好みません。しかし今回のメールには、235万ユーロの当選金があなたのものになるから、すぐに記載された電話番号に連絡するよう催促しています。この手口は警察の調べによると、銀行振込み詐欺もしくは、マネーロンダリングの入口であるようです。このような手口の実態をつかむべくジーデータは、メールに書かれている問い合わせに応じてみることにしました。

「このような詐欺の手法は決して新しいものではありません。しかし今回珍しいことに、加害者は本物の電話番号を記載しています。一般に詐欺グループは個人情報やアカウントをかすめとろうと画策しています。得た情報は、他の詐欺を行うのに利用されるか、またはマネーロンダリングに使用されます。今回のスパムメールの目的は、マネーロンダリングと推測されます。したがってこのような内容のメールには、一切対応しないで削除してしまうことをお勧めします。」（ラルフ・ベンツミュラー、ジーデータセキュリティラボ所長）

警察当局は、本件に対して大変危惧しており、以下のように述べています。

「犯罪者は非常に才略にたけていて、このようなメールを受け取った人は、半信半疑にもかかわらず、もしかすると本当かもしれないと思いこむかもしれません。大量のメールを送信しているので、たとえそれが1,000人のうちの1人でも騙されるならば、十分に見合った成果が出せるのです。当然この成果とは、ユーザにとってのものではなく、詐欺師とマネーロンダリングを手掛ける人々にとってです。」（フランク・プレヴカ、ドイツ・ボーフム市警広報担当官）

ジーデータは、今回、一歩踏み込んで、実際に電話番号が使われているかどうか、どのような対応をするのかを調べてみました。記載されている住所と電話番号は、スペインのマドリードです。陽気な感じの男性が、片言のドイツ語で対応してきました。彼はあくまでも代理人であり、ともかく賞金を提供するための情報を集め、ロト組織に連絡するだけだと言います。しかし彼は確かに、宝くじの総額が235万ユーロであることは間違いないと言いました。ただし、実際の受取額は変動すると述べました。彼の名は、ランディ・ペーターズ。ジーデータは早速警察当局へ通報し収集した情報を提供しました。

＊ランディとの通話記録の抜粋ならびに、ヨーロッパ・ロト・モニタリング・ユニットからのスパムメールについては、下記URLにリンクされているPDFをご覧ください（電話番号は伏字にしてあります）。
http://www.gdata.co.jp/press/lotospamRelease.pdf

なお、本件は英語で書かれたメールであり、欧米の在住者に狙いを定めたものです。ジーデータ本社ならびに欧州各国の支社ではこの内容を緊急でニュース配信しました（6月25日付）が、日本においては緊急性がないと考えられるため配信を保留していました。しかし、今週に入ってもまだ類似した内容のスパムメールが多発しているため、念のために注意を促すべく本日発表する次第です。


＊ジーデータソフトウェア エージー（G Data Software AG）について　http://www.gdata.deG Data Softwareは、1985年に創業したドイツのセキュリティソフト会社です。EUを中心に、コンシュマーならびに法人向け製品を展開しています。日本法人は 2007年に設立、主要製品は「アンチウイルス」「インターネットセキュリティ」「インターネットセキュリティ プラス」です。最大の特徴は、ダブルエンジンによる世界最高位のウイルス検出率で、各誌・各テストで実証されています。

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