国際的な民間団体ICOMP, GoogleとYahoo! Japanの提携について10項目の質問を公開
ICOMPは、GoogleとYahoo! Japanが2010年7月27日1に発表した提携について、GoogleとYahoo! Japanに対し公開質問を行います。
健全なオンライン環境の発展のための活動を行う国際的な民間団体であるInitiative for a Competitive Online Marketplace (ICOMP 本部:英国)は、GoogleとYahoo! Japanが2010年7月27日*1に発表した、Yahoo! Japanが検索エンジンと広告プラットフォームをGoogleのものに切り換えるという提携について、GoogleとYahoo! Japanに対し公開質問を行います。
世界第2の広告市場である日本での検索サービスの90%以上*2が統合されることになる今回の提携の性格や実際に機能する仕組みなどについては、未だ公に明らかになっていない事項が多くあります。GoogleとYahoo! Japanからのさらなる情報開示を期待します。
ICOMPは、この提携が日本の検索エンジン、広告出稿企業、およびオンラインの広告収入に依存する出版社に与える影響について懸念しています。創造力と透明性に富む健全なオンライン市場を実現するにあたっては、従来型の経済と同様、競争が一定の役割を果たしているとICOMPは強く確信しています。
ICOMPは、GoogleとYahoo! Japanに対して以下に示す10項目を公開質問します。
1.日本の検索エンジンと検索連動型広告配信システム主要二社が結果的に一つになる今回の提携によって、競争またイノベーションが促進されることがありえるのでしょうか?GoogleとYahoo! Japanは日本の公正取引委員会に対して、今回の提携が競争とイノベーションに及ぼす影響をどのように説明しているのでしょうか?
2.Googleが繰り返し行っている主張は、今回の提携によって何を「行わないか」に関するものです。この提携は、どのように両社の効率性を上げるのか、日本の検索エンジンと検索連動型広告配信システムのインフラがふたつから結果的に一つになり、検索サービスのシェアの約90%を占めることとなる状況で、日本市場での競争は維持されるということはありえるでしょうか?
3.この提携は具体的にはどのように進んで行くのでしょうか。Google はYahoo! Japanにどのようなサービスを提供し、対価はどのように支払われるのでしょうか?今回の提携の財務面の条件は、両社の互いに競争しようというインセンティブにどのような影響を及ぼすでしょうか?
4.GoogleとYahoo! Japanが日本の検索クエリーのほとんど全てを占めているところ、今回の提携が市場への参入障壁に与える影響はどのようなものでしょうか?つまり、日本に存在する他の検索エンジンが関連性のある検索結果を返すために必要となる量の検索クエリーを確保できるということはありえるでしょうか?Yahoo! Japanが独自のキーワード・オークションを維持するとして、GoogleとYahoo! Japanのオークションには共通の部分はないのでしょうか?例えば、Yahoo! Japanは、Googleのクエリー・スコアや最低入札価格を利用しないのでしょうか?
5.Google は、公正取引委員会に、両社の検索連動型広告の水面下のインフラがひとつになるということを説明したのでしょうか?その結果、両社の広告オークションは価格、方針、質、サービスが同じものになるということをGoogle は、公正取引委員会に説明したのでしょうか?これが日本のプラットフォームに関する競争の終焉と広告主にとっての新の選択肢がなくなるということを説明したのでしょうか?Google は、公正取引委員会に、今回の提携が日本の広告主にとって広告費が上昇するという結果を招かないということについて何らかの保証をしたのでしょうか?
6.Googleは今回のYahoo! Japanとの提携のような競合企業間の提携は珍しいことではないと主張し、トヨタからフォードへのハイブリッドエンジンの販売を例に挙げています。*3 しかし自動車産業は非常に細分化され、競争の激しい市場である一方、GoogleとYahoo! Japanは日本の検索と検索広告市場において圧倒的な優位性を持つ検索企業です。この事実は独禁法の分析にどのように影響すると考えるべきでしょうか?
7.Yahoo! Japanは、単なる付随的な技術のみならず、Yahoo! Japanのビジネス・モデルにとって根幹であり収益の源泉である技術をGoogleに依存することになります。こうした状況の中でもYahoo! JapanがGoogleと自由に競争できるということがはたして説得力があるでしょうか?
8.Googleは、2008年に米国のケースで司法省に3.5か月以上にわたってその影響を調査することに自ら同意しました。*4 日本の規制当局に対しても同じような同意をするのでしょうか?
