「健康 −過去・現在・未来−調査」結果より約9割の女性が10年後の健康に不安感 食生活への反省や健康になりたいという「思い」を、生活の中でどう実践につなげることができるのか。

ニュートリション運動推進会議は、20から59歳までの女性に対し、過去・現在・未来において自分の健康をどのように考えているかの意識調査「健康---過去・現在・未来---調査」を実施いたしました。

ニュートリション運動推進会議では、アンケート調査後に、栄養の専門家、医師(臨床医、産業医)、社会心理学の専門家などが専門を超えて調査結果をもとに検討会※をおこないました。多くの女性が感じている将来の不安にはどのような背景があるのか、また現状の食生活にはどのような問題点があるのかを探ってみました。そして、未来の健康、将来のQOL(Quality Of Life)を効果的に上げていくための生活習慣改善の方策(ヒント)をまとめてみました。

過去に関する意識:若い女性ほど自分の食生活が良くなかったことを自覚している

若い女性ほど自分の食生活がよくなかったことを反省しています。
また、栄養が足りないのでは、という意識も、若い人の方が高い傾向にあります。
若い女性は生活自体が不規則になりがちで、それに伴って食生活や食べる栄養も偏ります。
本人もその食生活がよくないことに気づいていますが、なかなか規則的で栄養素をとれる食事は出来ないというのが現状のようです。

過去に関する意識:食生活がよくないと必要な栄養が不足?

過去10年間の食生活の自己評価がよい人と、よくない人の栄養の摂取状況をここでは、ビタミン・カルシウム・たんぱく質について比べてみました。
過去10年間の自分の食生活の自己評価別に栄養の摂取状況をみると、好ましい食生活を送った人より、好ましくない食生活を送った人の方が、「栄養素が足りなかった」と思っていました。

現在に関する意識:若い女性ほど、健康に関する不安を多く抱えています

若い女性は年齢の高い女性より自分の健康について気になっていることが多いことがわかります。
若い女性は多くの情報により、自分の疲れや体調について過剰なほどに気にするのに比べ、年齢が高いと、自分で何が不調か、どこが悪いかをわかっているたか、若い頃と比べれば症状が出ているにもかかわらず、「気になる」ということが少なくなるのではないかと考えられます。

未来に関する意識:世代によって女性たちの10年後の不安はさまざまです

10年後、「とても不安」と感じることの上位3位は「体型の崩れ」「肌荒れ・肌のつやがなくなる」「老化が早まる」という不安です。
年齢別に見ると全体に若い世代が将来の健康状態に不安を持つ傾向があります。肌のつやが明らかに衰えている50代に不安が少なく、20代の7割が不安を抱くなど、20代、30代は、今の状態より衰えることに不安を感じているようです。40代は「更年期障害」に不安を感じ、50代は記憶力、腰痛、骨折など、「高齢者」の仲間入りを意識した不安要素が増加しています。

食生活への反省や健康になりたいという「思い」を、生活の中でどう実践につなげることができるのか。
今後の生活習慣改善の動機づけのヒント

若い女性は、基本的な身体づくり(=食事・睡眠・運動)ができていないことで基本的な代謝機能が低下し、低体重・低血圧・低血糖・低体温などに陥っています。
⇒中高年男性は数値が高いことが問題になりますが、現代の若い女性たちには「数値が低いこと」に危機感を持つ必要があります。

断片的栄養知識から、実体のない不安感が蔓延。健康になりたい「思い」が「実践」につながっていません。
⇒単に栄養知識だけだとサプリメントを摂れば大丈夫になってしまいます。
必要な栄養は実際に何を食べて摂るかという、食材の知識と繋げ、実生活でどのメニューを選ぶかまで繋げ、実践に導きましょう。

