使用済みPETボトルを利用した耐熱・耐久PET食器製造の山征工業が「さいたま市ニュービジネス大賞」の09年度最優秀賞を受賞

回収されたペットボトルを再利用して耐熱・耐久性に優れたPET食器を製造する技術を開発した山征工業は「さいたま市ニュービジネス大賞」の09年度最優秀賞を受賞した。当社のこの開発は、社長片山の発想の転換がきっかけになっている。

 「さいたま市ニュービジネス大賞」の09年度最優秀賞に、さいた
ま市岩槻区岩槻のプラスチック容器製造業、山征工業有限会社の
片山征史(58)が考案した『ペットボトルをリサイクルした
耐熱食器の製造』が選ばれた。

 山征工業は昭和62年6月にさいたま市岩槻区で創業。食品容器、洗剤
キャップ、医薬品容器、OA機器部品などのプラスチック容器の製造を
行っている。

 同社では、平成10年(1998年)頃から芳香剤の容器をPET樹脂で製造
している。当時、PET樹脂の成形は技術的に難しく、均一に透明になら
ずにところどころ結晶化し、白濁することがあった。同社は、不良品
となるこの結晶化の撲滅に取り組む一方で発想を転換。容器全面を
結晶化できれば、PET樹脂の新たな特性を引き出せるのではないか
と考えた。

 同社は研究を進め、PET樹脂が白くなる結晶化技術を応用して、
従来のペットボトルの弱点であった耐熱性が低いという課題を解決。
耐熱200℃のPET容器の開発に成功した。また、結晶化によって
衝撃や傷にも強くなるなど、従来にはなかった付加価値を持った
PET容器の開発に成功した。

 さらに研究を進めた結果、この結晶化PET容器の原材料に、回収
された使用済みPETボトルをリサイクルしたペレットを用いること
に成功。そのため、同社が開発した技術は、PETボトルの新たなリ
サイクル方法としても注目されるようになっている。これらの技術を
活用し、現在では「熱に強いリサイクルペット100%の食器」として
マグカップ、どんぶり、湯飲みを商品化、ECOMATE(エコメイト)の
ブランド名で、販売を始めた。

 さらに、同社ではインキをPET樹脂に浸透させて文字や絵柄を
印刷する浸透印刷という特殊な印刷技術の開発にも成功。多くのPET
容器に施された印刷は、PET容器の表面に印字をしているために、
使用中にはがれおちることが多い。一方当社の開発した印刷技術では、
インキがPET樹脂に浸透するため、印字がコーティングされ、表面
を強くこすっても印刷が落ちることはない。

 この印刷技術の開発も、社長片山の発想の転換がきっかけになって
いる。PET樹脂容器に入れたカレーをレンジで温め直したところ、
容器にカレーの黄色の色素が染みこんでしまった。通常は、色素が浸透
しないPET樹脂を研究するところであるが、同社では、PET樹脂に
熱などの条件を加えることで、色素を浸透させる印刷が可能ではないか
という仮説に基づき、技術開発に取り組んだ。

 なお、同社はこれらの技術を平成14年に「100%リサイクルPET結晶化
樹脂の製造方法」として特許出願し、平成19年に登録されている。
このリサイクルPET技術と、浸透印刷技術を組み合わせれば、リサイ
クルPETマグカップに使用者自身が自由に絵を描き、自分だけのオリ
ジナルPET食器を製造することも可能となる。同社は、この技術を
活用して、学校給食、介護施設、環境意識の高い企業の社員食堂分野
での販路拡大に今後取り組んでいく。


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【本件に関するお問い合わせ】
■会社名 山征工業有限会社
■担当者 片山征史(かたやままさし)
■TEL 048-756-6122
■FAX 048-757-2674
■URL http://www.yamasei.ecnet.jp/
■Email yamasei2652@cyber.ocn.ne.jp
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企業情報

企業名 山征工業有限会社
代表者名 片山征史
業種 その他製造業

コラム

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