全体の8割弱が医薬品の科学的根拠(エビデンス)を重視するも、認知度は4割程度「漢方のエビデンスに関する認知調査2016」
漢方デスク株式会社(代表:葉山 茂一)は、全国の男女を対象に漢方のエビデンスに関する認知調査を行いました。その結果、回答者全体の8割弱が医薬品の科学的根拠(エビデンス)を重視すると回答しているのにも関わらず、実際に服用する漢方薬の薬効や作用メカニズムなどの科学的な根拠の認知は4割程度となり、一般生活者へは十分に認知が行き届いていない状況が明らかになりました。また、服用している漢方薬の科学的根拠(エビデンス)を調べる方法は「インターネット」が最多であり、医師・薬剤師からの直接の説明よりも割合が多くなっています。 今後は漢方薬を正しく服用するために、「症状に合わせた治療法とエビデンス(科学的根拠)の紹介」等、信頼性のある情報サービスの提供が重要になるとともに、一般生活者からも積極的に医師・薬剤師に薬効や作用メカニズムについて相談することが大切であると考えられます。
■漢方薬(医療用漢方製剤)の処方経験が全体の半数以上
最初に「今までに、医療機関を受診して漢方薬(医療用漢方製剤)を処方してもらい、服用したことがありますか?」と聞いたところ、「はい(55%)」に対して「いいえ(45%)」という回答でした。漢方薬の処方経験が全体の半数以上にのぼりました。
■医師や薬剤師から服用する漢方薬についての説明は「服用方法について」が多数
次に、「【漢方を処方された経験があると回答された方に質問です】その際、医師または薬剤師から服用する漢方薬について、どのような説明がありましたか?(複数回答可)」という設問では、「服用方法について(290)」、「安全性や副作用について(110)」、「薬効や作用メカニズムなどの科学的な根拠(エビデンス)について(109)」という回答が続きました。
■医師や薬剤師に薬効や作用メカニズムなどの科学的な根拠について尋ねるのは10%
「【医師または薬剤師からの漢方薬についての説明が服用方法、安全性や副作用、その他と回答された方に質問です】その際、服用する漢方薬の薬効や作用メカニズムなどの科学的な根拠(エビデンス)について、医師または薬剤師に尋ねましたか?」という設問では、「はい(10%)」、「いいえ(90%)」という回答結果になりました。
■服用する漢方薬についての薬効や作用メカニズムなどの科学的な根拠の認知は4割程度
続いて、「【漢方を処方された経験があると回答された方に質問です】服用する漢方薬について、薬効や作用メカニズムなどの科学的根拠(エビデンス)をご存知でしたか?」という設問では、「はい(41%)」に対して、「いいえ(59%)」回答結果になりました。
■医薬品の科学的根拠(エビデンス)を重視するのは全体の8割弱
「治療に対して、医薬品の科学的根拠(エビデンス)を重視する方ですか?」という設問では、「はい(76%)」に対して、「いいえ(24%)」という回答でした。全体の8割弱の人が医薬品の科学的根拠(エビデンス)を重視すると回答しています。
■漢方薬について科学的根拠(エビデンス)が明らかになりつつあることを知っているのは半数弱
次に「近年、漢方薬についても科学的根拠(エビデンス)が明らかになりつつありますが、ご存知でしたか?」という設問では、「はい(49%)」に対して「いいえ(51%)」でした。
■服用している漢方薬の科学的根拠(エビデンス)を調べたことがあるのは3割強
「【漢方を処方された経験があると回答された方に質問です】服用している漢方薬の科学的根拠(エビデンス)を調べたことはありますか?」という設問では、「はい(34%)」に対して「いいえ(66%)」でした。
■服用している漢方薬の科学的根拠(エビデンス)を調べる方法は「インターネット」が最多
次に「【服用している漢方薬の科学的根拠(エビデンス)を調べたことあると回答された方に質問です】それはどのような方法ですか?(複数回答可)」という設問に対しては、「インターネット(167)」が回答のトップで、「医師・薬剤師からの説明(55)」、「雑誌・書籍(44)」という回答が続きました。
■複数の治療法について科学的根拠(エビデンス)を比較したことはあるのはわずか5%
「【服用している漢方薬の科学的根拠(エビデンス)を調べたことあると回答された方に質問です】複数の治療法について科学的根拠(エビデンス)を比較したことはありますか?」と聞いたところ、「はい(5%)」に対して「いいえ(95%)」という回答結果になりました。
■治療法のエビデンス(科学的根拠)に関して欲しいサービスは「症状に合わせた治療法とエビデンス(科学的根拠)の紹介」が最多
「治療法のエビデンス(科学的根拠)に関してあったらいいなと思うサービスは何がありますか?(複数回答可)」という設問に対しては、「症状に合わせた治療法とエビデンス(科学的根拠)の紹介(277)」がトップで、「薬だけではない生活全般のヒント、レコメンド(177)」、「エビデンス(科学的根拠)の基本的な考え方、調べ方の紹介(163)」と回答が続きました。
以上の調査結果について、慶應義塾大学環境情報学部ならびに政策メディア研究科教授・医学部兼担教授の渡辺賢治先生にお話を伺いました。
「今回の調査で、医師・薬剤師の指導と患者さんの要求しているものが多少ずれていることが判明し、大変興味深い結果です。医師・薬剤師は限られた時間の中で、まずは服薬方法、安全性の説明を重視し、薬効や作用メカニズムの説明は二の次になってしまいがちです。一方患者さんとしては薬効や作用メカニズムについても大変に関心の高いことが分かりました。医師・薬剤師に聞かなくても、ご自分でインターネット検索をする、という結果からこの事実が裏付けられています。ご自分で調べてみて疑問が残るようでしたら、積極的に医師・薬剤師に聞いてみてください。
また、漢方の場合、個別化治療が原則ですので、医師が科学的エビデンスを判断材料として治療を選択しても残念ながら経過が思わしくない場合もあります。その場合には患者さんのタイプに合わせて別の漢方薬を選択することができます。服薬開始後の体調の変化を詳細に医師・薬剤師に伝えてください。きっとご自分に合った漢方薬が見つかるはずです。」
調査詳細ページ
https://kampodesk.com/press_releases/27
■漢方デスク「漢方のエビデンスに関する認知調査2016」
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2016年4月11日~2016年4月15日
・地域:全国
・対象者:「漢方デスク」利用者(年齢構成19歳以下2%、20-34歳39%、35-49歳50%、50-64歳7%、65歳以上1%)
・有効回答数:597
■漢方デスクについて
漢方デスクは、漢方医学の考え方に基づいて、それぞれの人に合ったライフスタイル・食事・漢方薬等を提案する漢方・薬膳の総合ポータルサイトです。
■漢方デスク株式会社 会社概要
https://kampodesk.com/corporate
社名:漢方デスク株式会社
設立:2013年10月
所在地:東京都渋谷区
事業内容:インターネットサイト「漢方デスク」の企画・運営、医薬品の販売
代表取締役:葉山 茂一
添付画像・資料
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企業情報
企業名 | 漢方デスク株式会社 |
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代表者名 | 葉山茂一 |
業種 | 医療・健康 |
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