マーサー 『2011年 世界生計費調査‐都市ランキング』を発表
・海外駐在員にとって最も物価が高い都市は、ルアンダ(アンゴラ)、最も低い都市はカラチ(パキスタン) ・アジア、ヨーロッパ、アフリカの都市が上位を占める ・東京、大阪がトップ10に、名古屋も11位にランクイン
グローバル、東京 2011年7月12日
組織・人事コンサルティング会社、マーサーの日本法人であるマーサー ジャパン株式会社は、「2011年世界生計費調査」の結果を発表した。
調査によると、アンゴラのルアンダが昨年に引き続き海外駐在員にとって最も物価が高い都市であるという結果となり、東京は2位、ンジャメナ(チャド)が3位にランクインした。以下、4位にモスクワ、5位にジュネーブ、6位に大阪、7位には昨年から順位をひとつ上げたチューリッヒが続いている。香港は9位に順位を下げている。
昨年は上位10位に入っていなかった都市のうち、シンガポールが11位から8位に、サンパウロも順位を11上げて10位にランクインした。一方で、214位のカラチは世界で最も物価が低い都市となり、1位のルアンダは最下位のカラチと比べてコストが3倍以上かかるとの調査結果が出ている。
自然災害や政治的混乱を含む世界各地の情勢により生じる為替変動、物品やサービスの価格変動、住居費の変動等が、生計費調査の都市ランキングに大きく影響している。
世界生計費調査は、5大陸214都市において住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽費用などを含む200品目以上の価格を調査し、それぞれを比較している。この調査は、世界で最も包括的な生計費調査であり、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬・手当を設定する際に利用されている。基軸通貨を米ドルとして、ベース都市であるニューヨークの指数を100とし、調査対象都市との比較をしている。海外駐在員を派遣する際に最も高い費用となる住居費が、都市の順位を左右する重要な要因となっている。
マーサーのプリンシパルであり、アジアパシフィックのグローバルモビリティー関連業務の責任者であるフィル・スタンレーは、次のように述べている。「多国籍企業は、海外間を異動する人材の競争優位性については詳しく理解していますが、駐在員コストと人材に求めるニーズとのバランスが永遠の課題となっています。為替変動、物価変動、住居費、所得税率、子女教育費用等はすべて海外駐在員の生計費を左右する要因です。企業は、コスト抑制のためだけではなく有能な人材の流出を抑えるためにも、生計費の変動要因を十分に理解し、適切な報酬パッケージを提供することが重要です。」
「今回の生計費調査実施時期には、為替変動とガソリンをはじめとする物価上昇が顕著であり、都市ランキングの順序にも影響を与えました。ヨーロッパの都市の生計費は比較的安定しているのに対して、アフリカは地域により様々で、一部の都市では住宅の戸数不足による生計費の上昇が見られます。」
「北米では、ガソリン価格の上昇に伴い物価が上昇していますが、他地域でのインフレ率が北米のそれを上回るため、多くの米国都市は生計費ランキングの順位が前回から下がっています。一方、オーストラリアドルの対米ドル価値の上昇により、オーストラリアの都市が順位を上げる結果となりました。」
【地域別分析】
アジア・太平洋
過去1年間で、アジアの主要通貨は米ドルに対して高く推移していたが、特にシンガポールドルとオーストラリアドルは、対米ドルのみならずユーロや英ポンドに対しても価値が上昇した。派遣期間が決まっており、派遣元の給与制度に基づき通貨の保護に関する条件が設けられているか、期間の定めがない派遣形態のため給与制度はローカルにより近く、通貨の保護に関する条件がないかによって、これらの国に派遣されている駐在員への影響は異なる。一方、企業への影響としては、特に米ドルで財務報告をする場合、これらの地域への派遣に伴うコストが増加することである。
オーストラリアの都市は、オーストラリアドルが米ドルに対して14%ほど上昇したことを受けて、順位を大きく上げる結果となった。そのため、シドニーは、物価および住居費は比較的安定していたものの、前回から順位を10上げて14位になり、メルボルンも33位から21位、パースも順位を30上げて30位にランクインしている。