9.Yahoo! Japanは、検索と検索連動型広告関連の技術への投資についてどのような計画を持っていますか?あるいはこの市場から完全に撤退するのでしょうか?
10.検索はグローバルなビジネスであることを踏まえれば、日本での今回の提携が日本以外の検索と検索連動型広告市場の競争に影響を及ぼすのではないでしょうか?
注)
*1 2010年7月27日付「Yahoo! JAPAN selects Google as a provider of search engine and ads platform. Yahoo! JAPAN also provides data to Google,」を参照。
*2 2010年7月27日付Financial Times、「Google to Power Yahoo! Japan web search」Yim Bradshaw、Joseph Menn、およびJonathan Soble記者を参照。
*3 2010年7月27日付All Things Digital誌「Google Says Pending Search Dominance In Japan Has Not Riled Regulators. But Maybe It Should.」Kara Swisher記者を参照。
*4 2008年6月12日付「Google Announces Non-Exclusive Advertising Services Agreement with Yahoo! In U.S. and Canada」を参照。
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Initiative for a Competitive Online Marketplace (ICOMP)について:
ICOMPは、Eコマースに携わる組織や事業体、特にコンテンツ提供者、広告主、インターネットサービスおよびネットワークプロバイダ、オンライ ン広告代理店のための業界団体で、2008年に設立され、本部を英国においています。ICOMPは、カンファレンスや報道関係者向けの説明会を主催し、政策動向をまとめ、消費者調査を実施します。また透 明で、健全な競争環境を有し、プライバシーに配慮した安全なオンライン市場を育成するために、様々な活動を行なっています。
ICOMPは、健全なオンライン環境の発展のために、幅広い活動を行なっています。健全な競争、透明性、データの機密性、 知的財産権の尊重を推進し、創造、革新、安全、信頼を推進するベストプラクティスを普及させることを目的としています。ICOMPは、法令を順守し、イン ターネットの持続的成長を目指します。
ICOMPでは 次のような活動を行います。
・関係者と政策決定者に向けたオンライン市場動向と競争原理の適用に関する情報提供および教育活動
・個人情報保護法の順守およびオンライン利用者のプライバシー保護のための啓蒙活動
・インターネットを通じたベストプラクティスの収集と推進
詳しくはウェブサイトをご覧ください。 http://www.i-comp.org/
本リリースに関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
プラップジャパン ファイナンシャルコミュニケーション部
担当: 松岡/笹尾/木村/蔵持/仲野/上野
電話:03-3486-2931 Fax:03-3486-6531
世界第2の広告市場である日本での検索サービスの90%以上*2が統合されることになる今回の提携の性格や実際に機能する仕組みなどについては、未だ公に明らかになっていない事項が多くあります。GoogleとYahoo! Japanからのさらなる情報開示を期待します。
ICOMPは、この提携が日本の検索エンジン、広告出稿企業、およびオンラインの広告収入に依存する出版社に与える影響について懸念しています。創造力と透明性に富む健全なオンライン市場を実現するにあたっては、従来型の経済と同様、競争が一定の役割を果たしているとICOMPは強く確信しています。
ICOMPは、GoogleとYahoo! Japanに対して以下に示す10項目を公開質問します。
1.日本の検索エンジンと検索連動型広告配信システム主要二社が結果的に一つになる今回の提携によって、競争またイノベーションが促進されることがありえるのでしょうか?GoogleとYahoo! Japanは日本の公正取引委員会に対して、今回の提携が競争とイノベーションに及ぼす影響をどのように説明しているのでしょうか?
2.Googleが繰り返し行っている主張は、今回の提携によって何を「行わないか」に関するものです。この提携は、どのように両社の効率性を上げるのか、日本の検索エンジンと検索連動型広告配信システムのインフラがふたつから結果的に一つになり、検索サービスのシェアの約90%を占めることとなる状況で、日本市場での競争は維持されるということはありえるでしょうか?
3.この提携は具体的にはどのように進んで行くのでしょうか。Google はYahoo! Japanにどのようなサービスを提供し、対価はどのように支払われるのでしょうか?今回の提携の財務面の条件は、両社の互いに競争しようというインセンティブにどのような影響を及ぼすでしょうか?