本人が納得してくれなければ、行動には結びつきません。
⇒生活習慣を変えるには、その人が納得するストーリーが必要です。
・過去に不安があった世代は、将来にも不安感を持ちやすいといえます。ハードな働き方を要求される傾向にある働く若い世代には、健康・栄養問題を個人の自己責任にのみ求めずに、職場や社会の環境づくりとともにサポートしていくという生活習慣づくりが必要です。
・一方、美を重視し、自分は幸福でなければならないと考えている40代や、健康になることに精神的に前向きな50代以降には、不安感を聞くより、どんな楽しいことを考えているかを聞くことも良いでしょう。
生活習慣づくりには、美容が好きな人、運動が好きな人、家庭菜園が好きな人など・・その人に合った生活習慣モデルづくりが必要です。

ニュートリション運動推進会議メンバーによる検討会(2009月6月開催)よりまとめ

専門家からのアドバイス

調査結果を受けて
調査結果は、現代女性が必要な栄養素の不足や偏った食習慣に陥っていることを自ら自覚しており、健康不安を抱えていることを示しています。特に若い世代ほど、食生活が好ましくなかったことを自覚しているのが特徴的です。

こういった好ましくない食生活に対して、自分なりに後ろめたさがあるのかもしれませんが、実際にそれに対して何か対策を実行してきたかというと、ほとんどしてこなかったという気がします。結局、日常生活の中で子どもたちが育ってきた過程で優先順位が何だったのか、食べることや栄養の優先順位は低かったのではないかと考えます。

改善すべき点
私は、厚労省時代、食育に携わっていましたが、栄養素は何をどれだけ摂るかといった知識だけでなく、その栄養素を何を食べて摂るかという知識をインプットし、それを生活の中でどう実践していくかを教えることが必要だと考えています。
健康づくり運動というのも30年前ぐらいからやっていますが、「健康になりたい」という意識は非常に高いのですが、現在のメタボ対策にしても血糖値やコレステロールの数値が悪い人が増えています。

少しでも健康になりたいという「思い」と、個々にどうすれば健康になっていくかという「実践」がつながっていないのです。
私の大学でも3年くらい前から、痩せすぎと肥りすぎのタイプと学生が二極化してきています。
食事はどう摂りましょうとか、歩きましょうとか一からアドバイスしていますが、実践につながっているか疑問です。この方たちは、一番結婚、出産年齢に近い人たちです。

美容やダイエットに気をとられがちな難しい年齢でもありますが、次の世代を生み育てるという、更に先の視点から自分の健康づくりを考え、実践することが大切だと思います。

アドバイスは・・・ 古畑 公(ふるはた ただし) ニュートリション運動推進会議賛同人

和洋女子大学家政学部健康栄養学科教授(公衆栄養学)、農学士、管理栄養士 
1975年 東京農業大学農学部栄養学科卒業。
2000年 厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室 栄養・食育指導官を経て
2006年 和洋女子大学家政学部健康栄養学科教授

【ニュートリション運動推進会議とは】
NUTRITION(ニュートリション)とは、栄養のこと。一人ひとりに健康維持のために欠かせない食事や栄養の大切さを考えていただき、ご自身をサポートしてくれる専門家や自分に合った方法を見つけてほしい。
そんな思いから、2001年の米国でのニュートリション・ウィークに続いて、2003年10月、日本でもニュートリション・ウィークをスタートしました。ニュートリション・ウィークは、毎年10月1日から7日までの1週間ですが、ニュートリション運動推進会議では通年を通して、味わうことや食文化の大切さなど食と栄養に関する様々な情報を発信しています。
約50名の専門家を賛同人とします。
http://www.ellesnet.co.jp/nutrition/


【本件に関するお問い合わせ先】
※データのお貸し出しに関するお問い合わせもこちらへお願いいたします。
WGPR(ダブリュー・エンド・ジー・パブリックリレーションズ株式会社)
150-0001東京都渋谷区神宮前4-18-6 イスルギビル3F TEL:03-5775-9681 FAX:03-5775-9682
担当:中川原(ナカガワラ)・笹口(ササグチ)


《関連URL》
http://www.ellesnet.co.jp/nutrition/

企業情報

企業名 ニュートリション運動会議
代表者名 中村和代
業種 未選択

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