自己判断による服薬傾向と残薬処理の現状が顕著に 「処方薬の飲み残しに関する意識・実態調査2016」

 漢方デスク株式会社(代表:葉山 茂一)は、処方薬の飲み残しに関する意識・実態調査を、全国の10代~60代の男女633人を対象に行いました。その結果、処方薬について医師、薬剤師、看護師から説明を受けて理解できていて、指示通りに服用している人は全体の9割程度占めるにもかかわらず、自己判断で処方薬の服用量を減らしたり服用を中止したことがあるのは全体の6割程度に上ることが判明しました。また、処方薬を飲み残してしまった人の割合は全体の半数以上で、風邪やインフルエンザなどの急性疾患のお薬が多数を占め、西洋薬が大半であることも分かりました。さらに、処方薬を飲み忘れることに問題無いと感じている人とリスクがあると感じている人が二分され、飲み忘れた処方薬を体調が悪くなったら再度服用すると多数回答していることから、自己判断による服用傾向の認められる現状が読み取れます。

■処方薬について医師、薬剤師、看護師から説明を受けているのは全体の約9割

最初に「通常、病院や医院で処方されたお薬について、医師や薬剤師、看護師などから説明を受けていますか?」と聞いたところ、「十分説明を受けている(43%)」「ある程度説明を受けている(46%)」で合せて全体の9割近い回答になりました。

 

■処方薬の説明を理解できているのは全体の9割弱

次に、「説明を受けて、どの程度説明の内容を理解出来ていますか?」という設問では、「よく理解できている(36%)」、「だいたい理解できている(52%)」で合せて全体の9割近い回答になりました。医療現場での医療従事者と患者のコミュニケーションはうまく取られている状況と言えます。

 

■処方薬を指示通りに服用しているのは全体の95%

「処方されたお薬について、指示通りに服用していますか?」という設問では、「指示通りに服用している(63%)」、「だいたい指示通りに服用している(32%)」で、合せて95%という高い割合での回答結果になりました。

 

■自己判断で処方薬の服用量を減らしたり服用を中止したことあるのは全体の6割弱

続いて、「お薬について、自分の判断で服用量を減らしたり、服用を中止したことがありますか?」という設問では、「よくある(20%)」「たまにある(37%)」で、合せて6割弱という結果になりました。基本的には指示通り服用しているものの、自己判断で服用をコントロールしているという実態もあるようです。

 

■自己判断で服用量を減らしたり服用を中止したりするのは、「症状が改善されたから」

「自分の判断で用量を減らしたり、中止したりする理由について、当てはまる理由を選んでください。(複数回答可)」という設問では、「症状が改善されたから(203)」という回答がトップで、「副作用のため(103)」「面倒だったから(46)」という回答が続きました。

 

■処方薬を飲み忘れてしまったことがあるのは全体の半数以上

次に「処方されたお薬について、飲み忘れてしまうことはありますか?」という設問では、「よくある(17%)」「たまにある(35%)」で、合せて半数以上の回答でした。

 

 

■処方薬を飲み忘れてしまうのは「昼」がトップ

「【処方薬を飲み忘れてしまったことがあると回答された方に質問です】飲み忘れが多いのはいつですか?(複数回答可)?」という設問では、「昼(137)」がトップで、「朝(112)」と回答が続きました。

 

 

■処方薬を飲み忘れてしまう理由は「うっかり忘れてしまうから」

次に「【処方薬を飲み忘れてしまったことがあると回答された方に質問です】飲み忘れてしまう理由について、当てはまる理由を選んでください。(複数回答可)」という設問に対しては、「うっかり忘れてしまうから(195)」が回答のトップで、「持ち歩くのを忘れてしまうから(101)」、「食事を取らない時があるから(53)」という回答が続きました。

 

■処方薬を飲み忘れると「問題無い」「悪化する可能性がある」という認識が同数程度

「【処方薬を飲み忘れてしまったことがあると回答された方に質問です】お薬について、飲み忘れた場合の影響をどのように認識していますか?(複数回答可)」と聞いたところ、「数日飲み忘れても問題ない(135)」がトップで、次に「服薬を忘れるとよくならなかったり、悪化する可能性がある(112)」という回答が続きました。問題無いと感じている人とリスクがあると感じている人がはっきり分かれている状況にあります。

 

 

■飲み残しの処方薬は「風邪やインフルエンザなどの急性疾患」の薬が最多

「飲みきれずに残っているお薬について、どんな症状に対するお薬でしたか?(複数回答可)」という設問に対しては、「風邪やインフルエンザなどの急性疾患(167)」がトップで、「花粉症やアレルギー症状・体質(123)」、「原因のはっきりしない不調(不定愁訴)(100)」と回答が続きました。

 

 

■飲み残しの処方薬の9割弱は西洋薬

次に「飲み残しの処方薬は西洋薬でしたか、漢方薬でしたか?」という設問では、「西洋薬(主に科学的な有効成分1種類からなる薬)(88%)」に対して「漢方薬(12%)」という回答結果になりました。

 

■飲み残しの処方薬を服用していた期間は「1週間以内」が最多

さらに「飲み残しの処方薬について、どれぐらいの期間そのお薬を服用していましたか?」という設問では、「1週間以内(63%)」が最多で、「1年間以上(14%)」「1週間〜2週間以内(9%)」という回答が続きました。

 

■飲み忘れてしまった処方薬は「体調が悪くなったら再度服用」

続いて「残ってしまったお薬は、その後どのようにされていますか?(複数回答可)」という設問では、「体調が悪くなったら再度服用(225)」がトップで、「廃棄予定(179)」、「ただ単に保管(135)」という回答が続きました。ここでも自己判断による服用傾向が認められます。