アジアで最も物価が高い都市は2位の東京で、続く6位には大阪、8位には通貨の対米ドル価値の上昇と住居費の高騰によりトップ10入りをしたシンガポールがランクインしている。9位の香港は、自国通貨香港ドルが米ドルに連動しているため価値が下がり、住居費が上昇したにも関わらず昨年の8位から順位を一つ落としている。名古屋(11位)は順位を8つ上げた一方で、ソウル(19位)は5つ下げている。その他、比較的上位にランクされた主なアジア都市は、北京(20位)、上海(21位)、広州(38位)、深セン(43位)、台北(52位)となっている。
ニューデリー(85位)はインドで最も物価が高い都市となっており、ムンバイ(95位)とバンガロール(180位)がそれに続いている。その他のアジア主要都市は、ジャカルタが69位、ハノイが136位、バンコクが88位、クアラルンプールが104位となっている。そして、214位のカラチがアジア・太平洋地域で最も物価が低い都市という結果になった。
ヨーロッパ・中東・アフリカ
ヨーロッパ都市の中で上位10位にランクされたのは3都市のみであった。モスクワ(4位)が前回に引き続きヨーロッパで最も物価が高い都市となり、ジュネーブ(5位)、チューリッヒ(7位)がそれに続く。オスロ(15位)は昨年から順位を4つ下げており、ベルン(16位)は6つランクを上げた。また、コペンハーゲンは昨年の10位から17位へと順位を下げる結果となった。ロンドン(18位)の後にはミラノ(25位)とパリ(27位)が続いており、昨年から順位をそれぞれ10下げている。さらに、サンクトペテルブルグ(29位)、ローマ(34位)、ウィーン(36位)と続く。昨年調査では76位であったストックホルムは、現地通貨の対米ドル価値の上昇により今回は39位となり、ヨーロッパ地域で最も順位を上げた都市となった。
マーサーのシニアリサーチャーであり、都市ランキング作成の責任者であるナタリー・コンスタンティン‐メトラルは、次のように述べている。「西欧の多くの都市において、過去1年間の駐在員の生計費は比較的安定していますが、生計費ランキングの順位は下がっています。これは、すべての調査対象都市がニューヨークとの比較となっており、ニューヨークでの価格上昇が多くのヨーロッパ都市を上回っていたからです。また、アテネとバルセロナは、不景気による住居費の低下を受けて順位を下げています。」
テルアビブは24位で、昨年から5つ順位を下げているが、中東地域では前回に引き続き最も生計費が高い都市となった。アブダビ(67位)、ドバイ(81位)、アンマン(103位)は、昨年から順位をそれぞれ17、26、20下げている。「中東では、住居費の低下が続いており、ランキングの順位低下と駐在員の生計費そのものの低下に繋がっています。特にドバイでは、賃貸住宅の供給数が大幅に増加しており、住居費が大幅に値下がりしています。」と、コンスタンティン‐メトラルは述べる。
ルアンダ(1位)は、昨年に引き続き駐在員にとってアフリカ地域および世界で最も物価が高い都市という結果となった。3位にはンジャメナがランクインしており、リーブルヴィル(12位)は昨年から5つ順位を落としている。ニジェールのニアメは昨年同様23位であった一方で、セーシェルのビクトリアは現地通貨が米ドルに対して価値を下げたことにより順位を12下げて25位となった。南アフリカのヨハネスブルグ(131位)とケープタウン(158位)は、現地通貨南アフリカ・ランドの対米ドル価値の上昇に伴い、それぞれ順位を20、13上げている。アフリカ地域で物価が低い都市はチュニス(207位)とアディスアベバ(211位)であった。
コンスタンティン‐メトラルは、「アフリカ都市では、良質で安全な駐在員向け住宅を見つけることは非常に難しく、他地域と比較して住居費が著しく高い場合があります。現在、ルアンダなど一部の都市では住居費が過去最高額に達しており、これが今回のランキングでアフリカ都市の多くが上位にランクインしている最大の要因となっています。」と述べている。
南北アメリカ
サンパウロ(10位)とリオデジャネイロ(12位)は、昨年から順位をそれぞれ11、17上げており、南北アメリカで駐在員にとって最も物価が高い二都市という結果になった。ブラジリア(33位)も昨年の結果から順位を37上げて、南アメリカで3番目に物価が高い都市となった。また、高インフレにより、ベネズエラのカラカスも昨年の100位から51位まで順位を上げている。一方で、南アメリカで最も物価が低い都市はニカラグアのマナグア(213位)で、ボリビアのラパス(212位)がそれに続く。
※以下、省略: 本プレスリリース全文(ランキング表含む)
http://www.mercer.co.jp/referencecontent.htm?idContent=1420480
