STRグローバル　2020年東京五輪がホテル市場に好影響を与えることを予測

STRグローバルは、1996年アトランタ五輪以降の全ての夏季五輪開催都市のホテル市場調査を実施しています。2016年のリオデジャネイロ夏季五輪は、当社にとって6回目の調査となります。前回開催された2012年ロンドン五輪では、ロンドン市内423軒73,000室のホテル営業動向を毎日調査しました。開催期間中の客室稼働率および客室平均単価(以下ADR)は、開催前後年とは全く異なる動向を示しました。

五輪開催前年にあたる2011年の客室稼働率は、2年間続いた金融危機からの回復により、市場が大幅に伸長しました。2011年の客室稼働率は期間平均84.4%まで上昇し、五輪期間に期待された高水準で推移しました。2012年の五輪開催期間は、ほぼ毎日85%以上の稼働率を維持しています。最も上昇したのは「スーパーサタデー」と呼ばれる開催7日目の土曜日で、94.4%を記録しました。当日は8万人収容の新オリンピックスタジアムが開場し試合が開催されたほか、英国チームが金メダルを6個獲得する名誉な一日でもありました。開催後年の2013年は客室稼働率が83.0%まで減少しました。これはイスラム教徒のラマダン期間（7月10日～8月9日）による旅行需要停滞に加え、1-8月累計のロンドン市場客室供給増加数が平均+1.0%に対し2013年は+4.5%増加したためであると分析しています。

次にADRについてですが、3ヵ年分のデータを比較すると五輪開催を経て成長してきていることがわかります。五輪開催前年にあたる2011年のADRは期間平均114.06ポンドと、ピークであった2007年水準の最高値を更新するほどの高単価を達成しました。2012年の五輪開催期間は全ての期間において200ポンド以上のADRを記録し、平均211.37ポンドでした。実績値でみると、STRグローバルがロンドンの調査を開始して以来、最も高い値となっています。しかしアテネ・北京五輪では200％以上のADR上昇率を達成しており、ロンドン五輪では達成することはできませんでした。ロンドン市場の8月のADR上昇率は44%に留まりました。五輪開催後年の2013年には好調だった2011年レベルのADRよりさらに伸張し、期間平均122.95ポンドと、実績値を上昇させることに成功しています。

STRグローバルは、2020年東京五輪が単なるスポーツイベントとしてだけでなく、一都市として成長し、成功した大会になることを期待しています。過去の五輪開催都市の動向を見てみると、経済規模やホテル市場の成熟度合いにより全く異なる傾向を示していますが、東京五輪ではさらに発展した調査結果が出ることを期待しています。STRグローバルは現在東京都内で107軒33,709室の加盟ホテルを調査しています。2013年1-7月までの東京ホテル市場は客室稼働率84.6%(+4.3%)、ADR15082.46円(+7.5%)と好調です。また、将来の市場を予測したSTRグローバルの東京フォーキャストレポートによると、年平均成長率（CAGR）は、2015年までの3年間で客室供給数が+2.0%、需要が+1.8%成長すると予測します。

STRグローバルは日本全国のホテル市場動向を毎日調査しています。当社のレポートをご覧になりたい方は、ベンチマークサービス（STARプログラム）にご参画ください。また東京市場の5年分の将来を予測したレポート「フォーキャストレポート」は年4回発行しています（2月、5月、8月、11月）。レポートをご希望の方は　STRグローバル　日本地区担当　石田 mishida@strglobal.comまでお問い合わせください。

STRグローバル（STR Global, Ltd）について
STRグローバルはホスピタリティ業界に従事するあらゆる関係者（ホテルオペレーター、オーナー、デベロッパー、金融機関、マーケットアナリスト、ベンダー、教育機関等）に対し様々なデータを提供しています。北米地区をSTR（Smith Travel Research, Inc.）が、北米以外のヨーロッパ、中東、アジアパシフィック、アフリカ、中南米をSTRグローバルが調査しています。 世界最大のホテルデータベースを保有し、ホテルベンチマークレポート、グローバルホテルレビュー、マーケットフォーキャストレポート、収益性調査、建設計画調査、ホテル年鑑等を発行しています。また、日本語を含む多言語でサービスを展開しています。

参考URL
http://www.strglobal.com?lang=Japanese