 

■飲み残しの処方薬について医師・薬剤師・看護師に状況を「正直に伝えた」のは全体の半数弱

次に「飲み残している薬(残薬の確認)がある場合に、医師・薬剤師・看護師に、正直に飲み残している薬の状況(服薬状況)を伝えましたか?」という設問では、「正直に伝えた(48%)」に対して、「正直に伝えなかった(26%)」「どちらともいえない(26%)」で、回答は二分されました。

 

■残薬をなくすには「残薬の使用期限の明示」、「症状ごとの適切な服用期間の説明」

「どういう情報や仕組みがあれば、残薬(処方された薬の飲み残し)がなくなると考えられますか?(複数回答可)」という設問では、「残薬の使用期限の明示(186)」という回答がトップで、「症状ごとの適切な服用期間の説明(158)」、「残ってしまったお薬を回収してくれるサービス(121)」という回答が続きました。

 

■「自分自身が、服用する意義や治療法を理解し、薬を正しく服用したい」が全体の9割強

次に「近年、お薬の作用や副作用などについて十分説明を受けた上で、患者さん自身が服用する意義や治療法を理解し、お薬を正しく服用することが大切と指摘されていますが、このことについてどのように考えますか。」という設問では、「自分自身が、服用する意義や治療法を理解し、薬を正しく服用したい(93%)」に対して、「薬については難しいので、医師や薬剤師の指示通りに服用していれば意義や治療法の理解までは必要と考えない(2%)」という回答結果になりました。人任せではなくて自分で理解し服用していきたいという意識が垣間見えます。

 

■残薬が漢方薬の場合、欲しい仕組みは「インターネット等を通じて調べられるシステムやサービス」が最多

最後に「残薬がもし漢方薬の場合、どのような情報や仕組みが欲しいですか?(複数回答可)」という設問では、「インターネット等を通じて調べられるシステムやサービス(283)」が最多で、「かかり付け医師・処方医に相談できるシステム(213)」、「かかり付け薬剤師に適宜相談できるシステムやサービス(149)」という回答が続きました。

 

 

以上の調査結果について、慶應義塾大学環境情報学部ならびに政策メディア研究科教授・医学部兼担教授の渡辺賢治先生にお話を伺いました。

「残薬の問題は個人の健康に関わるとともに、増大する医療費の観点からも注目されています。今回の調査では、残薬の理由として、飲み忘れのみではなく、自己判断でお薬の量を減らしたり中止したりする実態が明らかになりました。風邪やインフルエンザなどの急性疾患で症状が改善したことで、薬をやめる方が多いようです。薬によっては決められた日数をきちんと飲む必要がある場合もあるので、医師に確認してから中止した方が安全です。また、残薬を同じ症状に再度用いる方が多いのですが、自己判断は危険ですので、やはり医師・薬剤師の指示を仰いだ方が無難です。正直に残薬の状況を伝えて次回どのような状態であったら服薬してよいかも確認しましょう。ご自身の薬について関心が高いことはよいことです。特に漢方の場合、インターネット等で情報を得たいという声が高いので、今後のサービス充実に期待したいところです。」

 

今回、漢方薬を残す割合が12%と西洋薬88%に比べて少なかったのは、漢方デスク利用者を対象とした調査であったことが影響している可能性も考えられます。薬の種類を問わず残薬を減らすためには、薬・治療に対する理解を深めることが大切と言えます。

また、現在、調剤薬局で「節薬バッグ」や「残薬バッグ」と名付けられたエコバッグを配布し、飲み忘れなどによって残っている薬を薬局に持参してもらう取り組みが行われています。薬剤師が残薬の量や使用期限を確認した上で、医師と連絡し処方数量の調整を行っていますので、このような仕組みの積極的な利用も重要と考えられます。

 

調査詳細ページ

https://kampodesk.com/press_releases/28

 

 

 

 

 

■漢方デスク「処方薬の飲み残しに関する意識・実態調査2016」

・調査方法:インターネット調査

・調査期間:2016年6月8日~2016年6月13日

・地域:全国

・対象者:「漢方デスク」利用者(年齢構成19歳以下2%、20-34歳42%、35-49歳47%、50-64歳7%、65歳以上1%)

・有効回答数:633

 

■漢方デスクについて

https://kampodesk.com

漢方デスクは、漢方医学の考え方に基づいて、それぞれの人に合ったライフスタイル・食事・漢方薬等を提案する漢方・薬膳の総合ポータルサイトです。

 

■漢方デスク株式会社 会社概要

https://kampodesk.com/corporate

社名:漢方デスク株式会社

設立:2013年10月

所在地:東京都渋谷区

事業内容:インターネットサイト「漢方デスク」の企画・運営、医薬品の販売

代表取締役:葉山 茂一



ログインするとメディアの方限定で公開されている
お問い合わせ先や情報がご覧いただけます

添付画像・資料

添付画像をまとめてダウンロード

企業情報

企業名 漢方デスク株式会社
代表者名 葉山茂一
業種 医療・健康

コラム

    漢方デスク株式会社の
    関連プレスリリース

    漢方デスク株式会社の
    関連プレスリリースをもっと見る

    • クリックして、タイトル・URLをコピーします
    • facebook
    • line
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

    プレスリリース詳細検索

    キーワード

    配信日(期間)

    年  月  日 〜 年  月 

    カテゴリ

    業界(ジャンル)

    地域