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組織・人事コンサルティング会社、マーサーの日本法人であるマーサー ジャパン株式会社は、「2011年世界生計費調査」の結果を発表した。
調査によると、アンゴラのルアンダが昨年に引き続き海外駐在員にとって最も物価が高い都市であるという結果となり、東京は2位、ンジャメナ(チャド)が3位にランクインした。以下、4位にモスクワ、5位にジュネーブ、6位に大阪、7位には昨年から順位をひとつ上げたチューリッヒが続いている。香港は9位に順位を下げている。
昨年は上位10位に入っていなかった都市のうち、シンガポールが11位から8位に、サンパウロも順位を11上げて10位にランクインした。一方で、214位のカラチは世界で最も物価が低い都市となり、1位のルアンダは最下位のカラチと比べてコストが3倍以上かかるとの調査結果が出ている。
自然災害や政治的混乱を含む世界各地の情勢により生じる為替変動、物品やサービスの価格変動、住居費の変動等が、生計費調査の都市ランキングに大きく影響している。
世界生計費調査は、5大陸214都市において住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽費用などを含む200品目以上の価格を調査し、それぞれを比較している。この調査は、世界で最も包括的な生計費調査であり、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬・手当を設定する際に利用されている。基軸通貨を米ドルとして、ベース都市であるニューヨークの指数を100とし、調査対象都市との比較をしている。海外駐在員を派遣する際に最も高い費用となる住居費が、都市の順位を左右する重要な要因となっている。
マーサーのプリンシパルであり、アジアパシフィックのグローバルモビリティー関連業務の責任者であるフィル・スタンレーは、次のように述べている。「多国籍企業は、海外間を異動する人材の競争優位性については詳しく理解していますが、駐在員コストと人材に求めるニーズとのバランスが永遠の課題となっています。為替変動、物価変動、住居費、所得税率、子女教育費用等はすべて海外駐在員の生計費を左右する要因です。企業は、コスト抑制のためだけではなく有能な人材の流出を抑えるためにも、生計費の変動要因を十分に理解し、適切な報酬パッケージを提供することが重要です。」
「今回の生計費調査実施時期には、為替変動とガソリンをはじめとする物価上昇が顕著であり、都市ランキングの順序にも影響を与えました。ヨーロッパの都市の生計費は比較的安定しているのに対して、アフリカは地域により様々で、一部の都市では住宅の戸数不足による生計費の上昇が見られます。」
「北米では、ガソリン価格の上昇に伴い物価が上昇していますが、他地域でのインフレ率が北米のそれを上回るため、多くの米国都市は生計費ランキングの順位が前回から下がっています。一方、オーストラリアドルの対米ドル価値の上昇により、オーストラリアの都市が順位を上げる結果となりました。」
【地域別分析】
アジア・太平洋
過去1年間で、アジアの主要通貨は米ドルに対して高く推移していたが、特にシンガポールドルとオーストラリアドルは、対米ドルのみならずユーロや英ポンドに対しても価値が上昇した。派遣期間が決まっており、派遣元の給与制度に基づき通貨の保護に関する条件が設けられているか、期間の定めがない派遣形態のため給与制度はローカルにより近く、通貨の保護に関する条件がないかによって、これらの国に派遣されている駐在員への影響は異なる。一方、企業への影響としては、特に米ドルで財務報告をする場合、これらの地域への派遣に伴うコストが増加することである。
オーストラリアの都市は、オーストラリアドルが米ドルに対して14%ほど上昇したことを受けて、順位を大きく上げる結果となった。そのため、シドニーは、物価および住居費は比較的安定していたものの、前回から順位を10上げて14位になり、メルボルンも33位から21位、パースも順位を30上げて30位にランクインしている。
アジアで最も物価が高い都市は2位の東京で、続く6位には大阪、8位には通貨の対米ドル価値の上昇と住居費の高騰によりトップ10入りをしたシンガポールがランクインしている。9位の香港は、自国通貨香港ドルが米ドルに連動しているため価値が下がり、住居費が上昇したにも関わらず昨年の8位から順位を一つ落としている。名古屋(11位)は順位を8つ上げた一方で、ソウル(19位)は5つ下げている。その他、比較的上位にランクされた主なアジア都市は、北京(20位)、上海(21位)、広州(38位)、深セン(43位)、台北(52位)となっている。