4.GoogleとYahoo! Japanが日本の検索クエリーのほとんど全てを占めているところ、今回の提携が市場への参入障壁に与える影響はどのようなものでしょうか?つまり、日本に存在する他の検索エンジンが関連性のある検索結果を返すために必要となる量の検索クエリーを確保できるということはありえるでしょうか?Yahoo! Japanが独自のキーワード・オークションを維持するとして、GoogleとYahoo! Japanのオークションには共通の部分はないのでしょうか?例えば、Yahoo! Japanは、Googleのクエリー・スコアや最低入札価格を利用しないのでしょうか?
5.Google は、公正取引委員会に、両社の検索連動型広告の水面下のインフラがひとつになるということを説明したのでしょうか?その結果、両社の広告オークションは価格、方針、質、サービスが同じものになるということをGoogle は、公正取引委員会に説明したのでしょうか?これが日本のプラットフォームに関する競争の終焉と広告主にとっての新の選択肢がなくなるということを説明したのでしょうか?Google は、公正取引委員会に、今回の提携が日本の広告主にとって広告費が上昇するという結果を招かないということについて何らかの保証をしたのでしょうか?
6.Googleは今回のYahoo! Japanとの提携のような競合企業間の提携は珍しいことではないと主張し、トヨタからフォードへのハイブリッドエンジンの販売を例に挙げています。*3 しかし自動車産業は非常に細分化され、競争の激しい市場である一方、GoogleとYahoo! Japanは日本の検索と検索広告市場において圧倒的な優位性を持つ検索企業です。この事実は独禁法の分析にどのように影響すると考えるべきでしょうか?
7.Yahoo! Japanは、単なる付随的な技術のみならず、Yahoo! Japanのビジネス・モデルにとって根幹であり収益の源泉である技術をGoogleに依存することになります。こうした状況の中でもYahoo! JapanがGoogleと自由に競争できるということがはたして説得力があるでしょうか?
8.Googleは、2008年に米国のケースで司法省に3.5か月以上にわたってその影響を調査することに自ら同意しました。*4 日本の規制当局に対しても同じような同意をするのでしょうか?
9.Yahoo! Japanは、検索と検索連動型広告関連の技術への投資についてどのような計画を持っていますか?あるいはこの市場から完全に撤退するのでしょうか?
10.検索はグローバルなビジネスであることを踏まえれば、日本での今回の提携が日本以外の検索と検索連動型広告市場の競争に影響を及ぼすのではないでしょうか?
注)
*1 2010年7月27日付「Yahoo! JAPAN selects Google as a provider of search engine and ads platform. Yahoo! JAPAN also provides data to Google,」を参照。
*2 2010年7月27日付Financial Times、「Google to Power Yahoo! Japan web search」Yim Bradshaw、Joseph Menn、およびJonathan Soble記者を参照。
*3 2010年7月27日付All Things Digital誌「Google Says Pending Search Dominance In Japan Has Not Riled Regulators. But Maybe It Should.」Kara Swisher記者を参照。
*4 2008年6月12日付「Google Announces Non-Exclusive Advertising Services Agreement with Yahoo! In U.S. and Canada」を参照。
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Initiative for a Competitive Online Marketplace (ICOMP)について:
ICOMPは、Eコマースに携わる組織や事業体、特にコンテンツ提供者、広告主、インターネットサービスおよびネットワークプロバイダ、オンライ ン広告代理店のための業界団体で、2008年に設立され、本部を英国においています。ICOMPは、カンファレンスや報道関係者向けの説明会を主催し、政策動向をまとめ、消費者調査を実施します。また透 明で、健全な競争環境を有し、プライバシーに配慮した安全なオンライン市場を育成するために、様々な活動を行なっています。
ICOMPは、健全なオンライン環境の発展のために、幅広い活動を行なっています。健全な競争、透明性、データの機密性、 知的財産権の尊重を推進し、創造、革新、安全、信頼を推進するベストプラクティスを普及させることを目的としています。ICOMPは、法令を順守し、イン ターネットの持続的成長を目指します。
ICOMPでは 次のような活動を行います。
・関係者と政策決定者に向けたオンライン市場動向と競争原理の適用に関する情報提供および教育活動
・個人情報保護法の順守およびオンライン利用者のプライバシー保護のための啓蒙活動
・インターネットを通じたベストプラクティスの収集と推進
詳しくはウェブサイトをご覧ください。 http://www.i-comp.org/
本リリースに関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
プラップジャパン ファイナンシャルコミュニケーション部
担当: 松岡/笹尾/木村/蔵持/仲野/上野
電話:03-3486-2931 Fax:03-3486-6531
企業情報
企業名 | ICOMP |
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代表者名 | Lord Alan Watson |
業種 | 未選択 |