ニューデリー(85位)はインドで最も物価が高い都市となっており、ムンバイ(95位)とバンガロール(180位)がそれに続いている。その他のアジア主要都市は、ジャカルタが69位、ハノイが136位、バンコクが88位、クアラルンプールが104位となっている。そして、214位のカラチがアジア・太平洋地域で最も物価が低い都市という結果になった。
ヨーロッパ・中東・アフリカ
ヨーロッパ都市の中で上位10位にランクされたのは3都市のみであった。モスクワ(4位)が前回に引き続きヨーロッパで最も物価が高い都市となり、ジュネーブ(5位)、チューリッヒ(7位)がそれに続く。オスロ(15位)は昨年から順位を4つ下げており、ベルン(16位)は6つランクを上げた。また、コペンハーゲンは昨年の10位から17位へと順位を下げる結果となった。ロンドン(18位)の後にはミラノ(25位)とパリ(27位)が続いており、昨年から順位をそれぞれ10下げている。さらに、サンクトペテルブルグ(29位)、ローマ(34位)、ウィーン(36位)と続く。昨年調査では76位であったストックホルムは、現地通貨の対米ドル価値の上昇により今回は39位となり、ヨーロッパ地域で最も順位を上げた都市となった。
マーサーのシニアリサーチャーであり、都市ランキング作成の責任者であるナタリー・コンスタンティン‐メトラルは、次のように述べている。「西欧の多くの都市において、過去1年間の駐在員の生計費は比較的安定していますが、生計費ランキングの順位は下がっています。これは、すべての調査対象都市がニューヨークとの比較となっており、ニューヨークでの価格上昇が多くのヨーロッパ都市を上回っていたからです。また、アテネとバルセロナは、不景気による住居費の低下を受けて順位を下げています。」
テルアビブは24位で、昨年から5つ順位を下げているが、中東地域では前回に引き続き最も生計費が高い都市となった。アブダビ(67位)、ドバイ(81位)、アンマン(103位)は、昨年から順位をそれぞれ17、26、20下げている。「中東では、住居費の低下が続いており、ランキングの順位低下と駐在員の生計費そのものの低下に繋がっています。特にドバイでは、賃貸住宅の供給数が大幅に増加しており、住居費が大幅に値下がりしています。」と、コンスタンティン‐メトラルは述べる。
ルアンダ(1位)は、昨年に引き続き駐在員にとってアフリカ地域および世界で最も物価が高い都市という結果となった。3位にはンジャメナがランクインしており、リーブルヴィル(12位)は昨年から5つ順位を落としている。ニジェールのニアメは昨年同様23位であった一方で、セーシェルのビクトリアは現地通貨が米ドルに対して価値を下げたことにより順位を12下げて25位となった。南アフリカのヨハネスブルグ(131位)とケープタウン(158位)は、現地通貨南アフリカ・ランドの対米ドル価値の上昇に伴い、それぞれ順位を20、13上げている。アフリカ地域で物価が低い都市はチュニス(207位)とアディスアベバ(211位)であった。
コンスタンティン‐メトラルは、「アフリカ都市では、良質で安全な駐在員向け住宅を見つけることは非常に難しく、他地域と比較して住居費が著しく高い場合があります。現在、ルアンダなど一部の都市では住居費が過去最高額に達しており、これが今回のランキングでアフリカ都市の多くが上位にランクインしている最大の要因となっています。」と述べている。
南北アメリカ
サンパウロ(10位)とリオデジャネイロ(12位)は、昨年から順位をそれぞれ11、17上げており、南北アメリカで駐在員にとって最も物価が高い二都市という結果になった。ブラジリア(33位)も昨年の結果から順位を37上げて、南アメリカで3番目に物価が高い都市となった。また、高インフレにより、ベネズエラのカラカスも昨年の100位から51位まで順位を上げている。一方で、南アメリカで最も物価が低い都市はニカラグアのマナグア(213位)で、ボリビアのラパス(212位)がそれに続く。
※以下、省略: 本プレスリリース全文(ランキング表含む)
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企業情報
企業名 | マーサージャパン株式会社 |
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代表者名 | 鴨居 達哉 |
業種 | その他サービス |
コラム
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